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異世界暮らし  作者: 劉嬰
11/24

王城

 「歩きながらじゃが城内の説明はいるかの?」

 「お願い」

 「了解じゃ

 まず城門を入って直ぐに王族や貴族が居る…というわけではないのじゃ」

 「なんで?

 王城って王族の居るところじゃ?」

 「お主は阿呆か?

  もし、敵に攻め込まれたときに直ぐに王族の元へ辿り着かれると危ないじゃろ」


 …いやここまで攻めこられたらヤバいだろ


 「門が破られても戦えるように王城の手前に騎士とメイドの住居?を建ててじゃな、其処の中央に通路を作ることで櫓かわりとして利用できるようにしておる」

 「普通にもう一重の城門じゃいけなかったのか?」

 「うむ、当時もそういう案はあったのじゃが 中央の通路を通っている敵に上の…住居の二階部分からゲリラ攻撃…とかいうものを仕掛けるべき という意見が通ったのじゃ」

 「ゲリラ攻撃…」

 「そうじゃ。ゲリラ攻撃とやらはよく分からんのじゃが、時折 異世界から来たという奇妙な者達がいての、その者らからの知恵なのじゃ」

 「異世界?」

 「そうじゃ……っと 話が逸れたの、話を戻すぞよ

 本来はこの住居兼櫓の通路でもう一度、身分確認があっての

 今回は省略して貰っとる

 ようやく王城に入るぞよ」


ノラに王城として案内された先には……


 「ん?何 腑抜けた顔になっておる?」

 「ノラ…これが王城?」

 「そうじゃが、どうしたのじゃ?」

 「いや、 予想していたより城っぽくない建物でだな…」

 「ん?そうかのぅ」


 …俺が予想していた城は円錐形の屋根がついている塔が何棟も建っているネズミの城をイメージしていたが

 目の前にあるのは、学校の校舎のような…強いて言うと『バッキンガム宮殿』だろうか

 平べったい三階~四階建てくらいの建物だ


 「レンカ、そろそろ入らんか?」

 「おぉ、そうだな」



 ~王城1F~


 1階に入った

 外の見た目より中は大きく感じる

 王城というくらいだから赤地に金 といった派手な内装をしているのか…と想像していたが実際は白地…というより一面『白』に近い


 「ん?レンカ、そんな変な顔してどうしたのじゃ?」

 「えっと、なんで一面 真っ白なんだ?」

 「なんじゃ? あぁ、もしや豪華なものじゃと思っておったのじゃな?」

 「あぁ」

 「そうかそうか

 何、ここに初めてくる者は皆 同じ疑問を言っておるわ

 それで真っ白な理由はじゃな、真っ白じゃったら清潔感あるじゃろ?

 それだけじゃ」

 「なるほどな」

 「…まぁ、この国の王族はゴテゴテしたものが嫌っていうのもあるみたいじゃが」

 「そっそうか」

 「レンカの疑問も解決したところでの、1階について説明するぞよ」

 「あぁ」

 「1階はの

 近衛騎士団の詰め所と王城勤めの下級貴族の仮眠室があるのじゃ 下級貴族の大半は大部分は王城勤めの文官なのじゃ

 あとは、各部署の政務室があるのじゃ」

 

 下級貴族って官僚みたいなものか


 「下級貴族ってどの辺りからなんだ?」

 「少し前に貴族については教えたじゃろ?」

 「おう」

 「その、伯爵以下が下級貴族ということになっとる」

 「なるほど」

 「今日、1階で用事があるのは近衛くらいかの」

 「何の用事があるんだ?」

 「お主もこれから王城に何度も来るかもしれんからの

 関わるかもしれんから挨拶しておくんじゃよ」

 「貴族に挨拶はしなくて良いのか?」

 「うむ。下級貴族に上級貴族から挨拶に行くのはマナー違反での

 こっちから行っても下級貴族が罪に問われるのじゃ

 そんなので恨まれるのもあるのでの、お主も注意するのじゃよ?」

 「そんなので罪になるのか。分かった注意しよう」

 「まぁ、今度ゆっくりその辺りは説明するでの

 今日は妾の左側を歩いて置けば大丈夫じゃ」

 「やっぱり、ノラって…」

 「んん、そんなことより近衛の詰め所に着いたのじゃ」

 「…」

 「……なんじゃ?いや、言わんでよい

 レンカ、扉の前に立つのじゃ」

 「なんで?」

 「良いから早ようせい……準備は良いの」

 「準備?」

 「うむ、大丈夫そうじゃの

 では行くぞ!」


コン コン!

