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完全休日

連続更新133日目


腹減った〜



休日

断乃は夏休み前から1日も休まず鍛錬、そしてモンスターが発生した際の対処もして来た事でまともに休める日が無かった。

しかし今日予定が完全に空白の奇跡の1日な為早起きをして出かける準備をしている。


諸々の準備も終わり朝食を摂っているとテレビでアメリカのニュースが流れた。

それはアメリカの一部である禁足地と呼ばれる場所がモンスターの聖地となって十数年ぶりにその土地から確認出来る限り全てのモンスターを追い払ったというのだ。


「……ふーーん」


パンを咥えながらテレビを見る。

そこは夏休みに入ってすぐダーケンに連れて行かれた土地の景色と似ていた。


「やっぱあそこ禁足地だったか。まぁでも帰り際に人が来たからそうだろうとは思ったけど」


追加のジャムをパンに塗った。

カトレアとダーケンもそれぞれ好きな味のジャムをパンに塗りたくり食べながら断乃の呟きに参加する、


「む、禁足地?少し前に行った場所で龍人がいたあの土地か??」


「そうだよ。凄い数のモンスターがいて皮肉ってモンスターの聖地なんて言う馬鹿もいるくらいだったんだけど……」


「私達でかなりの数の強めのモンスターを処理してしまったからな。後に続いた者達は大分楽ができた事だろうな。

 魔狩人のモンスターの強さを分ける階級で表すのならば残ったモンスターは高い個体でも精々二級……仮主の住むこの日本より人が多いと聞くアメリカの戦力であれば比較的楽が作業だと思う」


「アメリカの特級魔狩人、あちらではSランクハンターって名称だったか。そのSランクハンターの数が日本の倍以上いるらしいし」


2人はココアを飲み干し楽しそうに笑う。


「私達が魔狩人に登録する時に試験官代わりになった名前は何と言ったか……」


カトレアが難しそうな表情で指をクネクネと弄りながら忘れた2人の名前を思い出そうとしていた。

すぐに思い出せないと察したダーケンが助け舟を渡す。


「ゴシキとヤクと言う若者だ。

 はぁ……名を忘れるとは礼を失しているのではないか子孫?」


「深く関わっていない為忘れてしまいました……反省をします」


「一体誰に似たのか…………血が繋がっているの我か?」


「「…………」」


「おい、何か言え」


ダーケンなりの"ボケ"をしてみたが全くと言っていいほどくすりともしなかった為かパンを頬張っている2人に圧をかけた。

ボケて受けなかったら圧で脅す。

中々良い性格をしているがその性格もカトレアにしっかりと受け継がれており意外にも断乃と2人で話す時はボケたりする。


ダーケンの前でボケないのは先祖におちゃめな姿を見せるのさ流石に恥ずかしいという理由だ。

それから少し無言が続き全員がパンを飲み込むと手を合わせた。


「ご馳走様」


「「恵みに感謝を」」


ダーケンとカトレアの2人は悪魔貴族というより悪魔族全体に伝わる食後の礼をして食器を片付けた。

断乃のは手早く食器全てを洗うと所定の位置に置く。

そのまま手を拭き自分の部屋に戻るの荷物を持った。


「…………貴女達は着替えが楽で良いですね」


部屋から出るとスタイルが際立つ服を2人が着ていた。


「ふむ、子を持った事がある我がこの様な格好をするのは些か恥ずかしいなっ!」


「先祖様が照れるとは珍しいですね。てっきり羞恥心などないのかとばかり……」


「我にも羞恥心くらいあるのだぞ?!子孫よ!我を一体どんな先祖だと思っているのだ?!?!」


「……酒の席で酔って近くにいた貴族の1人を裸に剥き

石像にしたと代々伝わっています」


「何故よりにもよってそれが伝わるのだ……!!!」


自身の中でもトップレベルの黒歴史に思わず座り込んだダーケンは耳まで真っ赤にする。

普段模擬戦闘をする時一度も勝てないストレスを何故か今発散したカトレアの表情はどこかスッキリしていた。


「……何でも良いけど初めての完全プライベートで出かけるんだから喧嘩しないでくれない?」


「「それはすまなかった」」


同時に謝ると何事も無かった様に立ち上がる。


「どうする仮主《転移》で行くか?それとも電車とやらで移動するか?」


「電車は今の時間帯まだ走ってないだろうからバスである程度してから電車で移動しよう。

 ちょっとした冒険みたいでワクワクするだろ?」


「それは……まぁ《転移》だと直ぐに着いて味気ないからな。ワザと疲れる移動も一興という物か」


「そういう事」


時計を見る。

5時を示していた。


「お父さんには予め昨日出かける事話してあるから大丈夫、ご飯も作ってある……暇帽子の為の映画も3シリーズ借りて来たし1日ゴロゴロ出来るな」


「では行くぞ」





「…………何か言う事は??」


「…………気分を悪くしている乙女に話しかけないで下さい仮主ぃ」


「はぁ……馬車に沢山乗っているはずなのに何故電車で車酔いをするだ」


「景色の流れを追ってたら何かこう……回って」


「見すぎや」


電車から降りるとグロッキーなカトレアを介抱しながら少しIQの下がった発言にツッコミを入れて断乃とダーケンはもう一度ため息を吐いた。





氷太刀でけたーー

金冠増えなーーい

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