第十七話 どうも太陽フォトリソグラフィーらしい
これ、ソードワールド分かる人とそうでない人で、全然、笑い所、わかんねーだろなーー、まーいっかー
朝食にて…。
難しい顔をしているリーナ姫。
喜び、喜び、不満、の三種がハイブリッドになっている
そんな顔だった。
「エレノア姫、
どうして起こしてくれなかったんです?」
言ってリーナ姫は涙目になった。
「陛下を二撃必殺して、子種を2度も流し込んで貰って
なんで、起こす必要があったんですか?」
紅茶を飲みながら
エレノア姫はツーンとした顔でそう言った。
エリン姫もロット姫も難しい顔をしている。
「この全員がちゃんと妊娠したら、
私も今度は陛下に
ビキニアーマーで迫ろうかしら?」
そんな物騒な事を真剣に考えて口にしてるロット姫。
「リーナ姫凄い…私も今度は
もっと頑張らないと…」
エリン姫もなんかそんな感じで真剣に考えている。
僕も流石に、2撃必殺、2分殺しを
リーナ姫に食らった事には
蒼白になるしかなかった…
男の尊厳にハートがクリティカルヒットでブレイク中だった。
っていうか、これ、本文パートに影響するんだナ…
最近のラスト部分は、ただの遊びだと思ってたのに…
「ううう、そりゃ子供さえ出来れば
国民に顔は立ちますからぁ…
出来ればいいんでしょうけれど
出来ればぁぁ
でも、その、なんていうか…
せっかくあんな格好までして頑張ったんですから
陛下に久しぶりに1対1で可愛がって貰うんなら
もうちょっと、その、沢山…
うううう…」
言って姫はよよよ、と泣く。
その姿に、しかしツーンとしてるエレノア姫。
「私が終わるまでは、我慢しなさい
とにかく、国民の目が痛いんです。
”はよ作れ”の目から、全員脱出しないと
陛下との、真の愛は始まりません!」
そうエレノア姫は一刀両断にした。
「うううう、ううう、
最後はエレノア姫なんですから
バシっと1回で決めて下さいね!
失敗しました、
仕方ないので1ヶ月待ちですとか
そんなのになったら地獄ですから…」
「そんな事、一番年上の私が
十分分かってます!」
そんな嫁達の微妙な会話。
「やっぱ、良く分かんないなぁ…
異世界から転生したからなのかなぁ…
王家の、その子供作らないと
国民の目が痛いっての…
うーん」
言って僕は頭を抱える。
「辞書にでも聞いてみたらどうなんですか!
貴方の元居た異世界での
王家ってどうだったのか!」
そうエレノア姫は不機嫌そうに言う。
「そっか、そうだねー
ちょっと辞書に聞いてみっかー」
僕は姫の言葉に、うーんという気分になり
ちょいと辞書にそれを尋ねてみた
国民の目が痛い、という感覚を
辞書
当然、同じである。
というよりも、
そっちの世界の方が遙かに温い。
「え?」
数多、例があるが、1つの例として
フランスのルイ13世の例で。
ルイ13世とその王妃アンヌ・ドートリッシュは
いわゆる分かり易い政略結婚であった。
背景として
ブルボン王家とハプスブルグ王家は
ヨーロッパで覇を競い合った王家であり
国で言えばフランス王家と神聖ローマ帝国王家は
不倶戴天の敵同士という関係ともいえた。
しかし王族の思考回路は簡単なモノではなく
王家の血筋バラマキで、どちらの王家が
その王国を支配する優先権があるか?
という視点からの争乱をするのであり、
ヨーロッパ王家は、そういう意味では
全王家が混血していたとも見える。
イギリス王家、フランス王家、ドイツ王家
イタリア王家、スペイン王家、ポルトガル王家は
スエーデン、デンマーク、諸々…
王族は互いに、国家間戦争をするにも関わらず
互いに王家同士が血縁関係者でもあり
血縁を理由に、国土の権利主張をし
どの王族が、どれだけの血筋の割合なので
そこに王として君臨するのが正統であるか?
