復活の狼煙
連続更新131日目
ヤツが出なす!!
新登場に感じるけど新登場じゃないです!
「そろそろリハビリも終わる頃か?」
「はい。この足が無くなった時はどうなるかと思いましたけど……原因を使った本人が治してくれるとは思いませんでした」
「何か話したりしたのか?」
「何も……ただ「厄介ごとが1つ減ったから」とだけです。あと「これはオマケ」と言って体の中に魔力を入れられて何か……弄られました」
「え?その話聞いてないよ?」
「今言いましたから」
話を聞いていた医者は頭を抱え少年の言葉に頭痛を錯覚した。
「な、何でそれをすぐに言わなかった??」
「その魔力で体の中を弄られた時変化があったんです。とても大きな」
「そりゃあるだろうね」
「何故か入院する前より遥かに調子が良かったんです。まるで5年間身体強化をし続けた魔狩人の人のような力を感じました」
「何?」
少年の言葉に困惑する。
そんな医者を横目に話を続けた。
「筋肉は……リハビリをしていたとはいえ衰えていたはずだよね?」
「それでも、今までを上回る魔力の馴染み。時を進めて未来の体にしたと言われても納得出来る程の充足感です。
正直今のこの状況でも去年の絶世際で優勝する自信すらある。未来の体を持って来て入れ替えたと言われても納得しそうになるほどのポテンシャルの引き出し……あの人は怖いな。
怖いくらい優しい、ここまでする必要なんてないのに」
「そんな満ち足りた顔で語られたら医者としてあまり強く言えないな。
さて、明日で退院だが本当に体は大丈夫なんだろうね?少しでも違和感があったら入院していくと良い」
医者の気遣う言葉に少年は笑みを溢すと立ち上がる。
「僕には寝てる暇はない。噂程度だけど僕のライバルがトップレベルの魔狩人と仕事したりするほど強くなって活躍してるらしいんだ。
しかも今年入った一年もかなりの粒揃いだと聞いてる。……負けられないんじゃなく。負けたくないんだよ僕は。
更に聞けばあの学校の魔闘部じゃなく他部活だけどそれなりに強い人も海外遠征から帰って来たりしてる。
追い抜かれるのが怖いな」
言い切ると少年は運動をする為に体解しとして屈伸をやり始めた。
足首も捻らないように丁寧に解しているとそれなりに離れた位置に爆炎が上がるのが視界に入る。
「モンスターの発生か?!今すぐ避難するぞ!常駐している魔狩人が病院に結界を張ってくれるから今すぐ中に避難を……!!!!」
「その必要はありませんよ」
パリッ
少年の体に一瞬だけ電気が走る。
そして魔力が回り始めた。
医者は何をしようとしているのか察して声を荒げる。
「馬鹿な真似はやめろ!!明日退院だとしても君はまだ患者なんだぞ?!そんな事……!医者のワシが許すと思う!!?」
「許可なんて必要ない。先生はただ、待っていればいい」
体勢をまるで陸上のクラウチングスタートの様に低く屈めて地面を踏み締めると一言だけ呟いた。
「《雷迅》」
「早馬君!!!」
バリッッ!!!
少年には自身の名前を呼ぶ医者の声など聞こえていない。
電気が一段と強く発生した次の瞬間には地面は抉れ上空数百mそして前方およそ数百mの位置に跳んでいた。
「あぁ……」
(普通だと思っていた。当たり前だと思っていたこの風の気持ち良さが今はとても……非日常だったのだと思い出せてくれる!!)
前に進みながらの落下。
比較的高い建物があるこの街は今の移動手段に最適だった。
ある建物の屋上に着地すると一切止まらずそのまま地面を蹴り、今度はなるべく高く跳ばずに前に進む力を割く。
「今までの……倍は速く着いた!!」
《雷迅》という技は去年ならば最高のコンディション、集中の中出来て3回だった。
しかし今はさして集中している訳でもないにも関わらず回数は余裕をかなり残し2回も《雷迅》を使用している。
元凶と思われるモンスターの目の前に丁度着地をすると顔を確認した。
「ドラゴンかよ……物騒だな」
「ゴァアーーーーー!!」
咆哮をしようと息を吸い顔を上げた瞬間
ッッッダン!!!!
ドラゴンの頭部が地面に深くめり込んだ。
だが決定打には至らないのか頭を地面から取り出し再起する。
「ゴァアアーーーーー」
《雷迅》
バリッ
雷の発生するよりも早く早馬の姿が消えると今度は体ごと空へと吹き飛んでいった。
「得意の空でも自由に暴れられると思うなよ!《雷迅》!」
早馬と真上にドラゴンよりも高い位置に跳び対象を見下ろす。
「ライバルに届かせる。復活の狼煙!!」
刹那ドラゴンは黒焦げに変わり絶命した事により地面に落ち始める。
遅れて雷の音もやって来た。
「《雷神の雑音》流石にここまで綺麗に発動したのな初めてだな。
復活狼煙にはこれで充分だろ?呼乃田」
ドラゴンが地面に落ち重低音を響かせた十数秒後に本職の魔狩人の人達が集まって来た。
当然"飛ぶ"魔法がない早馬は落下をする。
それに気付いた魔狩人の1人が受け止めようと手を伸ばして駆け出すが早馬は魔力を横方向に爆発させスライディング方式で減速、着地した。
「き、君!!怪我はないかい?!」
「大丈夫です。怪我は治ったばかりですから」
割とサクサク書けたけど残り400文字サボって今の時間帯
_(┐「ε:)_