1.俺、神様ニナッチャッタヨー
第一話です。なろう初投稿というか初めて小説書きます。
書いてみてわかったのはなろうの皆さんってすごいんですねってことです。
形にするのがこんなにむずかしいとは・・・
地球・某日・某所
「あぁ・・・寒い・・・からだいたい・・・」
今、俺こと向井悠斗は、窮地に立たされていた。
身体に走る尋常ではない悪寒、歪む視界、節々の痛み、頭痛、吐き気諸々・・・
所謂、性質の悪い風邪を引いていた。
職場を休み、療養のために眠っていたが、悪くなる一方である。
加えて今俺は一人暮らし、看病してくれる家族もいなければ、家に来て甲斐甲斐しく粥を作ってくれる恋人も居ない。
そんな状況でも身体は空腹を訴えてくる。
「何か・・・作るか・・・」
誰が聞いているわけでもなく、そんなことを呟くと、ベッドから起き上がり、食事の準備のため、キッチンのある一階へ降りようとした。
やはり、足元が覚束ない、目の前は回り続ける
まるで自分だけ地球の自転を感じているような、そんな錯覚を覚えた。
階段を下りようと足を前に出すと、ふっ と 足元に何もないような感覚に襲われる
「まずっ・・・!」
そのまま、身体の痛みと共に、俺の意識は刈り取られ、醒めることのない永久の眠りがやってきた――――
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「!!」
目が覚めると、見たこともない空間が広がっていた。
「夢でも見てんのかな・・・身体もなんともねえし、むしろ軽い?」
悪寒も嘘のように消えている。やはり夢か、と思っている矢先
目の前に誰かが現れた。
「貴方が向井悠斗様ですね?」
見るところ女性のようだ。見た目も整っており、妙に神々しいというか、なんか背中が光っている。逆光でめっちゃ顔見づらい
その上俺の名前を知っている。だが知り合いではなさそうだ、俺は見たこともないし。
「はい、そうですけど、貴方は?」
そういうと、後ろピカピカでキレイな女の人はこう答えた。
「私はすべての次元を司る神の一角 ヨークと申します
先に言っておきますね、貴方は死んでしまいました。」
やっぱり夢だ、唐突に神様が目の前に出てきて「貴方は死んだ」?
そんな始まりから異世界に転生して圧倒的な力で世界を掌握するような小説を暇つぶしで読んでいることはある。
だが実際に目の前にそういう輩が来ると、目の前の状況を「夢」としか思うことが出来ない。
「ええと・・・ヨーク、様?でしたっけ、死んだ、と申しますと?」
「言葉通りの意味です、貴方は病に倒れ、階段から足を踏み外し、そのまま死んでしまいました。」
たしかに俺の記憶はそこで途切れている、え、まさかほんとに死んだ?
「俺はずいぶんと間の抜けた死に方をしてしまったようですね、で、ヨーク様は一体なんのためにそんな死人の僕をここに呼び出したんですか?まさか俺を異世界に転生させて圧倒的な異能を授けて、英雄として過ごさせてくれる、なんてムシのいい話でもしてくれるのですか?」
正直気分は夢半分現実半分ぐらいだ、こんな空間のことをおいそれと「ああ死んだからこんなとこ来るのね」なんて信じられるわけがない。
だからこそ、多少ぶっきらぼうにヨーク様とやらに訪ねた。
「あまり自分が死んだという自覚を持てていないようですが、まあいいでしょう・・・
異世界転生 というのは当たらずも遠からず、といったところです。
貴方には、転生を司る神になってもらいます。」
「へぁ?」
我ながら情けのない声が出るものである、そのままヨークは続けた。
「正確には、異世界への転生者を送り出す三級神になっていただきます。
ちなみに私は二級神で、地球の言い方ですと、貴方の上司といった形になります。こう見えて私、割と偉いんですよ?」
後光でよく見えないが、少し得意気な雰囲気で、ヨークは言った。
三級と二級って階級そんなに変わらんじゃんとかいろいろ言いたいことはあったが、たぶん一級とその上に創造神的なのが上位に居るんだろう。そう考えると、一つの疑問が思い浮かんだ。