という観点で国王即位の継承権を問題に
争うという事も普通であった。
当時、スペインはスペイン・ハプスブルグ家に
統治されており、
スペイン王家とフランス王家は不仲であった。
またその時までは
ブルボン王家とハプスブルグ王家は血縁関係を
持たなかった。
しかし、宗教革命での内乱が同時に起きていた
フランス王国内ではスペイン王国との対立を
得策としない政治的判断から、
スペイン王家との政略結婚による
対立の解消、及び、あわよくば
ハプスブルグ家と血縁になる事で
神聖ローマ帝国の皇帝に
フランス国王を戴冠させよう
という事まで長期的に考えての、
初のブルボン家とハプスブルグ家の
政略結婚が行われた。
(もっと詳しい詳細は省く。
ブルボン朝前時代まで
この話は遡ることになり、両王家の延々とした
血縁問題が絡んでのこの流れでもある)
これらの国情から、スペインの姫であった
アンヌは10歳で婚約を決められ
14歳で挙式となった。
「うひぃ…10歳で婚約、14歳で結婚…
恐ろしすぎる…政略結婚…
そうかー、そうなんかーー
自分の意志なんか、入り込む余地ないんかー
国同士の覇権の道具なんなーー」
この結婚は誰から見ても政略結婚であり
また、フランス王国としては、
何度も対立しては戦争をしてきた
スペイン王国や神聖ローマ帝国である。
国内でプロテスタントの内乱も
抱えている状況においては、
国民感情を含めて、貴族諸侯、同王家血筋に
婚姻が成就したのかという確認を求められ
外交的な問題においても
「性的関係が結ばれなかった場合には
婚約破棄もありうる」
という事もあり、
実際には、上手くいかなかったのだが
王と嫁いできた姫の初夜は、成功した
婚姻関係はこれで成立した、という事にして
それを対外的に『公的に発表』し、
国民や諸侯貴族に安心をさせるよう
あるいは長年の対立感情を緩和させるよう
政治的調整をしたのであった。
「…ちょ、王と姫様、初夜成功しましたとか
国民全員に報道されたんかいな…
こえぇぇよ、その感覚…
大きなお世話過ぎる…
国家対立の緩和の為に、
王と姫が、好むと好まざると結婚や性交を
迫られるんだねーーへーーーー」
婚姻が成就すえば、今度は子供を望まれた。
これは国民にという事ではなく
執政における下心の面か
その時期前後に、ルターからのプロテスタント革命
いわゆる「宗教戦争」が始っていき
それは次の時代で、本格的な戦争の形で大きくなって
「30年戦争」と呼ばれる長期戦争を起こし
神聖ローマ帝国を主国に周辺国を巻き込む
大争乱戦争に発展した。
ここで、内戦、外戦に見舞われた
神聖ローマ帝国の混乱を横目で見ていたフランス王国は
神聖ローマ帝国への介入支配を目論み始めた。、
そこで『パプスブルグ家の血筋』を持っている
『その王子を神聖ローマ帝国の王とさせるべき』
という大義名分で、ルイ13世を
神聖ローマ帝国の王に戴冠させる野望が生まれた。
それが宰相リシュリューの野望であった。
この為にも、アンヌが王位継承権を持つ
王子を生む事は、貴族諸侯、国民から
国家的下心を含めて望まれたのである。
結果として、
30年戦争へのフランスの介入は失敗し、
ルイ13世とアンヌも夫婦不仲になり
アンヌが流産を繰り返したのもあって
目論見そのものは頓挫した。
色々な目論見は上手く行かなかったが、
『奇跡的に』アンヌはルイ14世を
身籠もる事となり
後の絶対王政の代表格である
『太陽王ルイ14世』が生まれる事となった。
「うわぁ…ドロドロ過ぎる…
王子生まれたら継承権理由に
隣の国に侵略戦争とかするんか…
そりゃ、世継ぎが生まれるだけでいいわ
ぐらいで済ませてくれる
こっちの方が、まだ気が楽だな…」
僕はその『国家間侵略の下心』ゆえの
政略結婚と世継ぎ作りの話を見て
とても寂しい気持ちになった。
「国民の目が痛いって
その気持ち、分かりましたか!」
エレノア姫がそう言う。
「うん、こっちの世界の方がいいね…
うん、戦争する為に子供作っちゃいけないね。
夫婦で愛し合って、
国も戦争なんかで対立せずに、
円満にいきたいね、うん。
ともかく、僕は、嫁みんな
本気で心の底から愛するから。
うん、みんなで幸せになろう。」
僕は、『三銃士』という小説の
時代背景の話を読んで、
愛の大切さがよく分かった気がした。
ま、遺跡は探索し尽くされた場所で
観光地にもなっているという状況なんで
行くと成れば簡単だった。
準備とは”もしかしたら”という事への
調査道具の用意であった。
そして僕達はその場…
『鏡の間』と呼ばれる場所に入る。
ああ、天井が完全に解放されて
太陽の光が入るようになっており
そして、うん、なんかテレビで見た事のある、
巨大パラボラアンテナの様な?
