ハーレムを作りにやって来た
おはようこんにちはこんばんははじめまして。
至らない点、色々とあると思いますが暇つぶし程度に読んで頂ければ幸いです。
『クロウド、女を侍らすのは男の浪漫だ。
だからお前も漢なら‥女の1人や2人、いやもっと沢山の女を守るのが、男の甲斐性ってもんだぜ?』
そう言った父親は‥魔物を狩り返り血を浴びたまま、それはそれは楽しそうに僕に語った。
だから僕は、その日からハーレムを目指した。
「ついに…ついに来た…!」
土ではなく隙間なく敷き詰められた石畳。街を囲むのは木々ではなく、芸術的なタイル張りの壁。唯一の商店ではなく、所狭しと並ぶ様々なお店。そして街を行き交うのは魔物や野生動物ではなく、一般的な人間や武装している人間、…あ!あれは猫人族!?獣人族に属されているが、猫人族特有の三角形の黒の耳に動く度にゆらゆらと動く尻尾が堪らなく可愛い。
僕が猫人族の姿を目で追い掛けていると、後ろからため息と共に頭に思い切り衝撃が走る。叩かれたのだ…そう瞬時に理解し、後ろの人物を思い切り睨む。
「ノアぁ…何するんだよぅ!」
「変質者め。もうすぐで検問なんだから大人しくしてろ。」
そう僕を軽蔑した目で見詰めて言うのは、僕と同じく人間。《ノア・サティーア》。僕をよく知る人物で、昔からの腐れ縁。そして村から出た僕を、「放っては置けない。お前を一人にしたら一日も経たずに死ぬ。」と心配して着いてきてくれた、僕の幼なじみだ。
スラリとした体型に中性的な顔立ち、僕より1つ歳下だけど僕よりちょっと高い背丈。浅葱色の髪色に、月みたいな綺麗で凛とした青みかがっている灰色の瞳に見下げられれば、僕はぐうの音も出ない。
大人しくその言葉に従い、まだ衝撃の残る頭を擦りながら自分の番を待つ事数分で、僕達の番がやって来た。検問は1人ずつだった為、ノアが先に済まし僕の番になる。
役人の指示に従い、僕は共通語で書類の記載に沿ってペンを走らせる。
クロウド・ルイーチ
16歳
男
人間
クロア村出身
そしてこの国…世界最大規模のダンジョンがある、迷宮都市・アンシスタを訪れた理由…それは…!
ハーレムを作る為!
そう書くも追い出されそうになったので、冒険者になるため、と書きました…はい。