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異世界暮らし  作者: 劉嬰
16/24

第一次風呂工事

 ★レンカ視点★


 朝、目覚めるとなにやら自分の右手らへんが膨らんでいる

 それに右手がしびれているようだ

 …寒いしもう一回寝るか………って!そうじゃない

 なんで布団で寝ていたはずのノラが横にいるんだ!

 右腕にガッシリしがみついて寝ているのが見える 頭はこっち側で二の腕辺りが何か湿っているような……あとにしておこう…

 右腕を抱えるようにしてガッシリしがみついているため肘辺りに2つの膨らみが……ないな…そっとしておこう


 そろそろ起こさないと!と思いノラの顔を見るとかわいい……じゃなくて!目元がピクピク動いている どうみても起きているだろ


 「おーい ノラ起きろ!」

 「まだ寝るのじゃ」ガシッ

 「痛い それ以上、力をいれるな 腕折れそう」

 「なんじゃ?まだ折れんじゃろ ということでおやすみ」

 「いや、もう良いから離れろ」

 「なんじゃ?気付いておったのか?何時からじゃ」

 「起こす少し前」

 「早いのぅ」

 「それはそうと、この二の腕のシミはなんだ?」

 「それは…の たぶん汗じゃ!」

 「汗…か まぁそういうことにしておこうか」

 「それで良いのじゃ!それで朝はなに食べるのじゃ?」

 「ん?まだ決めてないな リビングに行くか」


 今日は長い時間がかかったがなんとか自宅の風呂を完成させる!

 とまぁ意気込んでいたのだが今、家にはもう1人いてどうしても朝食が食べたいらしい しかも和食で だ 自分1人なら食べないかパンで終わらせるとこだったのだが…


 当然、予想外というか予定外の朝食作りのため食材がほとんどない

 まぁ昨日の残りがあるので それでほとんど済ませられる


 色々考えた結果、朝食のメニューは


 ・炊き込みご飯(残り物)

 ・ほうれん草のおひたし(残り物)

 ・味噌汁(継ぎ足し)

 ・焼き魚


 になった


 本格的?に作るのは焼き魚くらいだ 味付けは勿論、塩 だ 別の皿にレモンのような味のフルーツも用意する

 何の魚を焼くのかだが、はっきり言って よく分からん

 一応、白身魚ということは分かるが鑑定でも


 『サンタノーニャ

 海の魚。食用としては一般層から貴族層までこよなく愛する人気の魚

 脂の乗った白身が特徴で焼き魚にするとおいしく食べられる

 一般層はカノラを振りかけて。貴族層は白塩をかけて 食べられている』


 このように出ている 昨日の夕食のように◯◯のような味 とか出ると思っていたので予想外だ

 さっきの鑑定で出ていた カノラ というのはレモンのような味のフルーツのことだ

 色々考えてしまっているが無意識のうちに料理は完成させた

 ノラの料理への反応は昨日と同じと思ってくれたらいいだろう


 ようやくな気もするが風呂の製作に取りかかる

 小屋…建物は完成させているので浴槽と源泉から浴槽へのパイプを作れば完成するという比較的簡単な作業となっている


 まずは浴槽を作る

 石を切り出していないのは覚えているがもうそろそろ風呂に入りたいという気持ちが限界に近いので 室内風呂…木製の風呂を作って、落ち着いてからゆっくり半露天風呂の建設に乗り出す


 風呂を作ると言ったが、さっさと入りたいので魔力と魔法ごり押しの突貫工事をする

 まずは浴槽作り

 浴槽は地面に埋め込む形で作りたいので最初は地面を掘る

 まぁ掘るというより押し込むと言った方が正しいだろう

 作りたい広さに何トンあるか分からないくらいの押し込みをかけ土を隙間を無くすくらいプレスする ついでに源泉・井戸から浴槽へ浴槽から用水路への水路のために配管代わりに先ほどと同じ要領で固めておく

