14.エピローグだけどプロローグみたいな始まり方するねこの回
郁也くん回最終回になります。
だいぶあっさり味
こうして、白川郁也改め、イクヤ はド田舎の辺境の地で生まれた。
世界を作ったが、何処かへ行方を眩ませた勇者と、その仲間の賢者の息子として
世界による影響修正の際、イレギュラーである郁也が、世界への矛盾に対して全ての要件を満たすためにこうなってしまっていた。
生まれは平民としか指定されていないため、嘘は言っていない。
そして、実際に転生を行ったことで、このシステムの一つの欠点が浮き彫りになった。
生前環境を出来るだけ自然に保つ、という過程で、転生先になる種族の強さが、少なからず上がってしまったのだ。
実際人間の能力値は、一般人で見ると、高い能力で5、低ければ2 といった様子だったのだが、それが大体4倍ほどの強さに膨れ上がっている。
中でも勇者の血・賢者の血を持った人間であれば、その常人のさらに4倍ほどの能力を持つこととなった。
余談であるが、その「欠点」が露呈してからしばらくして、受け入れ先の世界が妙に増えたという。
こうして、「強い奴だけどまあ精々5億年に一度の逸材」のような感じでイクヤは生まれた。
記憶が定着した後、超常と言える力を手に入れたイクヤは、それでも鍛錬を怠らなかった。
「自分が生きるため」と「15年後に、遊ばれ放題だったあの飄々とした男と、今度は自分の力で、ちょっとはマシなチャンバラ遊びが出来るように。」
そうして、15歳の春には、彼は冒険者になった。
そこから仲間たちと出逢い、様々な冒険を体験した。
時には世界を救う旅、時にはただ気ままなトレジャーハントと、様々な事をありえない速度で進めていった。
そうして酒が飲める歳になってきた頃、イクヤは仲間でもあり、妻でもある女性に、「少し昔の友人と飲みにいってくる。」と言って、転移魔法の術式を走らせた。
目の前には、懐かしい光景
変わらぬ笑顔が、そこにはいた。
「いらっしゃいませ。お席はこちらになります。」
少したどたどしさが消えた接客に、郁也は笑った。
あっさりめな感じですが、これで第1部完 って感じです。
もしかしたら加筆するかもしれませんが、多分しません。