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困惑

連続更新122日目

あぶねー遅れる所だった。



「苦しんで死にたくなければ何故ここにいるか答えてもらおう」


目の前の女が話した言語に部隊員達は困惑する。


(英語じゃない!他国の人間か?!)


(発音からしてこの人……)


「もう一度言う……何故ここにいる?何をする為にここに来た。答えないという選択肢はない、答えないならば殺すだけだ」


(発音からして中国、いや日本語か?だとしても……)


部隊員の心が一致する。


(((((何言ってるか分かんねぇよ!!)))))


女が武器を取り出した所で部隊長は苦し紛れに英語で答えた。


「I don't know what you're saying So…… I can't answer the question!」


「む?言語が違うだと?!……ここを異国の地だという事を失念していたっっ!」


女は何か慌てた様子で喋っている。

何かをいうと片手で顔を覆いブツブツと呟く。


「w、why?……」


遠く離れた位置で見ていた部隊員の1人が思わず口に出した。

反射的に口を押さえたが何か女が怒るわけでもない。


「面倒くさいが記憶を読むしかないか」


溜息を吐くと手を伸ばし部隊長の頭に触れる。

その行動1つで他の部隊員が命を捨てる覚悟で武器を取り出し構えた。


「随分と慕われているな。良き部下、良き上司、互いに恵まれているのは幸運だろう」


魔力が手の平から出ると部隊長を包み込む。


(これは……攻撃魔法、ではないのか?ぐっ!頭は時々痛むが精々二日酔いが治りかけた時の頭痛だから大した事がない。

 いててててっ、何か頭の中覗かれてる気分だ!!)


最初は部隊員のみがしるハンドジェスチャーで「手を出すな」と伝えてあるからか手出しはない。

それは部隊長、部隊員としてほっとしたが同時に疑問を抱く。

「あの女は何をしているんだ?」と。


部隊員から見た部隊長は時々見る二日酔いの顔をしていたり何か痒い所に手が届かない時のような顔をしているだけなのだ。

脅迫されるより遥かに困惑する。

本人達は普段の生活の中でもいきなり裸のオッサンがタップダンスしながら目の前を横切ったくらい時くらい困惑していた。

ちなみに部隊長の体験談である。


そしてやっと女こ手の平から出した魔力が部隊長の頭から離れる。


「ふぅーーー……日本語に慣れすぎたせいか英語とやらはかなり覚えるのに苦労したな」


「「「「「なっ?!」」」」」


先程までは完璧に日本語を話していた。

しかし今は日本語ではなく流暢な英語をはなし部隊長、部隊員に話してかけている。


「一度他言語に慣れると新しい言語を覚えるのに苦労すると思わないか?どうだ、部隊長?」


「え?!あっ……苦労、すると思う」


いきなり役職名で名指しされて動揺してしまう。

それでも答えると「ふふっ」と微笑した。

この光景だけ見ればハリ◯ッドでも見ない美女が微笑んだだけに見えるが周辺のSランクモンスターの死骸が転がる状況と照らし合わせれば美女がどうとか関係なくなる。


「話を戻そう。お前達は何しにここに来た?」


美女の微笑みから一転、悪魔のような威圧が空間を押し潰す。


「「「「「うっ、ぐぅぅぅ!!」」」」」


バキッ!!!


乗っていた極太の枝も折れて地面に叩きつけられる結果となる。

このままでは部下が殺されると判断した部隊長は部下を殺さない約束の代わりにここに来た目的を話すと伝えた。


「ふむ?内容次第だが我らに無害なら暇故手伝ってやらん事もない。まぁ彼奴に文句は言われるだろうが……」


(彼奴??まぁ良い今は部下を助ける為にここに来た目的を話すだけだ……!)


「実はーーーーー」





「なるほどこの土地を取り返す為に??ふ〜む」


数秒ほど考えると顔を上げる。


「立て」


部隊員達に掛けていた威圧の皮を被った重力魔法を解くと立ち上がらせた。


「今から一応念の為合わせたい人間がいる、ついて来い」


黙って歩き始めると隠密部隊も女の後ろをついて行く。

数分歩くと少しだけ晴れた場所に着いた。


「ここは……」


「直ぐに来る」


そう一言だけ喋ると数秒後にもう1人の女性が現れ隠密部隊を率いた女目の前に立つ。


「これは一体?」


「こいつらはこの土地の国の者達らしい」


「……なるほどそういう事ですか」


英語ではなく日本語で話し始めてしまい何を話しているか全く分からなくなる。

2人の美女が話していると突如隠密部隊の目の前に1人の少年が現れた。


「アレ?この人達は?」


「それがーーーーー」


女は何か少年に伝える。


「なるほどそういう事ね?」


少年は拙いながらも英語で隠密部隊の皆に話しかける。


「ここにいたボス的存在のドラゴンはどこに消えたよ。ドラゴンのいなくなったこの土地はもうSランクモンスターが多いとはいえ烏合の衆になった」


「なっ?!」


「この土地はアメリカの元に還る」


部隊長に背を向けて歩き出す。


「カトレア、ダーケン別の鍛錬出来る土地探そう」


また日本語で何か話すと3人は隠密部隊の前から忽然と姿を消した。


「…………取り敢えず今起こった事は忘れて本来の任務を開始だ」





寝るかーー

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