職業
次の日
冒険者ギルドに行くと相変わらず青年のところに長蛇の列が出来ている
勿論だがレーナさんの所は誰も並んでいない
もうギルマスに襲われる?ことはないと思うのでレーナさんの所へ行く
並んでいる冒険者からジロジロ見られているがその大半は尊敬の目で見られている。普通なら絡まれると思うのだが…
「レーナさん こんにちは」
「あっレンカさん 昨日振りです
今日はどうしましたか?」
「依頼の状況と魔物の解体、素材を売りたいのですが」
「依頼の確認ですね 少々お待ち下さい」
レーナさんはナゼか2階(2階にはギルマスとサブマスの部屋しかない)に上がっていった 依頼にギルマスの許可などは絶対いらないので少し嫌な予感がしてきた
「お待たせしました。この人が受けるそうですよ」
「えっと……この人って…ギルマスですよね?」
「はい」
「なんで?」
「『なんで?』って、オレは大工でもあるからだ!」
「本当ですか?」
「本当だよ!ほれ、カードのここの所 この職業欄にギルマスと大工って書いているだろ!」
「職業ですか?」
「なんだ?お前 職業を知らねぇのか?」
「えっと…はい」
「レーナ、説明してなかったのか?」
「……すみません。あの時、ゴタゴタしていて忘れていました」
「ゴタゴタってオレのせいか?
まぁいい。レンカ、職業ってのはまぁなんだ…自分がしたい事・出来る事を仕事としてギルドカードに登録出来るものだ
勿論、自分以外に証明できる人がいるがな
別に1つの職業じゃなくて良いぞ
お前は宿屋するんだろ?セカンド職として『ハンター』をやらないか?」
「『ハンター』ですか?」
「おう
何をするかはだな、魔物を定期的に狩ることが少し義務的になる
その代わり負担が増える分 素材を売った時、少し高く売れるようになる」
素材が高く売れるのは嬉しいな
「えっと…では、お願い「待って下さい!」…レーナさん?」
「『ハンター』なんかよりもっと良い職業があります!!」
レーナさんがとてもグイグイ話してくる
いつもは静かな人であるので少し怖いくらいだ
「レーナさん、少し落ち着いて」
「あっすみません。レンカさんには、是非『ギルド職員』になって頂きたいのです!」
「『ギルド職員』?ですか?」
「はい。『ギルド職員』の主な仕事は<受付業務>でして [新人の強さを見極める] 必要があれば [挑発] や [決闘] をします
他には整理・整頓・清掃をして頂ければOKです
メリットは冒険者ランクが上がりやすくなる
デメリットは午前中は受付に拘束される
このくらいです、どうですか?」
拘束か…宿屋をするのを決めている今、動ける時間が減るのは困るな
「宿屋があるので受付は厳しいかと思うので「じゃ、じゃあ!」…なんでしょうか?」
「ギルドの敷地内の清掃・修理を内容として『ギルド職員』になりませんか?」
「おい、レーナ
それなら指名依頼としたら良いんじゃないか?」
「い、いえ…(そうすると…見付かった時の対処が…)」
「あの、レーナさん "対処"って…?」
「聞こえてましたか
レンカさんって『生活魔法』を持っていますよね?」
「はい」
「そのことが貴族・王族や商人ギルドにバレた場合、強引な囲い込みが行われるので冒険者ギルドの『ギルド職員』ならと思いまして」
「それって先に囲い込もうとして?」
「いえいえ、レンカさんは宿屋をするって聞いてましてので
冒険者ギルドの『ギルド職員』であれば他とは違い自由度が高いので
……(多少は思いましたが…)」
なにか予想通りのことが最後に聞こえてきたような気がしたが…あえて聞こえなかったことにしよう。それに条件も良いしな
「なるほど。そう考えると
レーナさん、『ギルド職員』になろうと思います」
「ありがとうございます
仕事に関してですが、生活魔法の見返りとして指名依頼ということで処理しますので報酬も付いてきます
今から早速お願いして宜しいですか?
「はい、良いですよ」
「ありがとうございます
報酬は金貨5枚です」
「えっ5枚?」
「少ないですか?では金貨6枚で大丈夫ですか?」
多すぎるって思ったのだけど…このままじゃどんどん増えそうだな
「あっはい」
「おーい!もう良いか?おい レンカ、『ハンター』はやらないのか?」
「『ギルド職員』になったので、もう良いかなと」
「別に何個でも良いんだからやらんか?」
「魔物討伐が義務なのはちょっと
またの機会に 」
「そうか 分かった
話は変わるがレンカが出した依頼はどうするんだ?受ける処理していないと思うのだが」
「あっそうでしたね!
レンカさん、ギルマスで大丈夫ですか?」
「はい」
「おい!大丈夫ってなん「なんの話をしておる?」…あん?だれだ?」