自己紹介
ガチャ「ただいま!なのじゃ~」
「お!ノラおかえり。それで連れてきたのか?」
「うむ!しかと連れてきたのじゃ! ほれ!入ってよいぞ!」
「お、おじゃまします…?」
困惑しながらぎこちなく 黒髪ストレート、長身長の女の人が最初に入ってきた。それに続くように色んな髪色の女の子が入ってくる
「それで良いぞ。では、そなたから順番に挨拶するのじゃ」
「はい
お初にお目にかかります。ニサラ王国第二王女 ニレーナ・トレンシア・ヴォレン・ニサラ と申します。ニレーナとお呼び下さい」
「ニレーナ少し固いのじゃ…もう少し楽にして良いのじゃぞ?
レンカ、ニレーナは妾が初めて名付けさせて貰った"娘"での。おそらくレンカと年が近いはずじゃ」
「エレ…ノラ様!恥ずかしいのでやめて下さい」
「まぁ良いではないかの
ほれ、次じゃ」
ノラの言葉を聞いて次に俺の前に立ったのはニレーナさん…と同じ黒髪でポニーテールが特徴の女の子だ
「お姉ちゃんの妹と サラン って言います!よろしく!レンカさん!」
「こら!サラン!しっかり挨拶しなさい」
「ちぇっ……改めて、ニサラ王国第三王女 サラン・トレンシア・ヴォレン・ニサラ って言います。ニレーナお姉ちゃんの妹です!サランって呼んで下さい」
「サランは見ての通り元気が取り柄の子じゃ 一応、王女として教育は受けとるでの。人前では大人しい子じゃ…ここは分からんがの…」
「それ…不安になるんだが」
「レンカお兄ちゃん!サランは大丈夫だよ!お兄ちゃんの前以外では大人しいから!」
「お、お兄ちゃん!?」
「レンカなぜ驚きながらニヤニヤしとるのじゃ……ニレーナとサランは見ての通りじゃと思うが同じ母親から生まれた子じゃ。二人の黒髪は母親の影響を強く受けていての、珍しいと思うが気にせんようにの」
「ん?黒髪のことか?……大丈夫だ。そんなんで変には思わないし」
「よし、では次じゃ」
次に出てきたのは、青色の髪の女の子だ
「ニサラ王国第四王女 ヨハネ・トレース・ヴォレン・ニサラ ですわ
お姉様達とはお母様が違いますの。ですがお母様達の仲は良いのですわよ、お姉様と私達のお母様達は幼なじみですの」
「私達?」
「そうですの。よく気付きましたわ♪ニサラ王国第一王女兼ヴォレン公爵家補佐官のイーシアお姉様と私の隣に居る二人の妹の四人姉妹ですわ」
「第一王女がヴォレン公爵家補佐官?」
「あら?ノラ様言っておりませんの?レンカ様、ノラ様の本名はご存知ですのよね?」
「エレノーラだろ?」
「そうなのですが…それしか教えてませんのね……ノラ様?本名はきちんと教えませんと。それでですの、そこにいらっしゃるノラ様……エレノーラ様の本名はエレノーラ・ユグドラシル・ヴォレン 公爵ですの」
「ノラってすごいんだな…ユグドラシルって世界樹か」
「うーむ…バレてしもうたかの…そうじゃそんな感じじゃ。レンカは今まで通りに呼ぶのじゃよ?分かっておるな?」
「あ、あぁ。ノラ…これで良いんだろ?」
「そうじゃ♪それにしてもヨハネよ妾の許可なく教えるとはの」
「それは申し訳ありませんの。ですがノラ様の夫のレンカ様に隠しているのはいけませんの」
あれ?なんか夫?おっと?オット?とか聞こえたような…
「…オット?」
「!?レンカなんでもないのじゃ!次!次にいくのじゃ!少しヨハネ、ついてくるのじゃ」
『………ですがノラ様の夫のレンカ様に隠しているのはいけませんの』
なんて事を言うのじゃ!?レンカが聞いていないことを…『…オット?』聞いておったのじゃ!ヤバいのじゃ…?レンカが呆然としておるの。これは押せば流れそうだの!
「!?レンカなんでもないのじゃ!次!次にいくのじゃ!少しヨハネ、ついてくるのじゃ」
「ヨハネ!なにゆえ、レンカにバラしたのじゃ」
「ノラ様こそなぜ伝えませんの?レンカ様を見ても何も思いませんの?」
「何をじゃ?」
「はぁ…レンカ様への私達の反応を見てませんの?レンカ様は客観的に見ても格好いい方ですの。私も順番は譲っても構いませんがレンカ様を狙ってますの♪早くノラ様がレンカ様と一緒にならないと抜かれますわよ?
