#4任務
2047年 5月 世界政府加盟国・フィンランド,グリス連合国・ロシア区
Targetによく行くようになると世界政府直属教育学校から転校することになった。
そこで別れを惜しむ人はいなかった。
いつもの光景で慣れすぎていて、何も感じない。感じ取れない。
このようなことから転校する理由はすぐわかった。
転校先はグリス連合国直属の「Ausbil」という教育機関だ。
敵国の学校に行くのは危険だと判断したのかもしれない。
最後にふと思ったが最近何人か学校に来ていない。
不登校だろうとは思うが、あの事務総長の息子も来ていない。
それに比べて僕以外のTargetのメンバーは毎日欠かさず訓練を受けている。
「優遇されているくせに...」
嫉妬してはいけないのに妬ましく思ってしまう。
転校すると同時に今日は初めての任務だ。
子供を暗殺に出向かせる実験的な計画が行われる。
最初の任務は世界政府の障壁となっている世界政府加盟国カナダの国長オーウェン・デイビスを排除することだ。
作戦決行日、国長をWGSMに待機させる。
この時、Targetのメンバー1人とTarget関係者の大人を同行させ、親子を偽る。
そして、入室させるのはTargetのメンバー1人のみだ。
暗殺の方法は2パターンある。
1つ目のパターンは一人が、ナイフを持って暗殺する。
暗殺した後はその場で殺されていたと言う。
そのため、素早く行動しないと怪しまれてしまうので手短に済ませる。
2つ目のパターンは返り血がついてしまった場合の話だ。返り血がついてしまったら、ほかのTargetのメンバーが別の建物から狙撃し、窓に痕をつける。
そうすることで、別の場所からの狙撃により返り血がついてしまったと説得できる。
初めての任務なので、失敗すると国際問題に発展しかねない。
世界の命運を握っていると考えると緊張してきた。