ガチャ

 「…失礼しまっ !!」


 何かが飛んで来たので咄嗟に避けた


 「ん、避けたかの まぁ及第点じゃな」

 「……」ジー

 「そんな目で見んといてくれんかの、照れるぞよ」

 「……」

 「いや、すまんかった

 ちょっと試しただけじゃ……後ろを見てみい

 飛んできたのは柔らかい素材の物じゃ」

 「ノラ…これ何?」

 「近衛の詰め所を普通に開けようとするとじゃな

 敵とみなして剣が飛んでくるのじゃ」

 「でも柔らかいと駄目じゃ?」

 「今回は騎士団長の協力で飛ばす物を変えておる」

 「其処までするか?」

 「今度、一人で来た時に忘れんように体験させたのじゃ

 そろそろ誰か出てくるかのぅ」


 扉の奥から体格の良い騎士らしき人がやって来た


 「…あのぅ、ノラ様 何の御用で?普通に入れなかったのですか?」

 「む?そなたか。騎士団長から何も聞いておらんのかの?」

 「はぁ、何も」

 「そうか、 弟子であるこやつに注意点を教えておるでの 体験させていたのじゃ」

 「言うだけで良かったのでは?」

 「そなたもか…体験させた方が楽で早いじゃろ」

 「いや、こちらからすると片付けがめんどくさいのですが…」

 「ん?いつもしているから楽なのか思っておったぞ?」

 「そんなわけないです!」

 「そうかの。レンカ、そろそろ行こうかの」

 「ん?ああ」

 「ではの」

 「はい」


…………………


 「なんで挨拶しなかったんだ?」

 「騎士団長に言いたいことがあったからの。居なさそうじゃからまた今度じゃ

 それに奴と話をすると世間話が始まって長いのじゃ……」

 「へっへぇ…」

 「お主も気を付けるのじゃよ」

 「はぁ」

 「では、そろそろ2階に行こうかの」



 ~王城2F~


 2階に上がると何か高級感あふれる内装になっている

 別に贅沢品や嗜好品がふんだんに使われているわけではない

 1階と同じくベースは真っ白なのは変わらないが、よく見ると段差や床の端の方には黒色のラインが入っておりアクセントになっている

 さらに、床の材質が1階と違い光を反射するくらいツルツルだ

 壁_各部屋の扉の近く_には等間隔に2つの紋章がある

 1つは同じ紋章なので王国の紋章であろう

 もう1つは貴族ごとではないだろうか。


 「レンカよ、何をボーッとしておる?妾の部屋はこっちじゃぞ」


 ノラが進む先は階段から見て右手の方だ

 先程までは左手側を見ていたのだが

 ノラが指し示す方は紋章の数が3つであったり、2つとも同じ紋章になっていたりする

 3つなのは何かの高位の役職に就いているのだろうか

 同じなのは王族だろう

 どう考えても上級貴族の中でも高位か王族の部屋の領域だ


 そんな考えをしている間もノラは気付いていないのかどんどん進むので、ここは大人しくしたがっておこう


 「で、ノラの部屋にはまだ着かないのか?」

 「ん?もう少しじゃよ

 次の角を曲がれば到着なのじゃ」


 王族方の部屋を沢山抜けてきた先、角を曲がった所

 位置的には1つ上の3階には謁見室や王の執務室がある辺りだと予想できる


 「着いたのじゃ」

 「ここ?なんでここだけ壁の色違うんだ?」


 ノラの部屋らしきところは周りが白色ベースの黒色アクセントに対して水色ベースの緑色アクセントとなっている

 扉の色は木の色。

 そして扉の近くには4つの紋章があり、そのうち2つは王族の紋章だ


 いろいろ聞きたいことが増えてしまったが、紋章の話は外ではしてくれないと思うので後回しだ


 「ノラ、なんでノラの部屋だけ水色なんだ?」

 「これかの、これは『皆の部屋が同じだと味気がない』と王が言っての

 妾はめんどくさいことが嫌じゃから任せていたらこの色になったのじゃ」

 「ふーん」

 「反応薄いの

 それでは入ろうかの」

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