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4/9

<4>

こっちも久々に書くと書き方忘れてるな…。またしばらく空くと思います。

 昼休み。


「カナタよ、午前中は助かったぞ!」


「それは数学についてか?それとも家庭科についてか?」


「むろん両方だ!」


 結局アレスは数学の課題はどうにか提出できたらしい。まあ解答の丸写しであるが。そして家庭科でもこの男はやらかした。今日は『おいしいパンの作り方』とかいう授業であったが……あえて感想を上げるなら、あの先生は俺たちを騎士ではなくパン屋にでもしようとしているのだろうか?とりあえず「そんな特殊な調理器具一般家庭、ましてや戦場にあるわけねえだろ!」となんど叫びたくなったことか。そしてそんな中アレスは「もろいなあ」などとふざけたことに言いながら調理器具の破壊、「これはいい握力の訓練になるぞ」などと言いながらパン生地をそこらじゅうにまき散らしていた。改めて確信した。こいつに料理は無理だ。……料理以外も大概無理だが。そんなアレスのフォローをカナタはし、最終的に二人分のパンを作るはめになった。周りの「あぁ、またか」という視線がたいそう痛かった。


「まあ今はそんなことはどうでもいいだろう」


「なんで恩を受けた側が偉そうなんだよ……」


 カナタはげんなりしつつも「アレスだしな」という超理論でもって納得した。


「早く昼を食べようではないか!午後からは野外訓練。これはしっかりとエネルギーをとっておくべきであろう!その上今日は先ほどのパンというおまけまである」


「……俺が作ったな」


 そんな感じで雑談をしつつ食堂に昼食をとりに行こうとしていた時である。


「兄さん」


 後ろから声をかけられた。

 振り返ってみるとそこには一人の少女がいた。


「おお、イリスではないか」


 少女のセリフに答えたのはカナタではなくアレスの方。

 そうである。このイリスという少女、アレスの双子の妹なのだ。

 このアレスの妹、本名はイリス・アッシュワース。兄であるアレス同様に碧眼に灰色の髪をしている。髪は肩口まで伸ばしており、身長はおそらく女性の平均くらい。全体的に体の線は細く、美人系よりの顔をしている。ちなみに成績は教養科目、実技ともに上位である。……正直教養科目壊滅、パワーキャラでそれに見合った体格をしているアレスと双子なのが信じられない。もっと言えばホントに親族なのか疑わしい。しかしどんなに疑わしくとも兄妹というのは事実らしい。それに一応髪と瞳は同じ色をしているのでかろうじて兄妹だと言われて納得できないこともなくはない……こともなくはない。

 そんな彼女だが、現在その兄であるところのアレスをすごい冷めた目で見ている。


「兄さん、数学の課題と調理実習の件でまたカナタさんに迷惑をかけましたね」


「むっ、なぜ課題の件まで知っている?」


「兄さん、私に頼らずに教養系の科目の課題、一回でも自力で解けたことあります?」


「むろんない!」


「それで兄さん、昨日あえて言いませんでしたけど課題やってませんよね」


「ははは、完全に忘れていたのだ!」


「それでどうやって今日の午前の授業に提出が間に合うんですか?」


「おぉ、さすがだな。何でもお見通しということか」


「……いつも言ってますがなんでそんなやってないことにまで自信満々なんですか。それとカナタさんにあんまり迷惑かけないでください。愛想つかされちゃいますよ」


「ははは、カナタは親友であるぞ。そのようなこと心配無用である」


「いや、ものには限度があるぞ」


 アレスの言葉にカナタは突っ込まずにはいられなかった。


「そうか、ではできる限り気を付けるようにはしよう」


 お前の気を付けるは世間一般では気を付けてるうちに入らないだろとカナタは思わずにいられなかった。


「「はぁ……」」


 思わずため息をついたら、イリスも同じようにため息をついていた。多分カナタと同じような考えに至ったのだろう。

 そうしてお互いに目線と目線で「苦労してるね」「カナタさんの方こそ」といった会話をするのだった。

 ……その元凶たる隣の男はそのことを全く気にも留めていなかったが。

9/12 アレスの妹の名前変更 イリヤ→イリス

なぜだか知らないけど<4>と<5>で名前が変わってた。ホント反省です。そんなわけで<5>の方で書いたイリスの方に名前を統一しました。

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