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竜の詩  作者: lyuvan
26/30

一週間の道のり 最終日 夜の一

すみません。出来心なんです。

コメディーだってヤリタカッタンデス。



参加者は語る。

ソレが現れたのは祭りのピークでした。

罪人が赤い竜だったので用意した、出雲タワー(先が引っ込む)に串刺しにするためにわざわざ、嬲って竜形態にしたのですが。

存外、抵抗が激しかったので更に嬲って担ぎ上げ、タワーに向かっていたのです。

その頃には、すっかり夜になってました。

あの時、気づいて途中で辞めていればあんな事には……。

すみません、今でも思い出すのが辛いんです。

何処まで話ましたっけ……あっ、担ぎ上げた何処までですか。

罪人を担ぎ上げた私たちがタワーに向かっていると、突然、爆発音がしたんです。

こう、ドカーンて音。

それで音の方向を見ると、いたんですよ。

ソレが。

随分と久しぶりに見たので、もう足がガタガタ震えました。

えっ、神様なのに情けない?

この時の映像がありますから、ご覧なさいよ。

きっと分かりますから。








「離せ!この、クソッ」

足掻くがどんどんと塔が近づいてくる。

聞こえてくる声から推測するに俺はあの塔に串刺しにされるらしい。

冗談じゃない!

俺はまだ生きたいんだ。

しかし、無情にも止まる事なく塔は近づく。

「もう駄目なのか……」

諦めの心境に入ったその時。

村中に爆発音が響いた。

担ぎ上げていた人集りの動きが止まる。

全員がその音の方向を見ているようだ。

爆発のせいか、噴煙立ち込める。その場所から一つの影が現れた。

ビロードのように黒い毛皮を持ち、血だまりのような瞳の狼女。

それが影の正体だった。

狼女の身体からは激しい感情の暴走のせいか、水蒸気の白い煙が立ち昇っている。

「……もしかして、狼牙ちゃん?」

人集りからの呟きが、全員に聞こえた。

途端、人集りは慌て始めた。

「やっべぇ!どうすんのさ!」

「俺に質問スルナァ!」

「誰でも良いから宥めてきなさいよ!」

「俺が行こう」

「流石だなアレス!」

人集りが割れて、そこから一人の屈強な男が現れた。

トロイアの鎧と斧を持った、屈強な男。こいつがアレスなのだろう。

アレスは、狼牙へと近づいて行き……。

「久しぶりだな、ロウ、ガベェ!」

狼牙に一瞬で吹き飛ばされた。

「ザマァないわ!流石、アレスね!」

「アテナ、罵ってる場合じゃないぞ!」

「我々、神でも見えない速度で近づいての三連突き。鼻頭、鳩尾、股間の三点を見事に居抜きおった」

「インドラも関心してる場合じゃないだろ!」

騒ぎ始める人集りしかし、アレスを助けに行く人は誰もいない。

俺は騒動に気を取られてる内に担ぎ上げられている状態から、力の限り羽撃き空へと抜け出した。

「しまった!罪人が逃げたぞ!」

「放っておけ!今は逃げる方が先だ!」

蜘蛛の子を散らしたように逃げ回る村人。

狼牙はソレを追いかけ、辺りを燃やしてゆく。

「おい!足に火を纏ってるぞ!」

「誰か消化班を呼んで来い!」

「あ、あいつらあんな所に!」

そこには、上半身はヤギで下半身が魚になっている生き物が⁉

「てめぇら!こんな時にネタにはしってんじゃねぇ!」

下腹と角がヤギの男が怒りだす。

その間も狼牙は走り回り、ついに……。

「ああ、村が、村が……」

「アッチャ~、燃えてるねぇ」

燃え盛る家、生き物の様に走る炎、倒れ伏す人々、その中心には狼牙が……。

ルォォォォォォン!

狼の遠吠えが村中に響き渡る。

その視線の先には、一匹の竜が居る。

「……クルルルルルル」

甘えるような唸り声を出して竜を見つめている。

自分の下に来るのを待っているのか、そのまま動かない。

竜は覚悟を決めて、ゆっくりと下降して狼の下へ向かえ……。

「よしなさい」

なかった。

阻んだのは、一人の女性。

その美貌は太陽の如く輝き。雑踏を歩けば万人が振り向くと思えた。

正気であれば。

「誰だ貴様は!俺の邪魔をするな!

俺は、アイツの下に行かなければならんのだ!」

見目麗しいかろうがなんだろうが。

今の竜には関係がない。

その目には、狼しか見えていないのだから。

「アイツは今、一人ぼっちなんだ!

俺が行かなければ、誰が行くというのだ!

アイツを慰められるのが、俺以外にいるというのか?いや、いない!」

アイツには俺しかいない発言を続ける竜。

その竜に女性はゲンコツを落とした。

「~~~~ッ⁉」

語っている最中にゲンコツをされて竜は舌を噛んだようだ。

「痛みで、少しはマシになったかしら」

「お、俺は、一体何を?」

困惑している竜に女性は言う。

「貴方には、チャームがかかってたのそれも強力なのが」

この女は一体何を言っているのだろうか?

「毛なんて比較にならない位の繋がりを持った貴方の一部を取り込んで、貴方を惹きつけるチャームに」

竜の頭に昨日の出来事が蘇る。

黒服の女に組み敷かれ、舌を噛みちぎられた記憶。

アレの正体は確か……。

「狼牙だ」

あの後、麟から告げられた正体に驚きはしたが何故か、彼女への好意に覆われて……。

「駄目ですよ、そんな女の言う事なんて聞いたら」

竜の頭に狼の声が響く、それに身を委ねそうになるが。

グウォォォォォォルルル‼

咆哮を一つ上げて、打ち消した。

「何故こんな事をした狼牙!」

「貴方に愛して欲しいから」

夢の再現が今なされた。

あの夢で何故、狼女の望みが叶わなかったのか?

その答えが今、竜の頭に閃いた。

「偽りの心を求めたお前に、愛を語る資格など無い!」

焼け付くような怒りが胸を焦がす。

今なら、世界さえ滅ぼせる気がした。

翼を畳み、竜は一直線に狼の下へ向かう。

咥え込み、焼き尽くす。

それが戦法。

狼は微動だにせず、竜を見つめている。

縮まる距離はとうとう、不可避の域に……。

捉えた!

「甘いです」

向かって来る竜に向かって飛び、上顎を踏み台にして更に高く。

そして、背中に高速で落下した。

海老反りになる竜の身体、背骨は折れ、動くことすらままなら無い。

「妾に勝てると思ってましたか?」

目の前には夢と違い黒い足が見える。

けれど、身体は変わらず動かない。

「もうダウンですか、張り合いがありませんね」

トドメです。

衝撃が奔る。

遠のいていく意識の中、この後俺はどうなるのかが気になった。









ね、怖いでしょ。

えっ、この後どうなったかですか?

一応、映像はあるんですけど……。

訳がわからないんですよねぇ。

本があれば分かるんですが……えっ!

ちょっと、君、何来てんの!

君これにでて無いじゃない!

えっ、本入荷してる。

嘘だろ、ソレいれたらアレも……。

あっ、禁帯出にしたの。

そう……。

じゃあ、読もっか。




家庭科で作った、持ち寄り炒飯みたいにぐちゃぐちゃに……。

寝不足になると変な電波を拾います。

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