アンテナじゃないけど、
曲面的に鏡が配置出来る間が
その『鏡の間』と呼ばれる場所だった。
鏡はロット姫が言うように、
無くなっているか、ほとんど壊れていて
『鏡がそこに大量に置かれていただろう』
という感じだけを残していた。
そして鏡、恐らく集光鏡の光が
集まるであろう場所を眺めて見ると
確かに、まるでレンズを置くかのような台座が
何個もの幾何学的な間隔で配置され
巨大なレンズはそこには無かったけど
その向こう側に、何かを設置する
台座のような作りのモノがあった。
「これは…決まりかも…」
僕はその様子を見てそう言った。
タラスもオールドも陛下も僕の言葉に頷く。
「しかし、ではどうするかね?」
陛下はそう尋ねてくる。
「ふむ…実験として
やってみる価値はあるかと
まずこの配置が集光鏡になるのか
鏡を沢山集めて、配置してみては」
そう僕は言ってみる。
「そうじゃの…
ともかく、やってみん事には
何ともいえんの…」
「見た感じ、1000枚ぐらいは
配置できそうですね…
鏡1枚1000銀貨としたら
100万銀貨…
うーむ…」
僕はぱぱっと必要経費をドンブリ勘定する。
1日の生活費が10銀貨…
これを仮に日本の1000円だと考えると
手鏡100銀貨なので1万円、
手鏡10枚ぐらいの大きさの鏡が
設置できそうなので、鏡1枚10万円
鏡1枚10万円か…
恐ろしいな、この世界の鏡の価値…
軍馬1頭1万銀貨なんだから
あっちの世界では100万円の価値…
いや、あっちで馬1頭って
100万円で買えるか?
どうなんだろう?
ともかく100万銀貨とすると
1銀貨100円だから1倍の
1億円になるのか…
おお、必要経費、1億円!!
冷静にレート換算するとスゲェな!
ミスリル銀とか呪文書の
貿易での金額のやり取りとかで
1000万銀貨、1億銀貨とか
書類上でザラなのを国庫との相談で
みんなで、やってきたモンだから…
銀貨総数の感覚、僕は今、麻痺してる!
とは言っても、そんな銀貨数を
普通にやり取りすると、
数えるだけで死ねるんで
等という書類上の価値で計算して、
物物交換で済むのは、
かなり物物交換してきたけど…
五大同盟だから、三角貿易も
ミスリル銀 → トーディ国銀貨証書
トーディ国銀貨証書 → ジーネン国農産物
トーディ国銀貨証書
→ トーディ国のジーネン国国土防衛契約書
と、ジーネン国が自国軍への軍備国費を使わず
軍事同盟で有事の際にトーディ国に軍隊貸し出しを
要求できるという契約書類を持つ事で
ジーネン国は農業開拓に専念できるという形で
『巨額な銀貨が回った事にした』という風に
しているのだ。
こういう形で三角貿易を回してるから
「銀貨を払った事にした!」という
そういう国書のやり取りで回しているので
実際の銀貨はそんなに回してない。
というか1億枚の銀貨とか、
そんなの真面目に輸送してたら
総数数えるのも、重さも色んな意味で死ねる。
でも冷静に考えると
その国書の価値って、あっちの貨幣で換算すると
1000万銀貨、1億銀貨って
10億円とか100億円って
そんな量になるんだな…
そう考えると、怖ぇぇぇ!!!
そんな金額を今まで国書で
仰々しい装飾絵と、
国璽の判子でやり取りしてたんか!
うぉぅ、こんなリアルな銀貨を使わないと
ダメかなって時になると、
紙というか、石版的な彫り物で
保存性を高めてた国書って
そんな価値的には、恐っろしいモノだったんだな!
むー
そりゃ、国だから国庫にゃ
リアルな銀貨もあるけどさ…
100万銀貨ぐらいは余裕であるけどさ…
リアル銀貨をボーンと出すのはちょっとな…
だいたい銀貨1枚20グラム
銀貨50枚で1キログラム
銀貨100枚2(Kg)
という事は100万銀貨 2万(kg)
20トン…
20トンの銀貨なんか、
どうやって売買交渉に使えばいいんだ…
頭痛が痛いな…
「タラス、どうなんだろう?
100万銀貨ぐらい鏡を買うとか…」
そう言って、もう国家宰相並になってる
タラスに相談してみる。
「実験で見込みがつくのなら、
100万銀貨でも安いかもしれませんが
秋の収穫が始まる時節…
色々とまだ、荒廃が収まってない
ジキスムントの国民に
不測の事態の発生で食料を与えるなどの
イレギュラーを考えますと…
国庫から、実銀貨を使うのは
確かに躊躇われますね…
何より、そんな数の鏡が直ぐに、
揃うかと言われると、それも…」
とタラスも僕の”悩ましい”といった所に
同じ様に頭を抱えるのだった。
「ちょっとお前さん方…
誰ぞ、忘れてはおらんかの?」
そう言って陛下がキュッキュと髭を弄ってた。
「陛下?」
その陛下の声かけに首を捻る僕
「のう、英雄王…
ワシ…一応…ドグルヌの国王なんじゃがの…」
言って陛下は苦笑いした。
僕はその言葉に瞬時に意味が分からずポカンとする。
「こんな面白そうな話じゃ…
ドグルヌ本国にテレポートで繋げて貰えるなら
ワシの一存で、ワシの国の国費…
というか、ワシ等の鏡職人の意地にかけさせて
ワシ等の国家事業で、させて貰いたいんじゃがの」
言って陛下はニヤリと笑う。
「へ、陛下!!」
僕はその言葉を聞いて騒然とした。
そうだ、僕は今、ドグルヌ国王陛下という
国を動かせる協力者の力を借りているのだ。
「お前さんの国の事じゃ
ワシ等が勝手にするわけにもいかんが
お前さんの許可があれば…の?
