表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Target±1 "(for)get enemy?"  作者: しっこく
+1."forget enemy"
6/9

#5椅子

2047年 5月 13日 世界政府加盟国・カナダ


今日が作戦決行日だ。

仮狙撃班と攻撃班に分かれて行う。

僕は仮狙撃班のアシストに配属された。

この役割は攻撃班に問題が発生した際に狙撃するのをアシストすることだ。

午前11時に開始予定だ。


そろそろだと思ったら、狙撃役のウィリアムズが話した。

「君は、訓練で人も撃っていないのに見ず知らずの敵国の偉い人を撃てるか?僕には少し難しいよ」

と、自信なさげに言った。

「僕も正直言うとできるかと言われたら、できないかもしれないかもしれない。でも、これは国を守る戦いだ。弱音は吐きたくないよ。」

「うん...わかった。やるのは僕だからね。」

そんな話をしていると、予定時間になった。


攻撃役のエリックが入室した。

ドアが閉じた瞬間、椅子に座っていた目標に向かって勢いよくナイフが投げられ、命中した。

しかし、致命傷には至らず、まだ死んでいない。

必死に抵抗しようと、負傷した部分手で抑えながら血を垂らしエリックに向かって歩いている。

ウィリアムズが狙撃の準備をしたが手が震えている。

「だめだ...できない...殺すなんて」

「大丈夫だ。僕がやるよ、貸して。」

銃は受け取ったが、いざ撃とうとするとなかなか撃てない。

誰もが訓練したからと人殺しがすんなりできるわけじゃない。

そんなことを考えていたら、ターゲットがエリックの上に倒れ込んでしまった。

「貴様...!よくも...よくも...!」

「子供だからなんだ!こんなの早く終わらせて殺してやる!」

「ウィリアムズ!早く撃て!」

無線から聞こえてきた。

もうやるしかない。

バーン!

その音はこの街によく響いた。

打った弾はターゲットの頭を貫通した。

「ターゲットを撃ち抜きました。これから帰ります。」

「わかった。これから、ヘリがやってくる。お前たちがいるところに着陸するから、待機しておけ。」

すると、アレックスがヘリに乗ってやってきた。

「早く乗って!」

その後長官とエリックが乗り、帰国した。

この事件はカナダ国長暗殺事件として呼ばれ、誰かに雇われた世界傭兵共有機構(GMSO)の傭兵の仕業で、それ以上の調査はしないことが決定したらしい。


ヘリの中で、長官が言った。

「ウィリアムズ、なぜお前は撃たなかった。いや、なぜ撃てなかった。」

「痛そうだったんです...苦しそうな顔をしていて、僕にはとても無理でした。」

「お前はいつから世界政府の人間だったんだ?あれほど訓練しておいて今更僕にはとても無理でしただと?その考えを直してから次の任務に参加しろ!」

ウィリアムズは何か悲しい顔をしていた。

僕はあくまで狙撃のアシストだが、彼にはその責任が重すぎただけだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