一週間の道のり 最終日 昼
繋ぎなので短いです。
村に入った途端に村人全員が俺をにらんできた。
村人同士ひそひそと話だす。
「あいつか?」
「あぁ、あいつに違いない」
「ということは」
「そういうことです」
突然、ラッパの音が鳴り響く。
何かをまつように全員の動きが止まる。
その時、天空から声が響いた。
『え~、ヘイムダルです。ロキから確認が取れました。入り口にいるのは罪人、竜牙に違いないそうです。
よって只今より、祭りの開催をお知らせいたします。
七度目のラッパの音が鳴ったらスタートです』
プァ~。
降りそそぐラッパの音。
プァ~~。
その美しい響きによいしれそうになる。
プァ~~~。
けれど、今はそんな場合じゃない。
プァ~~~~。
なんとしてでも生き残らなければ。
プァ~~~~~。
腹を据える。
プァ~~~~~~。
『次のラッパが合図です。
罪人、竜牙、遺言はあるか』
「俺は、生きる。
生きて狼牙と添い遂げる!」
『よく言った小僧、祭りのはじまりだ!』
プァ~~~~~~~!
迫り来る大軍、俺はその中へと……。
「そこをドケェ~!」
大鎌を構えて入る。
俺の戦いはこれからだ!!
暗い森の中を彷徨う
見えない明かりを求めた獣は
絶望の内にいる
救いの手を求めて歩き続けていく
その手が側にあると知らずに
見えない明かりを求めて彷徨う。
獣は心に決めている
二度とそれを離す事はしないと
「妾だけ。妾だけを愛してくださいね」
焦点の合わないその瞳が何を見ているのかは、彼女しか知らない。
けれども、結末は訪れる。
日が暮れた、夜の始め。
彼女はとうとう、出雲に着いた。