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凡人

連続更新120日目

武器の名前に困るわぁ



「あぁ?黙らせる??」


「煩くしてても良いだろうが、俺ら以外人いないんだしよぉ!」


「誰だか知らねーけどうぜーから帰れ」


「口腐っ」


「「は?……あっ、てめぇ!!!!」」


キルノアの情け容赦の無い一言に馬鹿達は何を言われたのか理解出来なかった。

だが直ぐに何を言われたのか理解すると激昂し立ち上がる。


「このアマぁ!!!」


「ここは己の力を鍛える為の施設の筈よ。それが何?この一切やる気のない雰囲気は?形だけの道具を揃えているのかと思えば汗の匂い1つしない。

 鍛錬には休息が必要な事は良く理解している。けど貴方達からはそもそも鍛錬した気配が無いわ」


「お前には関係ねーだろうが!!」


奥にいた1人が怒鳴り散らす。


「おおよそ……底辺で燻って上に行けない苛立ちを自分より弱い者にぶつける事で発散している、だろう?

 実に情けないな、苛立ちを募らせるくらいならさっさと鍛錬の1つでもすれば良いものーーーーー」


ヒュッ……ガン!!!!


「ーーーーーを。女性が喋っている時に手を出すのは感心しないわぁ」


一瞬で距離を詰めた男がキルノアの顔に拳を叩き込もうとするが《暗刃槍 : シャドウソウル》の柄によって阻まれた。

いつも通りの口調に戻すと男を弾き飛ばす。


「お姉ちゃん手加減せずにやっちゃわないの〜」


「ん〜〜少し予定変更だわぁ。まず目の前の燻って子供より情け無くイジけている馬鹿達に本当の現実を見せるわぁ。

 その後は馬鹿達の自由にさせるぅかしら?」


馬鹿達を一瞥すると手招きをする。


「掛かって来なさぁい」


明らかに侮蔑を込めた表情に流石に全員が我慢出来ずに武器を持って走り出した。


「《幻霧(ミラージュ)》」


その場からキルノアの姿が霧の様になり空間に溶け込むと完全に消える。


「「「?!?!」」」


(お姉ちゃん割と怒ってる?)


(《幻霧衝波(ミラージュインパクト)


コンッ


空間に溶け込んだまま《暗刃槍 : シャドウソウル》の柄で地面を叩く。

次の瞬間3人の馬鹿は20m離れた壁に叩きつけられた。


「《幻霧歩法(ミラージュステップ)


《幻霧》を解除するとキルノアは足を一歩も動かしていないにも関わらず壁に叩きつけられた3人の馬鹿の目の前に立っていた。


「いっ……痛ぅ」


「何だよ、消えたと思ったから全身に衝撃が……」


「ちぃ」


「良く分かったぁ?貴方達がどれだけ凡人的な存在かって事ぉ」


「「「…………っ」」」


悔しそうに

しかし一切の反論を許さない一連の流れを理解するだけの理性がある為吠えるような事はしない。


「自身の才能の無さにあぐらをかき、鍛錬を怠った貴方達はぁ一生……上に上がれないわぁ」


確信を突く一言にリーダー的存在の男がキルノアを睨んだ。


「あらぁ?まだ悔しがる気持ちがあるって事はぁ?まだ伸び代があるって事ねぇ??」


3人を入り口まで連れて行く。

ニコニコと笑うと3人に背を向けて壁端に座っていたジャックに声を掛けた。


「ジャックー!今から少しだけ強めに鍛錬をして1つの頂きを見せつけるわよぉ!」


《暗刃槍 : シャドウソウル》を仕舞うと複数セットのナイフ型心剣である《也響(なりひびき) : 暗鬼(あんき)》を両手に握る。

キルノアと対峙するジャックは《響赫(きょうかく) : 赫赫(赫赫)》というキルノアの持つ《也響 : 暗鬼》と同じ複数対のナイフ型心剣を手に持った。


「見ててねぇ馬鹿共達。今から努力で辿り着ける極致を見せてあげるわぁ、それを見てまた頑張るかどうかは自由よぉ。それじゃあ……ジャック」


《也響》を構えると存在感が薄く、ひたすら薄く馬鹿3人がギリギリ知覚出来る範囲まで存在感を薄めた。

対するジャックはキルノアとは反対に逆に存在感を強め視線が自然と集まる程にする。


「「しっ!!」」


同時に地面を駆けるとお互いナイフを投げ予備のナイフを持って振るう。


カキン!


キルノアとジャックが投げたナイフは意思を持つかの如く空中でそれぞれの胸目掛けて飛んだナイフが弾かれる。

直ぐ様キルノアはジャックに接近すると蹴りを放ち、ナイフが握られている右手で殴る。


その全てを避けるとジャックを足払いをするがキルノアに一歩下がられて不発に終わるが這うような移動で真下に潜り込むと両足で蹴り上げた。


「んっ。前より蹴るのが強くなったわぁジャック」


「ありがとうお姉ちゃん!!」


両手に持ったナイフ、空中に浮かぶナイフ、地面に刺さるナイフ、腰、太もものホルダーに収納されているナイフ全てを使い戦う。



2人の模擬戦闘と呼ぶには些か過激な模擬戦闘に驚愕しつつ一言溢した。


「す、げぇ……」


「人の出来る動きじゃねぇ」


「あの動きどう見ても特一や特級の動きだぞっ?!」


「そりゃそうだ。ホームページには本人の意向で顔写真等は一切合切載せていないからな」


「「「うわぁっ?!」」」


いつの間にか横にいた魔狩人の男に3人の馬鹿は変な声で驚く。


「彼女とその妹である2人は特級だ。最上級のな」




武器の名前に困っても割と好き

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