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握力王子と背筋の女神、レーニング室の挑戦者たち

トレーニング室は、学校の体育館のように広く、天井が高く、明るい日差しが差し込んでいた。そこにいくつかのブースに分かれていた。尚人と恭子は、まず握力のコーナーに向かった。


①握力

トレーニング室は、学校の体育館のように広く、天井が高く、明るい日差しが差し込んでいた。そこにいくつかのブースに分かれていた。尚人と恭子は、まず握力のコーナーに向かった。

机の上に測定器が置いてあった。これを力強く握る。左右二回ずつ、測定する。

「行くよ、尚人!」

恭子が元気に声をかける。彼女の目は真剣だ。僕は頷き、握力計を握りしめる。

「大丈夫、これならできるさ。」

自信を持って言ったが、心臓は早鐘のように鳴っていた。恭子が笑顔を見せ、次の瞬間、力を込めて握った。彼女の力強さに触発され、僕も全力を振り絞る。

「ほら、尚人、頑張れ!」

恭子の声が背中を押す。僕は深呼吸し、握力計を再び握りしめた。心臓の鼓動が静まり、集中する。周囲の喧騒が遠のき、目の前の数字だけが見える。「よし、いくぞ!」力を込めて、全てを出し切る。瞬間、計器が反応した。恭子が目を輝かせて結果を見守る。「どうだった?」彼女の期待に応えたい。

「見て!すごい、尚人!それ、自己ベストだよ!」

恭子の興奮した声が響く。僕は驚きと喜びが入り混じり、思わず笑顔がこぼれた。

「本当か?俺、やったんだ!」

彼女の反応に、次の瞬間、さらに力が湧いてくる。恭子も再挑戦する姿勢を見せ、

「私も負けないから!」

と宣言した。彼女の強い意志に、僕は再び挑戦する気持ちが高まった。



②背筋力

背筋力計の台の上に乗って、ハンドルを握る。そし思いっきり上体をそらす。恭子はジャージに包まれた体を反らせ、背筋に力を込めた。ハンドルを掴むその手指は白くなるほど強く締め付けられ、筋肉が浮き上がっていた。汗が滴り落ちる額から、真剣な表情が覗いていた。背筋の力強い伸びが、彼女の集中力を物語っている。

「恭子、頑張れ!」

僕は思わず声をかけた。彼女は一瞬驚いたように顔を上げたが、すぐに再びハンドルに目を戻し、力を込めた。周囲の視線が気になりつつも、彼女の姿に勇気をもらう。次は僕の番だ。緊張が胸を締め付けるが、恭子の頑張りを無駄にしないためにも、全力で挑む覚悟を決めた。

「いけるよ、絶対に!」

恭子の声が後ろから響く。僕は深呼吸し、ハンドルを握り直した。心臓が高鳴る。周りの視線が気になったが、彼女の励ましが力を与えてくれる。僕も負けてはいられない。全力で体を反らせ、背筋を使って力を込める。

「よし、これだ!」

自分の限界を超える感覚が心を熱くする。

「もっともっと、頑張って!」

恭子の声が背中を押す。僕は力を振り絞り、ハンドルを引き寄せた。周囲の応援が次第に大きくなり、気持ちが高まっていく。心の中で彼女の存在が支えになっているのを感じた。

「やった、いけた!」

最後の一瞬、全てを出し切ることができた。彼女の視線が僕を捉え、満面の笑みを浮かべていた。


③立体前屈

四十センチくらいの高さの台があり、その上に測定器が載せてあった。

「これ、意外と難しいかもね」

と恭子が言った。彼女は少し緊張した様子で、台を見つめる。僕も心臓が早鐘のように鳴り出した。

「でも、やらなきゃ始まらないよ!」

と励ますと、彼女はゆっくりと頷いた。次の瞬間、彼女は前屈の姿勢をとり、全力で挑んだ。恭子はジャージの生地が肌に密着する様子に意識を向けた。その艶めいたシルエットが体の曲線をくっきりと浮かび上がらせる。前屈の姿勢をとると、ジャージの生地がきつく張り詰め、豊かな胸の膨らみが強調される。動作に合わせて布地が伸縮し、筋肉の動きが鮮明に見えてくる。恭子は自分の姿を意識しながら、全身全霊で前屈に集中した。

「恭子、もっと力を入れてみて。自分の体を感じてみて。」

僕が声をかける。彼女はその言葉に反応し、さらに深く前屈する。体全体がじわりと熱を帯び、心臓の鼓動が速まるようだった。

次に紺色のジャージ姿の僕が、台に上った。

「恭子、見ててくれ!」

僕は力を込めて前屈を始めた。ジャージが肌に絡みつく感覚が心地よく、思わず息を呑む。両手が床に届く瞬間、恭子の視線を感じた。彼女の瞳が僕を捉え、期待と興奮が交錯する。「どうかな?」

と振り向くと、彼女の唇が微かに笑った。



④伏臥上体そらし

「次は僕の番だね、恭子!」

僕は緊張と期待が入り混じる心境で言った。恭子は頷きながら、

「頑張って、絶対できるよ!」

と励ましてくれた。周囲の視線が集まる中、僕は深呼吸をし、体を整える。周りの運動部の生徒たちが笑い声を上げる中、僕は自分の力を信じることにした。身体の曲線が優雅に伸びていく。ベンチに腰かけ、そのそばに立つ縦棒の測定器が、静かに見守っている。僕の濃紺のジャージに包まれた身体が、器具との調和を探るように動きを繰り返す。その緩やかな所作に、時間の流れが静かに寄り添う。

次は恭子だ。臙脂色のジャージの彼女が同じくベンチにうつぶせになる。

「私も負けないからね!」

恭子が自信満々に言った。彼女の背中が緊張をほぐし、まるで自分のことのように感じる。周囲の視線が彼女に移り、期待が高まる。恭子は深呼吸をし、体を伸ばす。彼女の臙脂色のジャージが、運動の美しさを強調する。僕は思わず息を呑む。


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