ならドワーフの職人として
国家を上げてする価値のある事じゃから
ワシは号令をかけるが…
どうかの? 英雄王よ?」
そう尋ねてくる陛下。
「も、もちろんです!
よ、喜んで!
…って、勝手に僕が決めちゃっていいのかな?
リーストッロ姫…」
と思わず即答しかけたけど、
よくよく考えると正統な国家継承権を
持つ人に聞いてないので、聞いてみる僕。
「あの…、貴方は私の旦那様…
そして国民が皆、認めるジキスムントの王ですよ?
そんなの私に聞かないで、貴方がしたい様に
して下さいな…」
言ってロット姫はちょっと膨れて首を縦に振る。
「じゃ、決まりじゃの…」
そう言って陛下が僕の背中を叩いて大笑いした
その時だった。
「デルゼン陛下…
そんな面白い話、貴方だけの独占事業にされると
少し私は面白くないのですがね…」
とその遺跡の広間に、僕達の所に
とぼとぼと歩いてきた人がいた…。
いや人じゃない…長い耳を持つ人…
あ、あれはエルフだ…
そう、ファンタジー物でよく見た、エルフさんだ。
その少し歳を取っている印象のエルフさんが
僕達の所にやってきたのだった。
「なんじゃい、よもやお前さんも来たんかい…
森にずっと引きこもるだけかと
思っておったら…」
そう言って陛下はそのエルフをみて笑った。
「星詠みをしてましてね…
すると星が囁いてくる…
何かが胎動していると…
それで、遠見の水晶でその何を探していたら
英雄王と呼ばれる方から、
面白い流れが見えましたのでね…
覗き見は悪いとは思ったんです…
でも、私も一国の王。
世界の大変化の予兆、見逃すわけには
いきませんので…」
そう言って、そのエルフは笑う。
「で、森の国から出てきたというんかい
精霊王ヨーシャス…」
そう言って陛下はニヤリと笑う。
「え!?あの伝説の魔導師!?
精霊王ヨーシャス陛下!?」
その名前を耳にして驚くタリス。
「え?誰?誰?」
僕は初めて聞く名に、オロオロする。
「エルフの王にして言語魔導と精霊魔導を
極めし精霊王ヨーシャス陛下!?
こ、この方がそうなのですか!
デルゼン陛下!!」
エレノア姫が、そう言って陛下に尋ねる。
「そうじゃよ…
人間の世界に感心を1つも持たん
エルフの引きこもり…
その頂点じゃったハズじゃが…
さて、その最も動かぬ男が
ここに来たとは、どう解釈すればいいのかの?」
陛下はそう言ってエルフの王を挑発的に見る。
「世界はどうやら
変わらなければならないようだ…
なら、変化を何処かで拒んでいた我々も
もう逃げるわけにはいきますまい…
私の国もデルゼン陛下の国家事業に
参加したく思います。
とは言っても、私だけの単独参加で
良いような気もしますがね…
事が事ですし…」
そうエルフ王は言った。
「ほぉ、変われば変わるモンじゃの
あの世界に無関心だったエルフの王も…
で、どう参加してくれるんかの?
精霊王…」
陛下はそのエルフ王の言葉を受けてニヤリと笑う。
「テレポートでは面倒でしょう?
私がここと貴方の国に、『ゲート』を開きます
それでどうでしょうか?」
そう言ってエルフ王は笑った。
「ほっほう!エルフの王直々に
直通路を作ってるれるとかの!
