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10.次回予告・インターミッション:試験のお知らせ

「…なあ、俺たちほぼほぼ毎日きてっけど、“本業”のほうは平気なのか?」


何時ものようにユートが作った飯を転生者達と食べている一行のうち、仁がそうユートに言った。


仁の転生から大体1ヶ月、新しい転生者は来ていない。


尤も、“功績を積んだ人間”が死ぬという状況がそう立て続けに起きるものではない。

この三回がほぼ立て続けに起きた事が珍しかったのかもしれない。


「まあこんなもんなんだろう。無理やり増やせる仕事でもないしな。」


と言いながら内心ユートは”暇だな“と思っていた。


非常に不謹慎ではあるが。


「まあ、お仲間が増えるってこたあそいつが死んだってことだし、そんなことが起きねえならそりゃいい事だな。」


ユートの答えに、仁はそう返した。


(そんな貴方にお知らせがあります。)


(!! どうしました?ヨーク様)


唐突なヨークからの通信に、ユートは驚きながら返す。


(今回は転生者の情報とかではなく、一つ試験のお知らせをしに来たんです。)


(試験?)


(ええ、今ユートさんって三級神ですよね?そこから年に一度、二級神に上がるための試験があるんです。ある程度の実績を積む事が条件なのですが、転生者の功績が思ったより大きくて、異例の速さで貴方を試験に推薦することになりました。)


(そんなに転生者の功績って効いたものなんですか?なにぶん実働ではないものですからいまいち実感が湧きませんね。)


(前回の転生が、実はかなりいい結果に転んだのが一番大きかったようです。

世界に穴を開ける度に死ぬ人間が数万単位で出ていて、それを一つ分金輪際永遠に防いだ結果となったようで、実は一番駄目だと思っていた仁さんが今一番神候補に近いような結果となっているんです。)


(!? それは、ほんとに…よかった。)


思わぬ結果を聞いたユートは、安堵の表情を浮かべた。


(元々異世界転移という仕組み自体、神の間で相当に煙たがられてましたからね。自世界の神すら、事態収束にいろいろな事をしなきゃいけませんでしたから。それに使われるリソースが馬鹿にならなかったんですよ。


各世界の神からは相当喜ばれてまして、即刻仁さんを神にすべきと言い出す人まで居ました。流石に保留にしてくれと言っておきましたが。


そんなこんなでこれを皮切りに、”転移機構“を滅するための密偵のような神も検討されている様です。)


あの転生の結果が、こうまでいい結果を生むと全くもって予想だにしていなかったユートは、終始驚いていた。


(なるほど、その”密偵の様な神“に彼を選ぼうと言う訳ですね。まあ彼に関しては、今掴み取った幸せな世界を謳歌させてやってください。お願いしますヨーク様。)


心から、ユートはヨークに願う。


(そう言うと思っていました。幸せになった途端、神の事情で振り回すのは、仁さんを転移で呼んだのと変わりませんものね。

寿命までは待つ様神たちには打診しておきます。

っと、本題がまだでしたね。)


そして、ヨークが試験についての概要を続けて話した。


試験内容は大きく分けて三つ


神としての心構えを確認する”心の試練“


戦闘能力を図る”力の試練“


知識を図る”知の試練“


その三つの試練で、一定以上の指数を越えれば二級神への昇級が可能になるそうだ。


尚、認識している異能は全て使用しても良いとのこと。


(これ、試験の難易度としてはどんなものなんですか?)


そう質問するユート


(多分ユートさんにとってはそんなに難しく無いと思います。心持ちは見ている限り問題ないですし、戦闘も見ている限り私よりも強いかもしれません。知識にしても、神通力をどれだけ活用するかの問題ですし、普段仕事で触れてるものをいつもの様に発揮すれば問題ないと思いますよ?)


そんなものなのか?とユートは思ったが、とりあえずヨークの話を受けて、ユートは答える。


(分かりました。その試験受けます。ヨーク様)


(そう言ってくれて助かります。正直な所、責任問題の部分で、転生者の斡旋・輩出というのは三級神には少し重いのではないかという問題が出ていたのです。では、昇級出来る事を願っています。)


(色々ありがとうございます。ヨーク様)


(いえいえ、それでは、試験は大体今から半月ほど後ですので、よろしくお願いします。)


そう言って、ヨークとの通信が切れた。


そしてユートはある二人に声をかける。


「なあ、アズモ、エルミナ」


その声を聞いて振り返る二人


「何だ?ユート(殿)」


そしてユートが続ける


「唐突で済まないんだが、これから半月ほど俺に稽古をつけてくれないか?


…戦わなきゃなんなくなってな。」


二人は訳がわからないといった様子であったが、とりあえず頷き、エルミナが答えた。


「まあ、ユート殿が何か頼むということはそれなりに事情があるのだろう。付き合うぞ。」


ここから、ユートの本格的修行が始まるのだった。


新章とのつなぎのようなお話でした。次回から新章:ユート試験編始まります。

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