ハッピーハロウィン?
腹が減った。
かれこれ一年、何も食べてない。水の一滴も、パンのひとかけらも。
嗚呼、腹が減った。
さあ、誰にしようか。誰を食べようか。
目の覚めるような、鮮血の色を見せておくれ。もしくは穢れきった魂を見せておくれ。
ふふ、パイもいい。シチューでもいい、シンプルに丸焼き?
ああ、それとも生の味を味わうか…?
ふむ、どれも捨て難い。
けれど今年は寒いから、スープでもいいか。いや、クッキーでもイケる。
いやでも、やっぱり……――
「決めた、生でいこう!」
私はビルから飛び降りた。巨大な鎌を背負って。
「人間の皆様、ハッピーハロウィンッ!!」