それは有り難い…
それなら、是非とも、協力お願いするかの」
言って二人は互いにニヤリと笑ったのだった。
エルフの王曰く、”晶石”の生成法の再発見は
世界的にみて危険ではあるが、
しかし同時に世を革新する可能性も絶大だと語った。
ならば自分も森の奥にいるよりは、
あえて革新の中心に居るべきだろうとの事だった。
ともあれドワーフの王の号令の元に、
ドワーフの鏡職人が集まり、鏡を集めては
『ディメンジョン・ゲート』の魔法で
物資が輸送される。
急ピッチで掃除と、補修作業が行われる遺跡。
そしてそこに鏡が設置され、様子を見る。
そう、正午の12時あたりに太陽が昇ったときに
鏡から1つめの台座に板を掲げてみれば
板が焦げるほどの光が集光されていた。
さて、これからどうしようか…。
不意に辞書に
それを尋ねると
何故か辞書が流暢に語り出し…
語るというか、
辞書が考えだしたというか…
「太陽定数は1366 W/m^2
平行光故に、
逆2条分散減衰は起きないと想定、
鏡がスズメッキであると想定
反射率平均60%と期待
集光点が完全一致と仮定すると
1366*0.6*1000 = 819.6 Kw/m^2
鏡面積が 50cm * 50cm と仮定すると
0.25 m^2
819.6 * 0.25 = 204.9 KW
直径10cm のレンズが 焦点距離 f= 10cm
において、直径 1mmの集光点を作った場合
(0.5*10^(-3))^2 *3.1415 = 0.25*3.1415 * 10^(-6)m^2
0.78*10^(-6) [m^2] の面積において
この時の光パワー密度が 1kW/cm^2 らしいので
エネルギー換算 100cm = 1m : 100*100 = 1*1
1m^2 = 10^4 cm^2
換算変換
1kW/cm^2 = 10^3*10^4 = 10^7 = 10 MW / m^2
実エネルギーは、エネルギーパワー密度×面積より
10*(10^6)*0.78*10(^(-6)) = 7.8 W
この状態以下では、レンズ照射で紙が燃えるという。
紙を燃やすのに必要な実エネルギーが
推定 7.8 W で、光パワー密度が 10 MW /m^2 であり
紙発火温度が 450 度なので
ワット換算あるいは、照射時間も考慮に入れても
数秒の照射でジュール換算しても、
その状態で450度に到達すると想定できる。
鏡1000枚が、集光点において
奇跡的にエネルギー損失が起きなければ
集光点でのベースエネルギーは、204.9 KW
光を集中化させれば出来なくもないか…
オパール、いわゆる 石である、二酸化ケイ素
っていうか、トパーズと勘違いしてたよ。
オパールってこっちの石か!
二酸化ケイ素で石英にはならない非結晶。
アモルファス性質。
アモルファスかよ。
石のアモルファス性質の中に水分が含有。
アモルファス二酸化ケイ素ベースに
10%程度の水分が含有した石を
オパールと呼ぶ。
基礎構成物質は二酸化ケイ素と判断。
二酸化ケイ素(いわゆる石)
融点1650度。
融点1650度の材質を局所融解…。
どう考えてもレーザーの
パワー密度が要るな…
うーむ…
集光光を入射光角度毎に平行光に
コリメートするコリメート装置が必要。
集光光を角度毎に鏡で第二反射させて
平行光化し、それをレンズで収束。
1000個のレンズ集光を1点に集めて
更に絞り込む…などの方法論が必要。
こっちの世界でも、
そんな幾何の厳しい構造作ったら、血反吐吐くわ。
それ作ったら、どんだけ金がかかるねん。
太陽の時間による照射角度の
位置移動を考えるとそんなの非現実的の極値。
レーザー作った方が、むしろ楽だったな。
この時代にレーザー?
無理ゲー過ぎる…
1点に集めた集光光を、平行光に変換する
『魔法の様な物質』の存在の必要性有り。
結局、魔法頼りか…。
集光点の光を『平行光』に変換する
コリメータ装置という、光学物理的に
不可解な『魔法変換物質』の必要性有り。
求む、そんなおかしな、光学変換装置」
と、なんかよく分からない事を
えらい不思議な口調で言われた。
「えーっと、どういう事で?」
僕はもう一度尋ねる。
辞書曰く
「集光した光を
レーザーの様に真っ直ぐな光に変換する
とても都合の良い『魔法変換物質』が無いと
そっから、融解型フォトリソグラフィーは
できないって事よ!
そこのエルフの魔法使いにでも頼め!」
とか、あれ?
クールだった辞書さん、
今日は随分、人間的に話してくるな…
まるで名も無き神の様だ…
「えーっと、辞書に、かくかくしかじかと
言われたんですが…」
僕は恐る恐る、エルフの王にそんな事を言ってみた。
「うーん、やってみなければ、わかりませんが…
ともかく、やってみましょう…
レベル10魔法 (詠唱呪文省略)
『インテグレート』!」
と、エルフ王がその魔法を唱えたとき
50cm立方のキューブが生成された。
「これは…」
「ちょっと設置してみますか?」
「ですね…」
そうして、そのキューブを集光点に置いてみると…
光が当たった逆の面から、
直径10cmのレーザーの様な白い光の輝線が走った。
これヤバイ。
これ木の板とか当てると
楽勝で焦げて燃えていく。
なんかレーザーの様なモノを作ることができたみたい!!