 こちらは少し安全マージンをとり、土自体の強化もしておいた


 次に檜の木の出番だ

 すでにある程度まで切り分け加工済みなので少し微調整をしたら水が溜まるだろう

 本来の檜風呂はもっと大変かもしれないがこの風呂は土を固めたもので下地は完成している 檜風呂に拘らなければこのまま使用しても良いくらいの完成度だ

 あとは檜を下地に沿って備えれば完成である


 ここまでの作業に費やした時間は2時間といったところか


 山場は越したのであとは丁寧に微調整をしようと思ったのだがノラの姿を見ていないと思い周りを見渡した


 するとノラは直ぐに見つかった…だがなぜかふるえている


 「どうしたノラ ふるえているぞ?」

 「どうしたもこうしたもないのじゃ!」

 「なんだ?」

 「妾が朝食の後からずっとさっきまで話しかけておるのになせ無視をするのじゃ!」

 「ん?話しかけていた?」

 「…まさか気付いておらんかったのかの?」

 「あぁ…恥ずかしいことだが風呂作りに夢中で忘れていた」

 「そうなのかの。…っとそうじゃ その風呂やら檜風呂とは何のことなのじゃ

 ずっと気になっておったのじゃ」

 「んあ?風呂の説明してなかったか?」

 「してないのじゃ!朝食を食べ終わると急に猛然と作り始めたのじゃ」

 「おお!そうだったか

 既に説明したと思っていた」


 風呂を作る経緯と風呂の良さの両方を手っ取り早く伝えるには質問して答えに誘導するのが楽と考えてそれを実行することにした


 「ノラ、体の汚れはどう落とすか分かるか?」

 「なんじゃ?いまさら変なことを聞くのう

 水浴びするか生活魔法を使うかじゃろ?」

 「ああ、そうだ

 次の質問だ なぜノラは生活魔法を使って綺麗にする?」

 「簡単じゃからじゃ」

 「それ以外には?」

 「む…水浴びは寒い時期には苦行じゃろ?

 しかも生活魔法を使える妾には行くのが無駄ではないかの?」

 「まぁそうだな

 だが生活魔法では体の汚れは取れるが体の疲れを取れないだろ?」

 「たしかにそうじゃの とりたいのは山々じゃが贅沢も言ってられんでの

 金を湯水のように使う奴らは湯あみをしておるがそんなことするのはアホらしいしの」

 「そうだ、そこで熱い湯が出てくる井戸と普通の井戸から水を引いて溜めるとどうなると思う?」

 「む、まさか!?」

 「分かったみたいだな。

 良い温度のお湯を作って浴槽…まぁ桶みたいな物だな それに溜めて入ればゆったり全身までつかれるだろ?」

 「なん…じゃと…

 でかした!良い考えじゃ!早く実行するのじゃ!」

 「いや、もうほとんど出来てるぞ

 あとはここの木をあの下地の上に組み立てれば完成だな」

 「ホントかの!では直ぐに入れるのかの?」

 「まぁ今日の夕方くらいからなら入れるかな」

 「そうかの!待っとるでの!」


 夕方にと言った手前、風呂自体は昼までに終わらせたいな

 昼からは風呂に必要な物を買わんとな


 あれから急ピッチで進めてなんとか昼までに風呂作りは完了した

 昼は軽めの物で済まそうとノラに言うと朝の説明が効いたのかニコニコ顔でOKがでた


 少し遅れそうかとひやひやしたが間に合ったので予定通り買い物に行く

 ノラも誘ってみたがなにか仕事があるらしい 残念がっていたがそれならしょうがないだろう


 賭金の余り、それに指名依頼の金が沢山あるのでちょっと贅沢な買い物をする

 風呂で使う木桶は職人に頼んで材料持ち込みで作ってもらうつもりだ


 色々考えているうちに馴染みの店に着いた

 商店が並ぶ通りから反対方向にあり貴族街や王城に近い大通りに面している何でも揃う店だ 貴族達のための高級品はもちろん、その使用人や王城勤めの騎士らのために一般層が買うようなものまで揃っている

 幸いなことに自宅が貴族街よりなため、商店通りに行くよりこちらの方が近い

 そのため、だいたいの生活必需品はここで買い揃えられる 俺がよく行く店はここか魚市場くらいだろう


 今日買う物はシャンプー リンス 石鹸 少し目の粗めになった絹のタオル 綿の大きなタオル 水に濡れても大丈夫な椅子 厚手の綿のタオル このくらいは最低限いるものだろう

 あとは高級品だが着流しが欲しい 和風を意識して檜風呂を作ったのでどうせなら風呂から出た後は 和 のイメージを崩さないようにしたいからだ


 風呂の必需品は買い揃えた。

 着流しも買った ただ、金貨50枚もかかったので少し驚いてしまったが…

 着流しの色はとても迷ったが無難な黒で収まった


 今日はこれから木桶を作ってもらうための職人探しとなる

 伝手が何もなかったのでさっきの店のオーナーに頼んで職人が多くいる場所を教えてもらった

 後の事はとりあえず、行ってから考えることにする

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