表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界暮らし  作者: 劉嬰
14/24

同居?

 予定よりずいぶん遅かったが冒険者ギルドに帰ってきた


 「おう!お前ら帰ってきたか!遅かったな」


 ギルマスが待っていてくれたようだ 久しぶりに見た気がするな


 「うぬ?エルゴか、ずっと待っておったのか?」

 「ええ、直ぐに戻るだろうと思っていましたので」

 「そうか、すまんの 妾の秘密を教えておったのじゃ」

 「ノラ!それじゃ誤解をうむから!」

 「ん?合っとるじゃろ?」

 「合ってるけど…そうじゃなくて」

 「クククッ…わかっておる。からかってみただけなのじゃ」

 「…それはそうとエルゴってだれだ?」

 「反応薄いの エルゴはエルゴじゃろ?」


 ノラはギルマスを差してそう言った


 「えっ?」

 「ん?エルゴ お主、名前をレンカに教えてなかったのかの?」

 「あっそういえば…レンカ!俺がエルゴだ」

 「阿呆!何が『俺がエルゴだ』じゃ

 もっと言うことあるじゃろが」

 「名前以外に何か言うことあるか?あっ! レンカ!お前が依頼した建物、建て終わったぞ!」

 「そういうことを言えと言ったのじゃないのじゃがの…レンカ 大丈夫かの?」

 「あっあぁ ギルマスってエルゴっていう名前だったのか

 それにもう依頼できたのか」


 大工の依頼って1日…いや半日もかからず出来るものなのか?

 そもそもほんの少し口頭で説明しただけで出来るのか…不安になってきたな

 あとで隅々まで確認しようか


 「おう!満足いく建物ができたと思うぜ!」

 「そうか 時間も遅いしそろそろ暇しようかな」

 「レンカ!何か改善箇所あれば言ってくれ!直ぐに直すから」

 「分かった」

 「のう、レンカ 妾もついていっても構わないかの?」

 「ん?別に構わないがそんなに面白くないぞ」

 「良いのじゃ どんな建物か気になるだけなのじゃ」


 家に着いた

 1日が濃すぎてなにか久しぶりなような気がする


 宿の中央の通路を通り抜け家側に辿り着くと朝、出掛けるときにはなかった建物がある

 自分が冒険者ギルドで依頼した形通り…いや、想像をはるかに超える出来だ

 ギルマスだから…と思っていたことを謝罪しないといけないくらいに立派である

 だが日が落ちて暗くなってきたので詳しく見るのは明日にしよう

 それにしても、今日は見ないと言ったのになぜ ノラはついてきたのだろうか 何人か住むことを想定して作っているので別に構わないが不思議だ


 「レンカ 何を黄昏ておる?」

 「ん?いや何でもない ホントに泊まるのか?」

 「いやかの?」

 「そうじゃない 不思議に思っただけだ」

 「はよう入らんかの?」

 「ああ」



 ★ノラ視点★


 レンカが依頼を出した小屋の建築をあの土木建築関係を任せれば右に出るものはいない…いや、神と呼ばれる程のエルゴが自ら名乗り出したと聞いてこれは見なければ と思い来たのじゃ

 それにの…少し恥ずかしいのじゃが実家から散々と婿はどうだと言われとるからの レンカの家を見るついでにの同居人が居るか見てみるのじゃ


 なにかレンカが家の前で黄昏ておるの

 どうしたのじゃろう


 む…何回 泊まるのか聞いてるのじゃ ボロが出そうになってつらいぞよ


 おお…質問に質問返ししたらどうにか しのげたのじゃ♪


 ようやく入るようじゃ♪ワクワクとドキドキで胸が苦しいのじゃ

 時間が長く感じるのじゃ


 おお♪広いの♪しかし、この家 外装も内装も初めてみる造りをしておるのじゃ

 外から見た感じ、木材と屋根のところに黒い石のようなものが乗っておったがこの辺りは地揺れがあることを知らないのじゃろうか


 もし、知らないのであれば教えてあげないとな …それで好感度もアップじゃ♪


む?中に入って直ぐにレンカが靴を脱いでおるの…どうしたのじゃろうか?


 色々 思うところはあったが家の中に入りいつものように靴を脱ぐ

 そして後ろを向くと……奇妙なものを見るような目のノラがいた


 「どうした?何か変なことあるか?」

 「それはなんじゃ?」

 「それって?」

 「なんで靴を脱いでおるのじゃ?」

 「ん…あぁそう言うことか

 この家ではな靴を脱ぐのが正解なんだ

 何か履いてないと嫌ならばスリッパ…室内用の靴もあるがどうする?」

 「む…いやこのままで良い レンカも履かんのじゃろ?」

 「あぁ、履かんな」

 「初めてじゃからかの?何か違和感があるのじゃ」

 「そのうちなれるだろ」

 「それもそうじゃな」


 玄関からリビングに入り、こたつに入る


 「……のう この暖かいテーブル?はなんじゃ?」

 「 こたつ って言うやつだ」

 「こたつかの♪暖かいのこのまま寝てしまいそうじゃな」

 「風邪引くからやめとけよ?」

 「そうなのかの!?……(それも良いかもの)」

 「何か言ったか?」

 「何も言ってないの!」

 「…そうか?」

 「そうじゃ 今から何をするのかの?」

 「……じゃあまずはノラが泊まる部屋を決めるか」

 「部屋を見てみても良いかの?」

 「あぁ良いぞ」



 ★ノラ視点★


 さっきは危なかったのぅ もう少しで一人言がバレるところじゃった

 それにしても不思議な家じゃのう

 入って直ぐのところで靴を脱いで…土足禁止というらしいぞ…廊下とか言うところを歩いたのじゃ するとな、木の床を歩いたのじゃが暖かかったのじゃ てっきり冷たいと思っていたのじゃがの


