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ロゼハウス




「さぁ、着きましたよ。」




転移魔法(テレポート)で一瞬にして移動し案内されたのは、正直今まで案内された物件はなんだったんたろうかと思わせるものだった。




豪邸よりはこじんまりとしながらも風格が感じられる立派なお屋敷。鉄で出来た気品感じられる門が待ち構えていて、その先には見上げる程大きい三階建ての邸宅が建っていた。




周りの敷地は背の高い柵で囲まれていて、西日に当たっている前庭には先程聞いた薔薇園と思われる場所に門の外にまで、薔薇の香りがしそうなほど綺麗に薔薇が咲き誇っている。





…だけど50年も人が入って居ないにしては劣化していない。




そう不審に思うも、もしここに住めたら素晴らしいだろうな、と同時に思う。僕がハーレムを築く為には、大きい御屋敷は不可欠だからね。





「凄いでしょう?」




僕達が屋敷に圧倒されていると、紹介屋が屋敷の前庭を見ては「相変わらず素晴らしい事だ。」と感心する。




「ここが本当に150ペイでいいのか?」



150ペイ。




今までお金を必要として来なかった僕には高いのか分からないけれど、会話を聞いてるとかなり安い方なのかもしれない。




「はい。もしここが誰にでも受け入れられる場所だったらきっと10倍はしたんでしょうが…50年、居ませんでしたからね。住むというのでしたら今日からでもいいくらいですよ。」




そう肩を竦める紹介屋さんは、




「良かったら中に入ってみますか?とは言っても、あれから私も案内しませんでしたから、お客様達が入れるかどうかは保証しませんが。」




そう言って門を押す紹介屋さんに、鉄の門はビクリともしない。




「俺がやってみよう。」




試しにノアが門を押せば、先程は動かなかった門はあっさりと内側に入る。




その様子にぽかん、と口を開ける紹介屋さんは門の内側に入ろうとするもなにか見えない壁が立ち塞がっているように門から先は一歩も踏み出せない。

代わりに僕はあっさりと門の内側に入る事が出来、ノアも続けて入れた。



「はぁ…残念ですが、私は拒まれているようですね…。

お客様二方で中を見て来てください。好きな様に見てくださって構いませんので。」



門の外側にいる紹介屋さんは、本当に心から残念そうだ。



「ではお言葉に甘えて。」



そう言って僕達は屋敷へ続く道を歩く。




「本当に立派だな。正直、もしここに住めればかなり幸運だ。」




そう言って敷地を見るノアは何となく楽しそうだ。

屋敷の入り口まで着くと、扉には鍵は掛けられてなかった。




遠慮なく扉を開けると、まず玄関(エントランス)の広さに圧倒される。中も外と同様、豪華で煌びやかだ。




「この広さだ、別々に見よう。」



そう提案するノアに僕は一も二もなく了承した。




ノアは1階を中心に回るというので、僕は玄関(エントランス)の奥にある階段をうきうきとしたテンションのまま駆け上がり、まず3階を見て回る。




3階は主に寝室になっていて5部屋あった。一番広い部屋には昔使われていたであろう10人は余裕で寝れそうな王様(キング)ベッドがど真ん中に鎮座している。




僕の部屋はここにしよう。




それから2階に降りると書斎、談話室と見られる広めのお部屋。そして脱衣所に続き、広い浴場。最後は立派な机とその前に革張りのソファがテーブルを挟んで向かい合って置かれた執務室の6部屋だった。




執務室に入りのソファのホコリを軽く払い、そこへ座っていると、1階を見終わったのかノアが顔を覗かせる。




「どうだった?」




ノアを手招きすると、ノアも同じようにソファへ向かい合ってすわる。





「1階は調理場と食堂、居室(きょしつ)、あと客間(ゲストルーム)と見られるお部屋が2部屋あった。……あともう1部屋あったんだが、鍵が掛けられていて入れなかったからそこが解体されたのかもな。地下室もあったが、何も無かったから元は倉庫だったのかもしれない。」




凄い。それ以外の言葉は出てこない。




「この値段でこれはかなりきな臭いが…正直何があろうが俺はここに決めたい。クロウドは?」




「僕はノアが気に入ったなら全然いいよー。」




ここなら、これから仲良くなった女の子を連れて帰っても余裕でお部屋余りそうだし。その言葉を言ってしまうと殴られるので口には出さない。




「よし、なら早速今日から契約しよう。」




「うん」




「契約してくるから適当に部屋を片付けてろ。」




はーい、と手を挙げればノアは早速と言わんばかりに執務室を出ていく。




そして無事に契約が決まり、僕達は住まいが見つかった。





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