辞書
「そんなインチキなレーザーは、
こっちの現実には、ねーなー。
白色の全波長入ってるんで
それを普通はレーザーとは呼ばんしな…
そんな不可思議なモン、簡単に作れたら
どんだけ太陽応用の光学が楽になるんだか…」
神剣
『これ、コールゴッドで呼びつけて作らせないと
無理なレベルの魔法物質じゃねーの?
インテグレートで出来るとかじゃ
インテグレートで何でも作れるじゃない』
辞書
「デスヨネー」
そんな2者の雑談があったなど
僕は知らなかった。
ともかくそのレーザーの様な光を使って
更にデルゼン陛下のレンズを、壁面に置いて
光を絞って見ると…
「おおお!?」
その様子にみんなが驚く。
石がその光で妙な焦げた臭いを発しながら
融けていったのだった。
うおうヤバイ! かなりヤバイ! このレンズ集光!!
そして、そうか、この真っ直ぐな
直径10cmの光路の真ん中に
微細な文字の版画を置けば、
それが光マスクになって
光形状パターンだけが透過していく…
それで、光熱による
微細な文字書き込みが出来るのか!
辞書
「光の回折作用発生とか、どうなんかな…
まぁ、所詮マイクロメーターレベルの
微細加工なら、なんとかなるんかな…
ナノオーダーが必要なわけじゃないし…」
とか辞書が小声で、喋っていたとかあったけど。
ともかく、焼き付け用の版画制作も
デルゼン陛下が大きさを検討して
「うむ、この程度の大きさなら、
拡大鏡を使ってワシ等職人が、
金属板を彫って穴空けもできるじゃろうて…
ちょっと、試作をしてみるしかないの…」
と、やれそうな感覚に拳を振るわせる。
ともかく、太陽を使ったフォトリソグラフィーは
なんとか装置として出来そうな予感がした。
そして太陽が、正午から、位置をずらすと…
「ああ、鏡の位置の問題で、時間制限があるのか…
そうか、ずーっと、使えるってわけじゃなく
時間制限があるんだ…」
と、流石に、万能永久施設ではない事を理解する。
それでも、”晶石”の再製法は、後一歩の様だった。
辞書
「まぁ本当のフォトリソグラフィーなんか
この世界じゃ、とても扱いきれんしな…
アルゴンフッ素レーザーの作成も無理だし
溶解させる為のエッチング液なんか
猛毒の塊なんだから
廃液扱いの安全性の為に
物凄いプロテクト設備が要るしな…
顕微レーザー加工ができん限り
宝石の上に融解熱加工とか、無理ゲーやな。
魔法様々ですね、ええ」
と、辞書が呟いたの等、
僕は聞き逃すしかないのだった。
そして僕は王城に帰り、さぁこれから
いよいよ”晶石”が作れるだろうか?
と考えていた時、”声”が不意に聞こえてきた。
『よぉ…おもろい転生者』
「え?」
僕はその声に驚く。
神剣
『なんかな、凄く面白いんで
話がしたいと言うから、ちょっと
私を媒介にアレと繋げてみた』
「え!?何と!?」
神剣が不可解な事をいい、
そして聞いた事もない声で語りかけてくる
それに僕はポカンとする。
『ああ、俺?
俺、神様…
あーー、原始の神とか
ああいう、ガチの神じゃなくて
力の神って、この世界に神霊魔導を
使わせてやる為の、システムみたいな?
そんな力の神って、ちゅーと半端な存在の神。
だけど、まぁ、人間から見れば超人だから
一応、神様、うん、神様』
とか素っ頓狂な事をソレは言ってきた。
「ああ、はい、ああ
そうですか…
えっと、法令神とか、大地母神とか
そんな感じの僧侶の神で?」
『うんうん、そうそう
それそれ。それの1人』
と、随分、軽く話しかけてくる神様らしいそれ。
「えっと、で、何の神様で?
何の御用で?」
僕は、何か、
とても不思議な気持ちになってそう尋ねた。
『ああ、俺、自由の神。
自由に生きるのを良しとする神。
自由神。』
「自由神!?」
僕は、素っ頓狂な事を保護するという
その神の自己宣言に驚くしかなかった。
『なぁ君…
俺の自由の神の一団に入らないか?』
とか、それは、凄く軽い感じで、そう言ってきた。
「は?
なんすかその
やぁ君、良い体してるね?自衛隊に入らないか?
みたいな、気軽な勧誘!?
それ、神が直接、個人に語りかけてくる事なんすか!」
僕はそんな、軽すぎる神に声を上げるしかなかった。
『いや、だって俺、自由神だし!
フリーダムが俺の信条だし!
でもね、こう、もう何年もね、
俺の主張する自由ってのを理解しない
微妙な信徒ばっかりで困ってたんよ。
で、お前さん見てたらね…
おう!コイツのしてる事、俺の自由の主張そのもの!
って思ったんでね、勧誘しにきた!』
とか凄い事をいうその神。
「えーー!?
