記憶喪失の陰陽師は魔王の養子
記憶喪失設定わりと好き。
ここは何処だろう…頭が痛い……。星がキレイだなぁ………私……死ぬのかな。
ぷかぷかと水に浮かぶ。体が動かない。何も…思い出せない。
「どうしたんだお前…大丈夫か?」
?……誰だろう……男の人?……角が生えてる…。
「…酷い傷だな。人間にやられたのか?」
人間…?……わからない……何も……わからない……。
「………とりあえずウチに来い。傷も治してやる。」
あ……痛みが引いた……けど…眠い……なぁ……。
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パチリと目が覚めた。
〝父上〝と初めて会った日の夢を見た。久しぶりだなぁ。
モソモソと起き上がるとサイドテーブルにあるベルを鳴らす。
執事さんが入ってきて着替えを手伝ってくれる。…もう一人で着られるけど、これが執事さんのお仕事らしいので私は何も言わない。あ、お礼はちゃんと言う。
着替えたら朝ごはん。メニューの名前は相変わらず覚えられない。だって長いんだもん。
向かいの席に座る父上は秘書さんから色々な報告を受けている。私にはまだ難しくてよく分からない。
朝ごはんの後は文字の勉強。私は〝記憶喪失〝で色々な事を忘れてしまったから文字含め色々勉強中。
勉強していくうちに、父上が〝魔王〝っていう魔族の王様だって知った。
私は正確には魔族じゃないけど、人間から見たら魔族らしい。この辺はまだよく分からない。
魔族じゃない私が魔王の父上を父上と呼んでいるのは、私が父上の息子…養子になったからだ。
私はボロボロで湖に浮かんでいたところを父上に拾われた…らしい。詳しくは覚えてないけど、たまに夢でぼんやりと見る。今日…昨日?も見た。
最初のうちは大変だったなぁ。私が名前も覚えてないから、父上が〝見て〝くれたんだ。私の名前、紫耀っていうんだって。父上としてんのーの四人は変わった名前だって言ってた。
私はこの辺りの産まれじゃないのかもしれないって。父上達がちょっと怖い顔で何か話してたけど、何の話してたの?って聞いても教えてくれない。してんのーの四人も「若君は知らなくていいんですよ」って言う。執事さんは「まぁまぁ、お茶でも飲みましょう」って言って美味しいお茶を出してくれる。お茶飲むと聞こうとしてた事、いつも忘れちゃうんだよね。
後、私の職業?は陰陽師と幻術士なんだって。職業が二つもあるのは初めての事例だって父上が言ってた。ステータスとかは最近自分で見れるようになったから、見てみたら本当に職業が二つあった。
レベルも私には二つあって、どっちも凄く高いらしい。
レベルも一つなのが普通だから、職業とレベルが二つあるのは内緒にしないといけないんだって。
そういえば朝ごはんの時、秘書さんがゆーしゃが召喚されたって言ってた。ゆーしゃってなんだろう?辞書引かないと。
口調が幼いのは記憶喪失で人生経験がぶっ飛んだからです(多分)