ホントであれば私も黙っておくことですの。ですがレンカ様もレンカ様自信気付いているか分かりませんがノラ様のこと好きみたいですの。
なら一番はノラ様に譲って私は二番を狙うことにしましたの」
「なんじゃと!?そういう覚悟はしていたが早すぎではないかの!?出会って直ぐじゃよ!?」
「呑気ですのね。これが事実ですの
今もレンカ様のお側から離れるのは危ないですの 特にサラン様は自己紹介終わってますの、サラン様は誰から見ても分かる程 レンカ様に惚れていますの。ノラ様、時間はありませんの」
…なんということじゃ…妾も側室に王女から誰か選ぼうとは思っていたのじゃが……妾も巻き込んでレンカを取り合うことになるとはの…もしや、全員の可能性も…ないとは言い切れんのじゃ…
「そうなのかの…ヨハネ助かったのじゃ!では戻ろうかの!」
ノラとヨハネが話終えて、レンカ達の元へ戻るとレンカ以外の19人が困惑していた
「どうしたのじゃ?」
「あの、ノラ様 レンカ様が話しかけても動かないのですが…」
「うむ?……レンカ!大丈夫かの!返事せい!」
「……」
「動かないのぅ」
ショックで固まっておるならそれより大きなショックを与えると治るかも…
もう勢いでやってみようかの!
「レンカ!しっかりせい♪」ペタッ…ムギュ
「なっ…『ああ!!』」
「なんじゃ?なにか変かの?」
「なに抱きついているんですか!?」
20人のうちの誰かから叫ぶような質問がとんでくる
さっきまでのことを知らないヨハネ以外の誰かだろう
ノラがしていたこと。それは無抵抗で無反応のレンカに抱きつくことだ 当然といって良いか分からないがそのおかげ?かレンカは意識を取り戻したが無抵抗、無反応が無くなっただけで混乱しているのか動けていない やっとのことで絞り出した声も周りからの大声で消されていた
一方、それを行った張本人もこの後の行動を決めずに行った行動なのでヤバい状況だ それに周りから見るとレンカとくっついて楽しんでいるようにみえるが内心は羞恥心でドキドキハラハラしている そのことがバレないように顔が赤くならないようにするのでいっぱいいっぱいなのだ
そのままの状態が数分続いた時、レンカがようやく再起動した
「ノ、ノラ?なにしてる…の?」
「だっ抱きついておるのじゃ!」
「なんでノラが焦ってるんだ!離れないか」
「嫌じゃ!」
「は!?」
「あの~一旦、落ち着きませんの?」
「む?ヨハネか。お主も手伝うのじゃ!二人で落とすのじゃ」
「何を落とすんだ!?」
「ノラ様、行動が早すぎますわ!それに私までしか最初の自己紹介済ませてませんのよ?いつまで挨拶に時間を使うのですか?」
「…………そうじゃの。続きは後にするのじゃ…」
「待たせてすまぬの。自己紹介を再開するのじゃ」
「では次は私ですね。ニサラ王国第五王女 ファナ・トレース・ヴォレン・ニサラです ファナと呼んで下さい」
そう自己紹介してきたのはヨハネと同じ青髪でポニーテールにしている女の子だ 見た目の年齢の割りに落ち着いている印象が見られる
「ファナは見た目の印象は物静かですの。でも変なところでスイッチが入るので注意が必要ですの」
「お姉様なにを言っているのですか!?」
「まぁこんな感じで物静かとは遠く及びませんの。ですが頼りになるのも確かですの。簡単にまとめると馬鹿正直な超真面目人ですの」
「貶されているのか誉められているのか微妙な言葉ですね
まぁ誉められたと思っておきましょう」
「もう良いかの………大丈夫そうじゃの
では時間もおしいでの。次にいくのじゃ」
「ん ニサラ王国第六王女……シア・トレース・ヴォレン・ニサラ……シア。よろしく」
第六王女のシアという女の子はヨハネとファナの妹ということで青髪ではあるがよく見ると少し薄めの青髪だった シアはジト目が一番の特徴だろう
「シアは大人しい子ですの 私達のお母様からは私とファナのストッパー役と言われてますの 注意するところは安心できる場所と分かった途端にいつでも直ぐに寝ることがありますの」
「お姉様、シアのこの3人がトレース姉妹と言われる姉妹です。
レンカ様、これからよろしくお願いします」
「……よろしく」
「ああ。よろしく
1つ気になったんだけど、さっきからなんでヨハネが妹の説明してるんだ?」
