見舞い
連続更新101日目
今日は早いぞっ
半葉から間鵞廼の連絡を受け取った後の昼食の時間珍しく魔闘部の全員が学食を選んだ。
魔狩人協会の計らいによりカトレアは断乃達の通う高校の専属魔狩人として登録している為堂々と学食に入り浸る。
ダーケンに関してただの不法侵入だがカトレアの知り合いと説明するとするなり許可が貰えた。
「何故か授業中にメールが来てた事については今は置いておくとしてその話本当??」
「本当ですよ……ほら」
スマホを触りそのメール画面を呼乃田達に見せる。
その横でカトレアとダーケンは初めて見る真っ赤なラーメン見て首を傾げていた。
「……本当だ。じゃあそうだな。今日の部活は特別休暇として見舞いに行こう」
「魔狩人協会専属のヒーラーが治しても2日間昏睡状態って中々酷い状態だったのね」
「いや、状態自体は意外とそうでもないっぽいよ」
「あれ?真梨そんな事分かるの?」
「呼乃田先輩忘れてるかも知れませんが僕治癒魔法使えるですよ?殆ど使用する機会無いですが……ってそうか、そう言えば僕治癒魔法使えるんだった」
「自分自身が忘れててどうするんだい」
普通ならば割とビックリする告白でも真梨自身がまだ一度しか使った事がないからか使えるという事を失念していた。
その横のカトレアとダーケンは真っ赤な見た目のラーメンを口に含み瞬間的に口を抑えてプルプル震えている。
「まぁ取り敢えず放課後は見舞いに行くって方針で」
「帰り軽くどっか寄らない?」
「寄らないよ」
「こーちゃんのケチ」
「そんな顔しても行きません」
遊びに行く提案も即座に却下された事で想離は頬を膨らませて精一杯怒ってますアピールをする。
かなりあざといが長い付き合いの為子供をあやす様に嗜めた。
その近くではカトレアとダーケンがあまりの辛さに我慢出来ず咳込んでいる。
「……さっきからどうしたんだい?」
「何してん」
「か、仮主!見た目が美味しそうだと思ったらゴホッゴホッ!!何て食べ物だ!!悪魔的だ!」
「これは中々……刺激的な。癖になりそうだっ」
カトレアは恥ずかしさで弁明をするがダーケンは断乃が差し出したテッシュを受け取り口元を拭いていた。
オルナ家という貴族の先祖と言うこともあって上品さは別格だった。
真っ赤な唇を除けばだが。
「この食べ物を食した後は人前に顔を出さないな。唇が腫れる感覚しかない」
「痛い」
「治癒魔法使ったら?」
「2人とも使えるのか?」
真梨の催促、堅霧の疑問に2人は首を振る。
「治癒魔法は使えるが飯時に使うのは気が引けるからな」
「そもそも失礼だと思っている」
作ってくれた人に対して気遣いを見せる。
皆は「流石貴族!」と感心する同時に同情の念を抱く。
(((((それ作った人辛さに悶える人の顔を見る為だけにわざわざ外国から輸入してるくらい性格の悪い悪魔だよ!!!)))))
カトレアとダーケンの気遣いは超激辛悪魔王ラーメンというクソダサい名前のラーメンを作った人には意味を成さなかった。
話も昼食を終わり丼等を返すと食堂から出て行く。
昼休みの時間が余っているからと暇を潰す為に部室に向かっている途中一般生徒が話しかけて来た。
「あ、あの!」
「どうした??」
「話を……したいんですが」
チラチラとカトレアを見ている。
その時点で全員が悟る
ホの字だな……と
「誰と?」
「その、横の女性と……」
「ん?私か?」
「あっスゥー……ハイ」
指名されたのはやはりカトレアだった。
「分かったなら先に部室に行っててくれ」
「りょーかーーい」
皆はカトレアに促され部室に向かった。
☆
放課後
一般生徒から告白され速攻フッたカトレアと魔闘部の愉快なお友達は間鵞廼へのお見舞いの品を買う為に商店街に立ち寄っていた。
魔闘部全員で移動すると道幅的な通行の邪魔になるからと二手に分かれている。
「うーーん。何買う?」
「ふざけてお肉買うって言っても病院だからなぁ……何気に退院日知らないな??」
「「確かに」」
呼乃田と真梨は旦那と話しているが堅霧はその場で腕を組みながら何の見舞い品を買うのがいいか考えている。
少なくとも入院している間は病院側に作って貰う料理を食べる為生物系全般アウトだった。
「普段俺達より魔狩人として働いてかなり疲れてると思う。だから食べ物より目付近を暖めてくれるアイマスクとかそういう系のヤツ買わないか?」
堅霧の提案に断乃、真梨、呼乃田は完全同意をすると早速薬局に向かう。
男子陣は体を労るグッズ等を考え探しているのに対し女子陣と吉村達は肉肉しい高い肉とやたら可愛く女子受けのいいぬいぐるみを買っていた。
肉屋の店主は合計5キロの肉を買いながら「少ないかな?」と発言したカトレア、ダーケンを含む女子陣にドン引きし、最近流行りの可愛いぬいぐるみを買ったバリバリヤンキーの見た目をした吉村達を珍妙な顔で接客をする。
この後断乃達と合流した時に一悶着あり、間鵞廼の見舞いに行った時更なる一悶着がある事を知らなかった。
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