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限界突破!~持久力と心の闘い~

12分間走は、これまでの競技が行われていた場所から少し離れた、広々とした開放感のあるメインの競技場で実施されることとなった。僕たちはその会場に向かって歩を進める。歩きながら、僕はふと口を開いた。

「それにしても、この大会は学校の体力測定とは異なる競技がいくつかあるね。学校の測定では1500メートル走が行われるところが、ここでは12分間走に変わっているんだね…」

「それに、踏み台昇降運動も、私たちの学校ではやったことがなかったわよね」

と恭子が続けた。

その時、ちょうど僕たちのそばを歩いていた郁美が振り返り、自信ありげに言った。

「それはそうよ。この運動能力テスト大会には、さまざまな競技で実力を磨いた選手たちが集まっているから、それ相応の種目が必要なわけよ」

 郁美はこの大会の参加者であるだけでなく、運営にも関わっているのだ。

「12分間走は、ただ12分間走り続けるだけなんだよね」

と恭子がつぶやいた。郁美はその無邪気な言葉を聞き、恭子の楽観的な姿勢に微笑みながら答えた。

「12分間走は、単なる持久走にとどまらず、心肺機能や持久力を測るための大切な競技なの。だから、単に走るだけでなく、自分のペースを理解することが不可欠なのよ。走れる距離を測ることで、持久力が試されるからね。競技者にとっては、自己をどれだけ追い込めるかが勝負であり、心の強さも求められるのよ」

「心の強さか…」

郁美の言葉は、僕の心に響いた。

恭子もその言葉をしっかりと受け止め、深く考え込み、頷きながらつぶやいた。

「……私たち、もっと強くならないといけないんだ」

「12分間は、ただ走り続けるだけの時間じゃないのよ。それは自分自身を理解し、限界を超えるための貴重な瞬間なの。この大会では、主役の種目と言えるわね」

郁美の今の発言には、読書部に対する特別な感情は見受けられなかった。彼女の眼差しは真剣そのもので、その言葉には確かな重みがあった。競技者として、また運営者としての誇りがしっかりと伝わってきた。



12分間走が行われているメイン競技場に到着した。そこには鮮やかな緑の芝生が広がり、透き通るような青空がその上に広がっていた。整然としたトラックは、太陽の光を受けて美しく輝いていた。

僕たちが到着したとき、前のグループが競技の12分間走が始まるところだった。選手たちの服装は、彼らのパフォーマンスを引き立てるために考え抜かれていることが一目でわかるものだった。男子は部活用のユニフォームや、軽やかな半袖体操服に短パンを身に着けており、女子はスタイリッシュなブルマーを選んでいる。中には、シンプルな白いTシャツに短パンという選手も見受けられた。全員が共通して半袖のトップスを着ており、足元を大胆に見せるスタイルで、自信に満ちた鍛え上げられた体を堂々と見せていた。

「このあと、私たちもここで走るのね!」

と、郁美が期待に満ちた眼差しで語りかけてきた。彼女は、同じように半袖の体操服にブルマーを身にまとい、明るい笑顔で周囲を見渡していた。彼女の服装は、活発さと元気さを象徴するようなデザインで、彼女自身の魅力を一層引き立てていた。

そんな中、僕と恭子は、他の選手たちとは対照的に、ジャージで全身を覆って立っていた。肌を隠していることで、逆に気後れや恥ずかしさが募る。

「恭子、大丈夫かな…」

彼女を見つめた。恭子も少し顔を赤らめながら、周囲の視線を気にしているようだった。彼女の様子を見ると、僕も恥ずかしさが増してくる。まるで場違いな二人が、競技場の華やかな雰囲気に飲まれてしまいそうだった。

 そんな僕たちを眺めながら郁美は言った。

「出場する選手たちは皆、この競技に全力を尽くしているわ。もちろん、私も、全力を尽くして走るわ。あなたたちも、気を引き締めて臨むことね。恭子、あなたには、その覚悟はできているかしら?」

「もちろん、覚悟はできてるわ。私だって全力を尽くす」

恭子の目は強い決意で輝いていた。続けて僕も、心を決めて言った。

「僕も頑張るよ。恭子のためにも、読書部のためにも、絶対に良い走りをするんだ!」

郁美はフーンといった表情で聞いていたが、

「それなら、私も楽しみにしているわ。私、ちょっとウォーミングアップしてくるから。じゃあ、またトラックのスタート地点で会いましょう」

と言い残して、自信満々で去っていった。


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