「それは私が姉妹の中で一番上だからですの。それにトレンシア姉妹は正妻の子なのでノラ様のお世話をしてますの、それでノラ様はトレンシア姉妹にとても詳しいですの。私達は第二王妃の子ですの ニサラ王国は政略結婚というものは無くなってますの ですから正妻以外の王妃の子は普段、王城で遊んでますの。そうなるとノラ様と関わることは少なくなりますの
そういうとこらで私が説明しましたの」
「そうなのか…ありがとう」
「なっなぜお礼を言ってますの……まぁ良いですわ」
「次は、あたしだね。あたしはニサラ王国第七王女 セナ・トライス・ヴォレン・ニサラだ、よろしく!」
そう姉御風な挨拶をしてきたのは赤髪でショートカットにしている女の子だ
「お姉は脳筋のバトルジャンキーだから気をつけてね もし襲われたら誰にも止められないからその時は実力行使をしてね」
そう言ってきたのはセナと同じ赤髪でツインテールの女の子だ
「きみは?」
「あっ!私はニサラ王国第八王女 ハク・トライス・ヴォレン・ニサラっていうの。お姉のセナとあと私の横にいる二人の、四人姉妹なんだ♪私達姉妹は私が説明担当?かな
レンカ兄よろしく!」
「おう。よろしく」
「お!レンカ兄、ノリ良いね~♪
で、次は…」
「ニサラ王国第九王女 クーナ・トライス・ヴォレン・ニサラ よろしく」
次の女の子は少しぶっきらぼうに話してきた。セナやハクの姉妹だから当然だが赤髪である。だが二人の赤髪と違いクーナともう1人のまだ紹介されていない女の子の髪の色は紅色に近いと思う
「レンカ兄が考えてることは分かるよ!でも、ちょっと待ってね♪トールの紹介が終わったら言うね」
「第十王女 トール・トライス・ヴォレン・ニサラで~す
よろしく~ ふぁぁ~」
あくびをしながら眠そうにトールが名乗った。トールはクーナと同じく紅色で髪は少し、はねている
「トール眠いの?大丈夫?……大丈夫そうね
それでさっきのことだけど、レンカ兄はセナ姉と私 クーナとトールの髪色が違うのか気になるんだよね?」
「ああ。そうだな」
「それはねぇーそこまで難しい事じゃないんだけど、赤の方は魔法適性が普通で紅の方は魔法適性が火に特化してるだけなんだよ」
「ん?それだけ?」
「そう。それだけ
小さいころは一緒の髪色だったんだよー」
王女達の紹介がようやく終わった
次は貴族の子2人だ
「ハント・カーシュ・ヴォレン・ニサラ公爵の子、長女 ビーネ・カーシュ・ヴォレン・ニサラと言います。よろしくお願いします」
そう挨拶してきたのは金髪ストレートが特徴的な女性だ
周りが王女ばかりということもあり緊張しているらしい
今更だがレンカは毎日、この国の王様より偉いノラと一緒にいるのだ なにもしなくてもなれてしまう
今まで通り誰かが説明するのか待っていると、ノラが話すようだ
「ビーネの親のハントとは腐れ縁での、それでビーネ達2人にはここの従業員として来て貰ったのじゃ。それでビーネはの、何をしても上手く出来るといった天才肌なのじゃ じゃが天才肌であると同時にの、感覚系じゃからの。その辺は注意が必要じゃ」
「ノラ様、注意とは何ですか!それに感覚系ではないです!
何故かやってみたら出来てしまうだけではないですか」
レンカはそれを感覚系と言うんじゃ…と、とてもツッコミを入れたいところだが火に油を注ぎかねないので我慢する
「まぁまぁ、よいではないか。ほれ、次じゃ!」
「なんか流されたような…ミア自己紹介しなさい」
「うん。 ミア・カーシュ・ヴォレン・ニサラ
レンカ様、レンカ様は強い?」
ビーネと同じ金髪で髪を後ろで1つに束ねた女の子がレンカに強いか聞いてきた
「ん?強いか?分からん」
「レンカは強いのじゃ 妾でも勝てんぞ!」
「おー すごい じゃあ勝負しよ」
「は!?勝負?なぜ?」
「なんとなく?」
「いや、聞かれても…」
レンカは視線でノラに助けを求めた
「ミア、今は後回しじゃ!これから従業員として時間はいっぱいあるのじゃ。後でゆっくり闘った方が良いじゃろ?」
「……うん。わかった」
いや、それ落ち着いたら闘わないといけないやつじゃなかろうか…それを言おうとしたが話は出来ないまま終わった
「では自己紹介は終わりじゃ。次は何をしようかのぅ」