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それぞれ

連続更新132日目

遅くなったわ



『石川で発生したモンスターの襲撃を魔狩人が迅速に処理しましたがその後現れたドラゴン型のモンスターによって負傷者が出てしまいました。

 しかし現場にその日退院したばかりの高校生がドラゴン型モンスターを倒したとの事です。

 ドラゴン型モンスターを処理した優馬学園の早馬翔太君はこの事について「退院して始めての戦闘は怖いよりも楽しいという感情が勝っていました」と頼もしい発言をしておりーーーーー』






「……ようやく復帰したか。本来なら日常生活すらままならない怪我を負ったのに退院していきなりこれは衝撃的だね。

 ドラゴン型モンスターの死体の大きさから見て強さを甘めに見積もったら特一、甘めに見積もらなくても一級上位はありそうだな。

 うーーん。去年から成長してるってのもあるかもしれないけど想像以上だ……!」


動画サイトに上がっていたインタビュー映像とドラゴン型モンスターとの戦闘映像を見て呼乃田は初めて模擬戦闘をした時以来の高揚を覚えた。


出会いは同じ中学。

お互い名前も知らない状態で魔狩人としての特訓を積んで来た。

何度か模擬戦闘を交わすうちに年の差なんて全く関係なく親友になる。

高校に入ってから呼乃田は環境の事もあり成長が伸び悩み、対して環境が恵まれた早馬は急成長を遂げ一年で絶世祭の頂きに手を掛けかけた。


しかし今年早馬は人生を潰されてしまう。

そこから幸運が訪れ全国に見せつける形で盛大に復活の狼煙を上げた。


「僕もこうしちゃいられないな。負けない様に頑張らないと……」


立ち上がると1人暮らしの部屋のリビングを見渡すと名前を呼ぶ。


「ギルガメッシュ」


「何用だ?」


現世の俗という物に染まりラフな格好になったギルガメッシュがやや不機嫌な表情で別室から顔を出した。


「早く要件を言え。まだ朝の5時に加えてゲームとやらも大詰めの局面なのだぞ……」


「隈が出来た弱々しい目で威嚇されても」


俗世に染まりゲームをオールで行うようになったギルガメッシュに軽く煽りを入れつつ要件を伝える。


「少しだけ……本気で鍛錬がしたくなった」


「毎日身体強化無しの本気の鍛錬をし、魔力操作の鍛錬をしていてまだ足りぬと?

 して、その理由は聞けるのだろうな?」


「ライバルが怪我から復帰したんだ。

 何があったのか知らないけど怪我をする前より遥かに強くなっていたんだよ。スピードだけなら全力の僕より速い」


「それほどか?」


「それほどだよ」


「待っていろ」


部屋に戻ると何やら機材を動かす音が聞こえて来る。

2分ほど経つとラフな格好から今から戦闘を行いに行くとばかりの姿に変身して出て来た。

呼乃田より背がかなり高い為腰を曲げ頭を下げ、目線を合わせて話す。


「この我にもライバルと言える存在がいた。もう2度と戦えないがな。それ故に貴様の気持ちは幾分かは理解出来る。

 負けたくないという気持ちは成長という料理に対して最高のスパイスとなる事は理解出来るな?」


「うん」


「我と貴様の能力との完全融合、そして完全能力と貴様の完全融合が終わるその時まで我の全てを貴様に伝授してやろう」


杖を取り出しリビングの床を「トン……」と叩くと景色が全く知らない物へと変化する。


「こっ?!?!」


「人1人いない空間を限定して転移した。ここが何処かはこの我でも正確には理解していないが安心するがいい。元の部屋には戻れる」


杖を何処かに仕舞う。


「貴様の得意とする武器種を取り出すが良い。人形の体とはいえ貴様より我は遥かに格上だ。

 胸を借りる立場なのだから遠慮はしてくれるなよ。露骨に遠慮したら今後一切鍛錬には付き合わぬから覚えておけ」


「分かりました。では、その強靭に鍛え抜かれた胸を借りさせていただきます。《ゲイ・ボルグ》」


パシッ


静かに空から飛んで来た《ゲイ・ボルグ》が呼乃田の手の中に収まる。

馴染むように一通り型をするとギルガメッシュと向き合う。


「……槍か。ならば我も教授してやる立場として槍を使うとしよう」


手の中から槍が出現しそのまま握られた。

お互いに距離を取ってから構える。


「甘えるなよ呼乃田、今代は少し世界の様子がおかしい」


体が沈み込む。

そして鳥の鳴き声を機に地面を蹴った。





「……よし、身体強化無しで武器を持っても重さが減って来た。これなら身体強化の倍率を下げて魔力に余裕を持たせられる」


筋トレが終わり流れる汗を拭きながら《銃壊 : スコーチュタルス》をゆっくりと地面に置く。

この武器自体が重い為筋トレ道具としても使える。


「これで取り回しも速くなるから移動しながらの戦闘も楽になるわね。それに……」


近くにあった木を蹴る。


ズドン!!!


「身体強化ありきとは言え木も蹴り折れるくらいには成長したから仮に懐に入られても護身程度にはなる!」





「うーーん。予想より多く召喚出来ちゃったな……?」


想離は目の前に広がっている自身が召喚した従僕を見て驚いていた。


「ドラゴンを入れて召喚してもここまで召喚出来たのは初めてだ……操るってなったら流石に無理だけど壁にも使えるから無駄じゃない!」


近くの騎士型従僕の体を撫でる。


「こーちゃんの助けになるかな?」





モンハン金冠出ねーな?

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