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正義

連続更新126日目

体の調子が良いねぇ



怒号、血飛沫、命が飛び交う戦場

それを眼下に俯瞰する人物の影が崖上に2つと離れた位置に複数の奴隷が立たされている。


「バグラ」


「如何致しましたか坊ちゃま」


「質が……下がっているのではないか?」


「申し訳ございません。ここ最近奴隷の質が下がり気味でして……」


申し訳なさそうにバグラと呼ばれた執事が頭を下げる。

坊ちゃまと呼ばれまた男は苛立ちが募っているのか離れた位置にいた女の奴隷を呼び寄せた。


「お前らがっ役立たずのせいでっ!!!実験体の記録が取れねぇだろうがぁあ!!!」


「あっやっ!も、申し訳ございませがぁっ?!」


目の前に跪いた奴隷の顔を蹴り上げる。

血が舞い歯が幾本が折れてしまう。


「ゔ……も、申し訳あがっ!?」


再び頭を下げた女奴隷の横顔を蹴り抜く。

全く関係のない、女奴隷が一切関わっていない事に対するただの八つ当たり。

下手に抵抗すれば小屋にいる奴隷仲間のみならず坊ちゃまと呼ばれる男の拠点にいる家族にも波及する。


だからただ耐え忍ぶ


ドスッ!


思い切り重ね揃えられた指を踏みつける。

その際「パキッ」と乾いた男が執事と男の耳に響いた。

原因は女奴隷の指の骨折。

一本だけではなく重ねられた指全てを折られ耐え難い激痛に襲われるが少しでも男の機嫌が収まる事を祈り悲鳴、呻き声の1つも漏らさない。


「反応の1つもないとかつまらないな」


「申し訳っ……ございませんっ!」


痛みを堪え何とかそう紡いだ。

すると男が鼻を押さえる。


「指を折られて呻き声の1つも漏らさない割に地面を濡らすのだな?」


羞恥、恥辱、自身の主人である男の明らかな嘲笑。

痛みに耐え声は抑えられても代償として我慢出来ぬ物もある。

それをわざと近くにいる執事にも聞こえる様に喋ると女奴隷は耳までも真っ赤に染めた。


「バグラこの汚物を他の奴隷達に命じて綺麗にさせておけ。捨てても良いがコイツにはまだ使い道があるからな」


「……仰せのままに坊ちゃま」


「バグラ、いつまでも俺を坊ちゃま呼びら止めろと言っただろう。俺の名前はテスラ・レーゼンだっ」


「ほほ、昔から変わりませんな?」


「ちっ!」


執事の笑顔にテスラは舌打ちをして顔を逸らす。

そして今だ目の前にいる女奴隷に一言告げた。


「貴様の両親を救いたくはないか?」


「?!」


反射的に顔を上げてテスラを見る。

しかしすぐに叩き伏せられてしまう。


「俺の目の前で軽々しくその面を見せる!!」


叩き伏せられた時モロに鼻が潰れたせいで血がドロドロと流れる。


「お前は黙って、頭を垂れて俺の話を聞いていれば良い。……いいか?俺の障害となる悪魔貴族が異世界でその子孫と力を蓄えている。

 まずこれが大前提だ」


「……はぃ」


「お前にはある呪いと実験の為の要素を移植する。そしてある程度安定したらお前ごと目的の異世界で転送し、そこで暴れてもらう」


「っ!」


「常に監視と体内にある魔法を掛けるから逃げる事は叶わないぞ?別次元だろうと必ず俺は認識出来る魔法だからな。

 そこで暴れて目標を呼び出す。そして!そこでさっき言った対象を殺せ。殺せないと監視が判断したらお前を自爆させて相打ちを狙う」


「1つだけ質問をしてもよろしいでしょうか?」


弱々しく口を開く。

歯の損失、両手の指の骨折、鼻から止まらず流れる血により言葉が震えた。


「1つだけだ」


「ありがとう、ございます。……その両親っ……は!私の任務がっ、失敗したら死ん、死んだしまうのでしょ……でしょうか」


上手く喋れず所々発音が怪しい。


「正直お前は死ぬ。目標を絶対に殺せないと確信している。だから送る際には最新の技術を盛り込んだ人工モンスターの核を埋め込んで実験体となってもらう。

 殺せれば儲け物というやつだ。故に成功失敗に関わらずお前の両親は奴隷からの解放、そして平民の身分に上げ国外追放にしてやる。

 最悪な事に俺の家系は約束を守らねば《能力》を失ってしまう。不本意だが奴隷のお前にも約束だけは誠実になってやる。

 くそっ、忌々しいっ!!!」


テスラはここ数年で1番の感情の発露を見せる。

数百年テスラを縛り付ける普通ならば天使の抱擁、しかしこと、テスラにとっては()()の口付けだった。


「……バグラ、下の実験を今すぐ切り上げデータを集めろ。《能力》が発動してしまったからには最新の成果を奴隷如きのお前に授け!家族を平民に引き上げ!この国から追放し自由を与えてやる!!!

 クソッッ!!本っ当にーーーーー」


更に激情の強さを更新する。


「忌々しい《能力》だ!!!!この俺をこんな家系に産み落としおって何が《正義のユースティティア》だ!!そんな物っっ……家畜にでも食わせておけ!!」


《能力》が発動してしまった事に対する感情の発露。

自身の身を焦がす程のストレスを少しでも和らげようと女奴隷に身につけていた服を投げつけた。


「実験の前段階で死んだら家族諸共家畜の餌だっ」





ポイント増えてましたわ!!

ありがとうございます!!!!

朝までにもう20ポインツ増えてて欲しいなぁ

なんて……チラチラッ

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