そんな軽い感じで神様、勧誘してくるんです!?」
僕はその言葉に唖然とした。
『だって、ねーーー
フリーダムが俺の信条ですし!
君、なんていうかね、あの、
既存の既成概念にとらわれずに、
世界に新しい事をもたらしてる、そのフリーダムさ?
それ、俺の主張そのものよ!
俺の主張に、クリティカルヒットなんよ!
この世の中のサー、法令神みたいな
あの馬鹿兄貴の言う、法律ばっかりで
世界、ガチガチに縛ったら、発展とかないじゃん?
法も確かに大事だけどね、うん。
でも法で世の中を全部決めたら、
拡がりが無くなるんよ…
だからね、君、俺の宗派に入らない?』
「は?貴方、法令神の弟さんで?」
『ああ、うんそう。
双子だけどね。
あっちの方が先に生まれたって言うんで
まぁ、それならそれでいいかって。
俺、法令神の弟、自由神』
「ああ、はぁ…
法律の神の弟が、自由の神って…
双子神…なんか、分かる様でワカランような…」
僕は、本当にフリーダムなその神の言葉に
ただ呆れるしかなかった。
『まぁ、無理にね、勧誘するのも
俺の自由の主張と異なるんで…
入るかどうか決めるのも、それも自由だけど…
こう、世界を、良い方向に変えよう
その為には、既存の事以外の事をしようって
その精神、すっごく気に入ったんでね!
それが、俺が言ってるフリーダムやろ!ってね!
だから、こう、勧誘してみたん
ダメっすかね?』
そう、フレンドリーに言ってくる自由神。
なんだこの自由さは!
神様これでいいかよ!
「ああ、まぁ
僕のは、ただの異世界チートですけど
そんなんでも、自由って思って貰えるんすか?」
とか神様と凄く適当に話し合う僕。
『チートとか、そんなん、どうでもええやろ?
異世界転生?
自由すぎて、おもろいやん!
んでも、その力も使わずにウジウジして
この世界でも埋没してたんなら
そりゃ勧誘もせんわーー
しかしお前さんは、この世界を変えよう!
新しい自由をもたらそうって、頑張ってるやん
それね
大事な事と思うんよ、俺の教義的には…
だからね、どう?』
「はぁ、ちょ、ちょっと
考えさせて貰っていいですか?」
僕は、あんまりにも面白いその神様に
苦笑いを浮かべるしかなかった。
『まぁ無理して、光神剣頼って繋いでるしさ…
兄貴が、なんか、どうよそれ? みたいな目で
今、睨んでるし…
今日は、ここら辺で切り上げるけど…
まぁ、僧侶の力、お試し、一ヶ月で
借り貸与してみっから、ちょっと考えてみてな?
ね?
じゃーねー!』
と、そんな事を一方的に言って
その自由神は去って行ったのだった…。
なんてフリーダムな神なんだ!
そんな神、居ていいのかよ! 自由神とか!
「どうなん?あれは…」
『まぁ、アイツは基本的に、ああいう奴なんでな。
あれがアレの一番重要な特徴だから、
まぁ、いいかなって…』
と流す神剣。
へーーー、神様に直接勧誘されて、僧侶の力
一時的に貸与されちゃった…
へーーーーーーー。
キュア・ウーンズとか使ってみっか?
で、ちょっと夕食の時にエレノアに聞いてみる。
「あのー、なんか自由神ってのに
俺の教団に入らないって勧誘されたんだけど…」
と
「まぁ貴方!
神から直接ディビネーションですか!
凄いじゃないですか!
こちらから祈らないと
普通は、そんな事おきないのに!」
という返事。
ディビネーションとは、神に祈りを捧げると
神が抽象的な言葉で方向性を示唆してくれるという
そういうものらしい。
ちゅ、抽象的?
あ、あれが!?
「そ、そうなのか…凄い事なのか…
なんか神剣が、勧誘したいから繋いだとか…」
言って僕は神剣を見る。
『………』
「流石、神剣の主。神の方から勧誘してくるなんて!
でも、自由神? 聞いた事ないですね…」
言ってエレノアは首を傾げた。
「法令神の弟とか言ってたよ?」
僕はそう言う。
「法令神の弟? それが自由神?
