説明
連続更新103日目
諸事情により遅れたし文量少ないけど許して……
「そう言えばネルバも命令されたようだったな」
「え?」
家で父親の帰りを待ちながらリビングでココアを飲んでいるとダーケンが呟いた。
カトレアがダーケンの言うネルバに聞いた事があるのか顔を顰める。
「ネルバって……誰だっけ?」
「何だダンノ忘れたのか。直近のモンスターの強襲ではなく少し前のモンスターの強襲で戦った奴だ」
「あーーあの時の俺じゃ勝てなかったやつか」
「死に際に家族に対する思いを溢していた事を思い出してな。ダンノがあった存在とも繋がりがあるかも知れんと思った訳だ。
そして悪魔貴族の情勢に詳しいのは子孫で今を生きる、カストレア・ミール・リーリェナッゾ……お前が知る限りの事話して貰うぞ」
「私が仕えていたオルナ家を離れ《絶対切断》の能力を探し始めたのは約80年前。大陸を渡し歩いていた為当時の国の情報は詳しくないですがそれでも大丈夫でしょうか?」
「そんな事は気にしなくて良い我が教えて貰う立場だ。もし思い出せない事があれば我が記憶の隅々を見て情報を集めればいいからな」
普段カトレアを「分家の」としか呼ばないダーケンが真剣な顔で名前を呼んだ。
その瞬間にカトレアは緊張で体が強張るがすぐにリラックスして会話をする。
そしてカトレアがココアを一飲みして話し始めた。
「魔王国リューゼリュベリオンという国が誕生して500年で大陸を制覇したと聞いています」
「我がいた時からすると考えられないな」
「別大陸の人間やエルフ、ドワーフなどの国と戦う力を付けていった結果です。
ここで疑問があると思います、それは世界一の大きさを誇る大陸を国の誕生から制覇までたった500年で成し遂げられたのか。
そこに行き着くまでに大陸に広がる豪族を、世界的に見ても強者と言える存在が屈したのか」
「たった500年」
断乃が無意識に呟く。
「記録上で先祖様が亡くなってから100数年。ある例外的な力を身につけた悪魔達が生まれました。
その時最も強かったオルナ家を脅かすほどの悪魔達がです。明確に頭角を表したのは生まれて50年ですね。
悪魔達は各地を暴れ国を困らせました。そこだけ聞くと規模が小さく感じるかも知れませんが人間の国やエルフの国、ドワーフの国を巻き込む規模だったんです」
「人間のみならずエルフとドワーフが?!?!」
「ぅおっ?!」
立ち上がるほどダーケンは驚く。
その顔は「有り得ない」と断乃でも察せるくらい切羽詰まった顔になっていた。
「エルフとドワーフは我が生きていた時から悪魔族と友好な関係を築いていた筈だ!
一部の物好きな悪魔貴族が人間、エルフ、ドワーフそれぞれと契約するくらい友好だったはずだ……!」
「その時世界的な戦争になり先程言った悪魔達が世界を相手に圧倒してしまったんです……」
「あの全体的な能力は悪魔族が大差で勝つが人間、エルフ、ドワーフの一部の者達は悪魔貴族を凌ぐ者達がいる国達を相手に圧倒するだと?!」
「その時は《絶対切断》等の《絶対能力》が観測されていませんでしたがここで一気に……爆発的と言っていいほど増えました。
そして悪魔大貴族となりました。大地のカーフェス家、風のホウル家、水のシークレス家、炎のバルカ家、雷のムファロン、時のガグレット家、空間のニベルカル……他にも居ますが大体ここら辺が私がオルナ家から離れても続いていた悪魔貴族です」
「大地のカーフェス……だとするとネルバ・カーフェスの家は没落した?」
「その中の全ての家が反人種派の派閥を作り国を相手取りましたが何とかオルナ家とこっそり情報交換をしていたカーフェス家によって落ち着きました」
「…………あの時カーフェスの記憶も読んでおけばもっと楽に出来たな」
顎を触りながら呟いた。
「とすると?」
「先祖様のご想像の通りオルナ家が没落すると同時に没落していきました」
「え?!?!没落したのか?!?!」
「「あっ」」
カストレア・ミール・リーリェナッゾ
自身の先祖に仕えていた家が没落した事を伝え忘れる。
この後悪魔貴族の歴史などを話せるわけもなく父親が帰って来るまでカトレアは正座をさせられダーケンに防音の結界を貼られた状態でボロ泣きするほど怒られた。
断乃はそこまで怒られなかったがついでとばかりに頭に山が出来る。
父親はその光景を写真を撮ったあと皆で一緒にアイスを食べようと提案をした。
明日は頑張ります