2回目の来訪者
(SPは大統領を守るためにいるのだから……大統領がここにいないと
思わせることができれば追い払うことができるかもしれない。
だがどうすればそう思い込ませることができる?)
私は真剣にSPを追い払う方法を考えていた。
時間がない。ひょっとすると今すぐにでも誰かがこの部屋を訪れるかもしれないのだ。
だが、中々妙案は浮かばなかった。時間のみが過ぎていく。無駄に時間が過ぎてしまい、
30分近くが経過したその時――――――
"コンコン!"
背筋に冷たいものを感じた。息が詰まる。
ドアが再びノックされたのだ。
私は、1回目の来訪者にこの部屋には誰も訪れないように指示をした。
その指示を無視した2回目のノックである。これが意味するものは……
(しまった……怪しまれたか? もしくは大統領の命令を無視できる人物が来てしまったのか)
この来訪者は1回目の雑魚とは違う。おそらくハッタリも通じない難敵だ。厄介な相手がきてしまったに違いない。慎重な対応を取らざるを得ない。
『…………』
私はノックに対し、沈黙で返した。
相手の反応を見て、情報を得るためである。
この相手を捌くためには、もっと情報が必要だ。
それに私は1回目の来訪者に大統領は就寝していると伝えた。
沈黙で返すことに矛盾はない。うまくすれば相手が諦めて帰るかもしれない。
だが、そんな私の甘い期待は裏切られた。
大声と共にドアが激しくノックされる。
「誰か! 誰かいますか!? 返事を! 返事をしてください!
部屋に入りますよ! いいですね!?」
"ガチャリ"……と部屋の鍵をあけられた音がした。
最悪なことにこの来訪者は部屋の鍵を所有していたらしい。
『……これは終わったか』
そしてドアが開かれた。




