詩もどきふたつ
・とり
とりになりたい
とりになって とおくへとんでいきたい
なんのこうかいもしない とりになりたい
だけど とりは うたえない
ことばで うたを つたえられない
それでもとりは ないている
ちちち と さえずっている
このとりは うたっているのかもしれない
とりになりたい
そうおもいながら からあげをほおばった
・ちょこ
ひえびえとしたくうきに ちょこのにおい
たべかけのちょこのにおいが ただよってくる
ちいさくなっていくちょこが
ちょっとだけだよ って
わたしのこころをいやしていく
おおきなひとつから ちいさくなるひとかけ
せかいにおいしいものは ほかにもたくさんある
それでもわたしは ちょこをたべる
ちょこれいとは めいし