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恋の前触れ  作者: ぺろにか
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アパレルショップ編

二人の男女が、原宿の駅に降りる。改札を出て、アパレルショップ店街に足を進める。

彼女の歩く速さから見ると、頻繁に訪れている事が分かる。

彼はというと、足取りの重さから乗り気では無いようだ。

暫く歩くと、女性が小走りになり、ショップのドアを開け、中に入って行く。

彼も後に続く。彼女が展示されている数々の服を物色し始める。

ショップブランドの傾向としては、デート服系統の10代~20代前半向けの

ブランドのようだ。彼女がハンガーに掛けてある。気になった服を手に取ると、

近くにいた男性店員が声を掛けて来る。彼女が困った表情をする。普段であれば、

会釈をして店を出ようとしている所なのだろう・・・今回は違った。

何故なら、男性店員の顔が好みのタイプだったからだ。

服の説明を聞くだけのつもりが、男性店員の人当たりの良い態度に押され、

とんとん拍子で試着する流れになる。今日のデートは彼女に取って、

完全なウィンドウショッピングだった為、彼に試着をしても良いかと聞く事にした。

「いい?これ?」少し離れた所で服を物色していた彼が、話を聞いていたのか。

「ああ、良いよ。」此方を見ずに如何にもかっこつけた様子で答える。

余裕を見せたいのであろう。彼女が試着室に入り着替え終え、カーテンを開くと、

試着室の目の前に彼が移動しており、男性店員の視界を遮る様に立っている。

「可愛いんじゃない。」男性店員がお世辞を言う前に褒めた様に見える。

彼女が、右手を手元に寄せ、笑いを堪える様に口元を隠す。男性店員が彼に同調する様に、彼女を褒める。しかし、男性店員は、お世辞では無かったようだ。

パンツのポケットからスマホを取り出し、ショップのSNSに画像を投稿しても良いかと聞いて来る。勿論、顔を隠した状態で撮った写真だ。彼女が、照れながらも、

満更でも無い表情で承諾する。写真を撮り終え確認し、了解の下、

SNSに画像がアップされた。すると、ショップSNSをフォローしている、

フォロワーから反応が有ったのだろう。満面の笑みでスマホを彼女に見せながら、

フォロワーの反応を逐一報告して来る。

その姿はまるで、新しい玩具を買い与えられた少年のようだ。

女性が男性店員の喜んでいる横顔を見て、心が少し踊った。

その瞬間、彼が彼女の手を掴み、会計場所まで足早に移動する。

彼が、「これ、買います。幾らですか。」彼の言葉に驚きながらも、

男性店員がレジ前に移動しレジを操作する。金額が提示される。

彼が財布からお金を出し会計すると、すぐさま店を出る。

男性店員が、困惑した表情で見送る。彼女が彼に手を引かれながら歩いている。

先程の男性店員に対するちょっとしたときめきが気に要らなかったのか、

彼の顔には多少の苛立ちが見て取れる。その顔を見た彼女が噴き出す様に笑い。

「お礼に、今日、好きな物作ってあげる。」彼女がそう言うと、彼が笑顔を見せる。

それを見た彼女が握っている手を・・・互いの指を絡ませる握り型に変えた。

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