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魔法使いの断末魔  作者: かまぼこ太郎
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謎の男達-002

第二話-002


イラアは、国王軍との決戦に向けて、

風の吹き抜ける草原を一歩一歩進んでいた。


「無法地帯……

此処からは危ないから気をつけないとな、」


イラアは呟くように言い、

足を止めて草原の先を睨んだ。

風が、何かを警告するかのように吹き抜けていく。


彼の指先が無意識に震えていることに、イラア自身も気づいていなかった。

緊張ではない。――戦いの高揚が、すでに心に灯っていた。


すると、


ガサガサ、


何かが、草むらの中からゆっくりと姿を現した。

イラアはすぐに足を止め、身構える。

風が止み、空気が一瞬、重くなる。


「……ッ?!、イビルだと?!、」


——イビル、

それは魔王軍が人間を改造し、

モンスターへと変貌させた存在。

イラアは、この時ようやく自分が

無法地帯へと足を踏み入れていたことに気づく。


(……あの村を襲ったのも、こういうヤツだったな)


記憶の底に沈んでいた悲鳴が、一瞬だけ脳裏をよぎる。


「しょうがない、倒すしか….、うぉっ!」


突如、イビルが飛び蹴りを繰り出す。

イラアは反射的に剣を構え、

攻撃を受け止めると一気に距離を取る。


「ッ、セビロエウス!」


その声とともに、彼の手から黒い煙が噴き出した。

セビロエウス——第五歴史的高魔術。

黒煙で視界を封じる魔法だ。


イビルの視界が奪われた。


「……スキありっ!」


イラアの刃が音もなく走る。

イビルは一声あげる間もなく、黒煙の中で消滅した。


(倒すたびに、心が何かを失っていく。けど、立ち止まれない)


静寂の中、イラアは再び歩き出す。

気づけば、空はすっかり闇に染まっていた。


あたりを見渡すと、大きな岩がひとつ。

イラアはそのそばでキャンプの準備をし、

眠りに落ちようとしていた。


——その時。


……気配。背後から。


「?!、誰だ!」


振り返ると、そこには二人の男が立っていた。

イラアは即座に剣を抜き、警戒を露わにする。


男の一人が驚いた様子で言う。


「?!….、驚いたな。怒鳴るのはやめてくれ」


その時、もう一人の男が瞬間移動でもしたのかと

思うぐらいのスピードでイラアに向かって

剣を振りかざした。

イラアは男の存在に気づき、

瞬時にその一撃を受け止める。


キィン!、


「おい、佑月、何やってるんだ?!」


もう一人の男が止めても

男は笑みを浮かべた後、連続で打撃を放つ。


キィン!カン!キンッ!ガキィンッ!、


(斬撃が鋭い.....いや、“読み”がある。

この男、ただの剣士じゃない———訓練されている。何者だ?)


イラアは男に向かって言う。


「ッ、やはり敵と見ていいようだな、」


──To Be Continued.

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