 暖かい廊下?を歩いた先にはの畳という植物を使ったマットみたいなもの とその上に こたつ と呼ばれるテーブルがあっての、これも暖かかったのじゃ♪


 これから部屋を決めるらしいのじゃが…できれば一緒に……いやできればだけなのじゃ……

 とりあえず、どうにか流れにのってレンカの部屋も見てみたいの


 ノラの部屋を決めるために二階にやってきた

 一応、客室は少し多目に6室ある 和室・洋室 それぞれ大・中・小だ

 まずは洋室から見ていく



 「ノラ、ここはどうだ?」

 「先程までいたところと違って床が木じゃの」

 「あぁ、さっきまでのところは和室みたいなところで今いるのは洋室だからな」

 「わしつ?ようしつ?」

 「和室が畳、洋室が木 だと思ってくれたら良い」

 「そうなのかの どちらかというと妾は和室とやらの方が良いかの」

 「了解 じゃあ和室に案内するな」

 「よろしくなのじゃ!」


 そういうわけで洋室は一室みただけで終わらせ、和室を見ていくことになった

 やっぱり初めてみる方が良いのだろうか…


 「和室に着いたぞ まずは小さめの部屋から見るか」

 「うむ よろしくたのむのじゃ」

 「どうだ?」

 「なにか しっくりこないのじゃ」

 「そうか。次だ」


和室 3室見終わったがノラにはどれもしっくりこなかったらしい


 「結局、どうするんだ?」

 「うーむ……レンカの部屋を見せてはくれぬか?」

 「俺の部屋か?なんで?」

 「なんとなく見てみたいと思ったのじゃよ」

 「…そうか まぁ良いぞ」

 「ホントかの♪早速いくのじゃ♪」



 ★ノラ視点★


 レンカが畳の部屋……和室と言うらしいのじゃが……を見せてくれたときにな一瞬で実は気に入ったのじゃがレンカの部屋を見るために泣く泣く気に入らぬふりをしたのじゃ

 内心、バレるかもと思っていたのじゃがどうにか助かったらしい


 それにしてもレンカはどうしてこんなにたくさんの部屋を作っているのじゃろうか…家の前には宿とする予定の建物があるのじゃからそっちに泊めるのではダメなのじゃろうか……

 まぁ、あえて妾は突っ込まないのじゃ

 妾が寛容な心の持ち主じゃと思ってもらうためにも言いたいのを頑張って我慢するのじゃ


 当初、来る予定ではなかったがノラが来たいということで俺の自室へやってきた

 何故ノラが来たいのかは明かしてくれないが文化の違うところを色々見てみたいといったところだろう


 俺の自室は一応、この家の主人ということで一人で住むには少し広めの部屋となっている それに客室は和室か洋室と はっきり別れていたが三階にある部屋…俺の自室も含む…は和・洋が混じった部屋となっていて贅沢なことに寝るときは気分でベッドか敷き布団かを選ぶことができる

 他にはリビング的なところにはフローリングの上にふかふかなマットを敷き、その上にこたつを置いているといったところだろうか


 ところで俺の部屋に着いて直ぐにノラはなにかを探すように俺の部屋をくまなく見ていっているのだがどうしたのだろう

 別段、困ることもないので構わないが時間もあるのでゆっくり見れば良いのでは?と思っているが口には出さない……とノラが戻ってきたな


 「ノラ、見終わったか?」

 「!?なんのことじゃ?」

 「いや 俺の部屋の事だよ」

 「あぁそう言うことかの……大丈夫じゃ問題なかったのじゃ」

 「問題?」

 「何でもないのじゃ こっちの話じゃ」

 「そうか?」

 「そうじゃ 気にせんでよい」



 ★ノラ視点★


 レンカの部屋にいよいよ入るようじゃ!何かすごく緊張してきたのじゃ

 入って直ぐに妾は色々見てきてよいかとレンカに尋ねたのじゃ

 レンカは気にしない感じで許可出してくれたのじゃが、ゆっくり見て良いと言ったのじゃ、じゃが妾の目論見がバレないうちに全部屋を見るためには素早さが必要と思っての急ぐことにしたのじゃ


 部屋を見る毎に安心感が増えていったのじゃ♪レンカの部屋は全て一人暮らしの様子がありありと見えていたのじゃ


 問題はレンカの元に帰ってからじゃった

 妾が色々と細かくみていたことを知っていたように鋭いツッコミが入ってきたのじゃ 妾のような長い間生きていない者であったなら自分で墓穴を掘っていたかもしれんが、妾はなんとかなったのじゃ

 これ以上、聞かれぬうちに別の話題に振らなくてはの

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