#7味方
2047年 6月 グリス連合国 ロシア区
母親が死んでから何週間か経った。
今でもなんで殺されたのか考えている。
でも、母親もあまり記憶がないから、僕にとってどんな存在かもわからない。
こんな自分が悔しくて涙が出てきた。
そんな時に新しい任務の情報が送られてきた。
書かれていた話によると、世界政府のドイツ国長ミヒャエル・シュタイナーの指示で、アフリカ連合地区の国境付近を爆撃するという情報を協力者から手に入れた。これをグリス連合国の脅威と認定し、始末するという内容だ。
しかし、ドイツ国長は暗殺を見越して護衛を複数人つけていて、少人数での暗殺は困難を極める。
それにより今回の任務はTargetのほとんどの戦力が参加する大規模な作戦になる。
まずはロシアで合流してから明日にドイツに向かうらしい。
このあと合流するのは、第1支部から4人、第2支部から2人、第3支部から3人の9人だ。
ドイツにはグリス連合国を支持する特殊部隊である「Zialein」がいるため、保護してもらう算段だ。
ひとまず、合流地点に向かう。
すると、エリックが話しかけてきた。
「今回のターゲットってそんなにお偉いさんなのか?」
「それはそうに決まってる。国長だからドイツで一番偉いんだ。」
「それじゃあ、そいつ殺したらえらい騒ぎになるんじゃねぇのか?」
「いや、それは情報操作が行われて処理されるらしいから僕たちにはその後は関係ないらしい。」
「そうなのか...」
そんな話をしていると合流地点に着いた。
それぞれの支部のメンバーが集まっていて、リーダーによる自己紹介がされた。
「私たちは第1支部で、私の名前はソン・リーナ (宋丽娜)だ。よろしく。」
「俺たちは第2支部で、俺の名前はジャクソン・トーマスだぜ。これからみんなよろしくな。」
「僕たちは第3支部で、僕の名前はオラミデ・エグブヌです。よろしくお願いいたします。」
自己紹介が終わるとアレクサンダー長官が作戦について再度確認し始めた。
「もう知っていると思うが、今回はドイツ国長を暗殺する。」
「しかし、まずは国境を越えてもらわないといけない。」
「だから、国境線警備部隊を始末しろ。」
「だが、あくまで国境線の監視のためにあるため、部隊といっても小規模だ。」
「それを本部と第1支部のメンバーに任せてもらう。」
「敵の配置はZialeinから提供されるようになっているから、それをもとに部隊を倒せ。」
対人戦は初めてなので、訓練が別でまた行われる。
本当にうまくいくのだろうか。