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物語
――勇者は世界を守るために多大な犠牲を払いました。共に戦った人々は死に絶え、友も去りました。愛した者の躯を踏んで、勇者は災いの『根源』を滅ぼそうとしました。
『根源』は脅えました。そして殺されないように一つの方法を導き出しました。それは尤も愛する人に姿を変貌することでした。
虚を付くことに成功し、寸でのところで『根源』は勇者を打ち負かすことに成功します。しかしながら勇者はそれでも世界を救う役目があったのです。
たとえどんな手を使ってでも。
勇者は自身の命に『根源』の力半分を封じた上で約束を交わしました。
――友よ。汝が歩むであろう長い時間。我も共に歩まん、と。