「二級神であるヨーク様が、割と偉いのはなんとなく想像がつくのですが、なぜ俺がいきなり三級神に?なんとなくですが、そちらも割りと偉い の部類に入るような気がするのですが・・・」
そう言うと、ヨークは今回の事情を少し詳しく説明してくれた。
どうやら、俺が風邪と思っていた病気は、突然変異で生まれた、人を三日で殺めるウイルス性の死病だったらしい。
その上感染力が高く、人と少しでも接触すれば即感染、そこからパンデミックを起こし、ワクチンの開発も間に合わぬまま、日本へ、そして世界へ飛び交い、地球における人類は死滅するそうだ。
そんな中、唯一のキャリアだった俺は階段から転げ落ち、そのまま死亡。
感染者は俺だけに留まり、有給が尽きるまでバックれたとおもわれた俺は、死後の人的接触も免れ、そのままウイルスは俺の体内で別の感染者に伝染することなく死滅。新たな感染者を生むこともなかった。
そのまるで「棚から牡丹餅」と言ったような功績で自分は「世界を救った英雄」という扱いとなってしまったらしい。
逆に、感染者を一人でも増やしてパンデミックを起こして死亡した場合、「歴史上稀に見る稀代の殺人者」として、地獄に落ちていたそうだ。
で、世界を救った英雄様は神様として生まれ変わる仕組みになっているそうで、俺は三級神として選ばれた・・・と
「―――以上となります。」
語り終えたところで、ヨークはふぅ、と息をついた。
「だいぶラッキーで神に選ばれたことは分かりました・・・ところで、その転生者?を送り出す仕事、というのは、具体的にどういうことを行うのですか?」
といっても、大体想像はついているのだが。
「言葉通りです、貴方ほどではありませんが、神に近しいぐらいまで世の中に貢献したり、徳を積んだ人間というのは割りと存在するのですよ。そういう方の魂の資質を潰すには惜しい、という上位の判断から、新たに生み出された役割となっています。」
随分ふわっとした仕事だな・・・ん?新たに?
新たにっつったぞこいつ。ノウハウもクソもねえ仕事やらされんのかオイ。
「聞こえていますよ。その通りです、ちなみに私たちも貴方の見ていたような"ネット小説サイト"を参考にしてこの制度を作るに踏み切りました。」
「もう聞こえてんならいいや!お前ら見切り発進で何て事やらせんだよ!アホか!小説のお話見てなんかたのしそうだから私もやる~!ってか?しかもなんで俺なんだよ!」
「・・・詳しそうな神に値する人間が貴方しか居なかったもので・・・すみません・・・」
ヨークは申し訳なさそうに項垂れた。大分無茶なことを言っている自覚はあった様だ。
「・・・はぁ、まあいいでしょう、折角拾っていただいた命ですし、精一杯やらせて頂きますよ。」
「本当ですか!ありがとうございます!断られたらどうしようかと・・・こういう新規事業って誰も触りたがりませんし・・・」
当たり前だろ!誰も触らんわそんな思いつき事業!てかそこは神も一緒なのな!
「ただ、知りませんよ?最初のうちは基準とかもありませんし、ろくでもないやつを異世界転生させちゃうかもしれませんよ?」
「そこに関してはある程度の骨組みは出来ているので大丈夫です、後で資料をお渡ししますね。
あと、事業の都合上、貴方には"ネット小説"で扱われているような異能を全て授けた状態となります。
くれぐれも悪用せぬよう・・・」
「ああ、やっぱ異能とか授けちゃう系の転生なんですね・・・」
「言わば、"神格を見るための試験"ですからね、力をどう扱うか、も争点となっていますから。
異能でくだらない行いをするような人間は、それまでだったということです。」
そんなこんなで、割とふわっとした新規事業の準備が始まることになった。
まあ割りと楽しそうなお仕事だし、転職したようなもんだ、ゆるりとやろう。
第一話です。読んでいただいてありがとうございます。そして、これから読んでいただく皆さんにお願いしたいことがあります。
僕自身 学がありません。アホです。なので文法上のミスとかはさりげなーく教えてくれると幸いです。
あとお話の着地点も考えていないので、どこまで続くかもちょっとわかってません。
次のお話は近いうちに投稿する予定です。お仕事の都合とかで遅くなるかもしれませんが頑張ります・・・