帰宅
連続更新123日目
間に合ったぁぁぁ!!
少ないですが許せ!
「何とかなった。予め認識阻害をかけ直しておいた良かったよ」
「明らかに違和感があるはずなのにそれに全く触れずに話す器用さは我から見ても優れていたな。
《隠密》を使うならばその程度は出来ないと暗殺もまともに出来ないからな、訓練をしっかり積んだようだ」
「先祖様がいきなり知らない人間を複数人連れて来たので流石に焦りましたよっ」
カトレアは少しだけ怒った様子でダーケンに物申していた。
「許せ、彼奴らはこのモンスターに支配された土地を取り返す為の前準備としておおよそのモンスターの特徴、特性等を調べに来ただけだ。
寧ろこの土地は奴らの国の一部だからな不法侵入、密入国……悪いのは我々だぞ」
「忘れたけど密入国じゃん」
「忘れては駄目でしょう仮主?!」
分家で本家のオルナ家を支えて来たという事情もありこの3人の中で1番真面目なカトレアは頭を抱える事になる。
今3人がいるのは理家のリビングだった。
「かなり疲れたなぁ……」
「仮主にとっては今までの中で1番能力有りで連戦し、能力無しでの連戦も過去1番だからな。疲労が溜まるのも不思議ではない。
途中私でも過去に2回ほどしか見た事のない珍しい龍人と会い何故かライバルになったりと……仮主、中々愉快な鍛錬間でしたね」
ほんの少しだけ鍛錬の予定が崩れた事にご立腹なカトレアは断乃を睨んだ。
その視線に耐えられる訳がないのですぐに背ける。
「それでもこの5日間寝る前に魔力の器を増やす為に鍛えたじゃないか。誰か……チャラだろ?普段は負担が意外と大きいから1週間のうち3日しかやってないけど今回は5日間の内5日!
阿保みたいな眠気に耐えて魔力を出して切るんだぞ?普通にモンスターと戦うより嫌なんだよ!お前知ってるか?!寝過ぎた時の寝起きの頭の痛さ!!
アレ多分大人が経験する二日酔いの頭の痛さだね!!」
「回復直ぐにしただろう?」
ダーケンの何気ない一言により断乃の決死の反論が斬り捨てられる結果になった。
どこかのうごく石像のような体勢のまま顔を赤くすると自室に消えて行く。
「(ちくしょぉぉーーー!!!!)」
枕に顔を押しつけて叫んだ声が聞こえた。
ここで近所迷惑に配慮する程度の理性は残っている。
ガチャ
やや赤面した名残がある顔のまま部屋から出ると2人の前に座り直す。
「この数日は俺だけ2人の協力を得られる鍛錬期間だったからな。明後日から呼乃田先輩達と都合がついたらダーケンの【異空間】で鍛えよう。
あ、だけどダーケンとカトレアに個人的な都合があるなら俺個人で鍛錬内容を考えるんだけど……」
「ダンノ我らは一応この国の魔狩人とやらになった。確か魔狩人協会が言っていたな、この夏休みの期間いつでも連絡が取れる様にしておけと」
「あっそうだった。予定の組み直ししなきゃ」
「鍛錬場所は最悪我の【異空間】の中で加速して外界との誤差を出来るだけ無くす方法にすればいい。
だがそれでもなるべく魔狩人協会からの連絡の為に【異空間】を使わずに鍛錬するのが望ましいだろうな」
「ダーケンに負担かける事になるな……」
「気にする事ではない。我が子孫達の成長を手助けするのは楽しい。子や孫は殆ど相手出来なかったからその分をお前達に、というだけだから本当に気にするな。
ふふっ……初めての子育ての気分だ」
「もう16歳なんだけどなぁ」
「私も既に成人しているのだが……」
先祖は当然の如く年上
そう分かりきっていても子供扱い所か赤子として認識されていると分かった断乃とカトレアは複雑な顔になる。
「じゃあその言葉に甘えて1つお願いしていいか?」
「ふむ何だ?あ、カトレアも何か願いはないか?聞いてやるぞ?」
完全に孫の相手をするお婆ちゃんの顔で語りかけて来る。
名指しにびっくりしたカトレアは少し考え答えを導きだした。
「俺らロマン砲を」
「私も仮主と似ますがマンガとやらにあった多重機構の武器を再現して欲しい……です」
「うむ、ダンノもカトレアも後でその図形でも見せろ。そんな事より……」
「「ん??」」
「玄関の前でお父様が待っているぞ」
「それ早く言えーー!!!」
急いで玄関に行きドアを開ける。
「やっと開いたぁぁ……!」
「鍵どうしたの?!」
「家に忘れた……」
「アレスペアじゃないんかよぉぉ!!!!」
後で知る事になるが断乃の親は前日から家に帰れずホテル暮らしをしていた。
さもありなん
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