選挙中は「政府に不都合なものはデマ」になるのか?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は26年7月13日に改正された公職選挙法と情報流通プラットフォーム対処法の「偽情報・誤情報の定義」に焦点を当てて話していこうと思います。
質問者:
筆者:
この記事 https://www.tokyo-np.co.jp/article/501219 によりますと、
公職選挙法では、
・SNS投稿者に立候補者の虚偽情報を広めない責務
・AIで作成した画像や映像にはその旨を表示する義務
・ただし、上記に違反した場合でも具体的な罰則規定は無し
情報流通プラットフォーム対処法では、
・SNS上の偽・誤情報の悪影響を軽減する対策義務
・対策の実施状況を年1回公表
・対策の指針は総務省が作成
と言った事が変更されました。
質問者:
筆者:
結局のところ「偽・誤かどうか」を判断することは総務省が行うという事です。
総務大臣は当たり前ですが政府が決めます。
個人に対する直接の罰則はありませんが、プラットフォーム側が「規制」をすることで「偽・誤情報」を出している人に対して「アカウント凍結」などと言った処置を取ってくる可能性もあるのです。
つまり、間接的にではありますが政府がより強い権限でもって国民側の言論に介入してくるという事です。
質問者:
でも、あからさまな偽情報は選挙結果を歪めることになりますよ。
筆者:
問題はそこなんですよ。間違いなく偽情報・誤情報や誹謗中傷であれば禁止されて当たり前なのですが、「グレーゾーンの指摘」と言える部分についてはどうなるのか? と言った事になるんです。
一体何が「グレーの指摘」と言えるのか? と言いますと、
具体的に挙げますと自民党とは公式上では「移民を受け入れていない」という事になっています。「自民党の言う移民」と言うのは「いきなり永住権を付与」という事を意味しているそうです。
しかし、「国際的な移民」と言うのは「1年以上の滞在」を意味します。そう言う意味では育成就労や技能実習制度を国策で行っていることはどう見ても国際的には「移民を推進している」と言えるのです。
また「増税はしない」という事を高市政権は宣言していますが、「子ども子育て拠出金」のような「保険料負担増」などは平然とやってきます。
「保険は税ではない」と言う理屈のようですから「増税ではない」そうです。
しかし、国民側からしてみたなら「給与から勝手に引かれている」と言う意味では「増税」とまったく種類は変わりがありません。
このように「移民を推進するな!」「増税するな!」と言った政策批判が「自民党はそんなことをしていないから偽情報・誤情報」になりかねないという事なのです。
質問者:
なるほど……政策批判を「定義が違う」という事で「偽・誤情報」とされてしまう可能性があるという事ですか……。
筆者:
先ほどの記事の中に対策の方法として「ファクトチェック機関との連携」と言う項目がありました、「日本ファクトチェックセンター」と言うところがあるんですが、
この機関では5段階の判定レーティングがあり、上から
「正確」 「ほぼ正確」 「根拠不明」 「不正確」 「誤り」
の5段階となっています。
「誤り」の判定だけが偽・誤情報であれば、意外とその数は少ないので問題は薄いと思うのですが、「根拠不明」や「不正確」も含まれるのであれば話が大きく変わってくると思います。
この点はどうなるのか? 注目していきたいところですね。
幸い、この法律が施行されるのは統一地方選挙の前ですから憲法改正に直接影響する参院選挙前に「対策」を立てることも可能になります。
◇国民のSNSの投稿を政府は「脅威」に思っている
質問者:
今はAIもありますから特定の表現をした人全員を取り締まることも可能でしょうから言論活動には注意しなくてはいけませんね……。
筆者:
ただ、「何が偽・誤情報か分からない」ということで国民が言論活動を萎縮してしてしまうのが最も問題だと思うんですよね。
この情報流通プラットフォーム対処法というのは何と25年にも施行しており、瞬く間のうちに見直されているわけです。
それだけ政府としては「偽・誤情報、誹謗中傷を減らしたい」と言う表の目的だけでなく、「国民の言論をどうにかして減らしたい」「不都合な情報は隠したい」と言う裏の意図があると思うんです。
この間書いたエッセイの個人情報保護法の時 https://ncode.syosetu.com/n7806ml/ も書きましたが、「自主規制させる」することがこれらの法律の「裏の目的」だと思っています。
総裁選の小泉陣営のステマ問題や高市陣営の相手陣営の誹謗中傷疑惑など「ネットの影響力」と言うのを自民党は重く見ているのだと思います。
逆に、「自主規制」させることで自分たちの情報工作の影響力を上げようとしているのかもしれませんね。
質問者:
しかし、どのような表現が偽・誤情報かどうか分からないという話をされたばかりじゃないですか? 完全な対策は無いんですよね?
筆者:
勿論、法律が施行してみなければ分からないことは多いです。
選挙のたびにどのようなことがボーダーラインになりそうか触れていこうと思います。
しかし、現段階でも「政府の思考」を先回りした対策はあります。
例えば「増税」や「実質増税」では無く「社会保険料を減らして欲しい」や「岸田政権の時に決めた防衛増税・たばこ税・法人税などを撤回して欲しい」と言った、「正確な表現」にするのです。
「移民」という事に関しても「育成就労制度の上限を見直して欲しい」「外国の方よりもまず日本人に支援を」と言った「ブレ」が限りなく少ない表現に変更していくことが大事なんです。
ネットではインパクトのある「移民を入れるな!」や「増税反対!」と言ったワードの方がインプレッションが稼げると思うのですが、最悪は「アカウント停止」まであると思うので、特に選挙中においてはリスクを下げるためにはこういった工夫が必要なのかなと思います。
質問者:
確かに、「定義逃れ」が「偽・誤情報」の作戦の一つであるのならそこを合わせることが重要なんですね。
筆者:
「移民」や「増税」を使いにくくなることは確かに非常に不本意ではあります。
しかし、アカウント凍結やそれを怯えて発信しなくなる方が「政府のやりたい放題」になってしまうために損失としては大きいと思います。
また、
「子育て拠出金は保険とは関係ない、むしろ社会保険を下げて欲しい」
「支援金は国籍条項を設けて欲しい」
と言ったように「希望」みたいな形にすればそんなにカドが立ちにくいかなと思います。
質問者:
少しでも国民の意見を届けることに主眼を置くという事なんですね……。
筆者:
リスクとリターンを考えればこれぐらいのラインが落としどころかなと思いますね。
という事で今後もこのような改正された法律や改正されそうな法律について個人的な意見を述べていこうと思いますのでどうぞご覧ください。