なんか対称的ですね…
でも、らしいといえば、らしいですか…
法令神に弟神が居たなんて
知りませんでしたけど…」
とエレノアは更に首を捻る。
「なんかね、
僕が自由に国民を新しい世界に導いている、
そういう自由さが、
自分の教義を体現してるらしくって…
その自由さを買われたらしい…」
と僕は、あの超お気楽さに笑うしかなかった。
もうあんなにフリーダムだと、
遊びの神でも通るよな…
「ふーむ…クラフトの神の様な、
マイナー神なんでしょうかねぇ…
力の神の様な、
神霊魔導を与えてくれる神ではなく」
そう彼女は首を捻る。
「そういえば、
力の神様って、どんな神様がいるの?」
僕はそう尋ねた。
「うーん、実の所、クラフトの神とかも
知恵の神という位置付けですけれど、
本当は力の神なので、
そんなマイナー神も
神霊魔導を使わせて貰えれるんですけれど…
明確に、知られているのは六大神。
法令神、大地母神、知識神、商売神、戦神
そして…邪神ですね…」
とエレノアは語った。
「邪神?」
僕はその神の名を聞いて難しい顔になる。
「古の光と闇の原始の神が
世界を作りながら闘っていた時に、
闇の神の下僕として生まれた神。
邪神と呼ばれる
魔族に崇拝される神がいるのです。
我々にとって、もっとも忌むべき神ですね」
そうエレノアは言う。
「ふーん魔族の崇める邪神ねぇ…
じゃぁ僕が戦わないといけないのって
ファンタジーのゲームでなら
最後はその邪神って事なんかね?」
言って僕は戯けた。
その言葉に不意に神剣が笑った。
『ハッハッハ、そうかもな…』
「貴方…邪神とはいえ、力の神です。
原始の神じゃあるまいし。
神剣といえど、力の神を討つことはできませんよ?
ただ、魔族の王…
いわゆる『魔王』ですか…
貴方の持つ、『神剣』と対の力を持つ『魔剣』を持つ
魔王とは、貴方は何時か、戦わなければならない日が
来るかもしれませんね…」
そう彼女は言う。
「魔王か…やっぱいるんだな…
そんなの…」
そう僕は呟いた。
「居ます!
今はお互い、前の人魔大戦で疲弊して
休戦状態になっていますけれど…
やがて力を取り戻した魔族が攻めて来たら
その時には、貴方は本来の職務…
『神剣』での、魔王との戦いと人類の保護を
して貰わないといけないんですから…
貴方は人類にとって、切り札なんですから
それは忘れないで下さいね!」
と少し怒ったように言うエレノア。
「ふむ…いつか、戦わないといけない時か…
神剣だけに頼ってちゃいけないな…
もっとデルゼン陛下に鍛えて貰わないとな…
なら、ついでに、その自由の神とかに入信して、
僕も神霊魔導が使えるようになれたら、
いいかもな…」
と僕は、いつ来るのかも分からない
”来るべき時”に備えて
神霊魔導の習得を考えてしまった。
「そうですね。備えあれば憂い無しですし。
神霊魔導を使えるようになっておくのも
いいかもしれません…
そりゃ、私達は夫婦ですし…
エリン姫も大地母神の信徒になったので
夫婦みんな大地母神に入信してくれる方が
私は嬉しいですけれど…
自由神…
聞いた事のないマイナーな神様ですけど
それって、貴方のしている事の教義神としては
一番似合っているかもしれませんね?
自由に、世界に愛と喜びを広げる信徒…
そんな宗派なら、私達、大地母神とは
上手くやれそうです」
言って彼女は、はにかんだ。
「そっか…自由神か…
世界に自由をねぇ…それもアリかな…」
と僕は、神霊魔導を取得するなら
世界に自由を広げる神が教義神というのも
アリなのかなと思い始めた。
あんな、人間に気さくに話してくる
スーパーフリーダムな神様じゃ
入信者の方が神様を選びそうな気もするけれど…。
僕は、ともかく神霊魔導を習得してみようかと
思い始めたのだった…。
そして…最後の姫が
夜のベッドで怪しい笑みを浮かべているのだった。
「一ヶ月待ちました…
もう体が疼いて疼いて…
この日をいくら待ったのか…」
と、頬に手を当てて真っ赤になって
そういうエレノア姫。
「あの、姫、僧侶なんだから
そういうの戒律的にはどうなん?
節度とか、そんなの」
と僕は聞いてみる。
「大地母神は、夫婦の熱愛奨励。
子作り奨励の農耕系愛情神ですよ?
ラブアンドピースが教義です」
「僕の元居た世界の、どこぞの戒律の強い宗教に
それ聞かせてやりたいわ…
つか、あの宗教、夫婦での子作りは大奨励だっけ?
不倫がアウトなだけか…
でもシスターはNGだった気が…」
「まぁ何でもいいです。
子作りしましょう、貴方♪」
「そんなに世間の目が辛いですか!
19歳のピチピチ、おっぱいお姉さん!
あっちの世界じゃ、そんな事言われて
撃沈しない奴ぁいませんぞ!」
「世間の目も厳しいですし、
私の信仰神は大地母神ですからね!
愛する夫の伴侶になったら
はよ子を作れや!が教義なんです!」
「おっかしいなぁ…
どっかのロー○ス島とかいうのの
国土になってた女神は
暗黒女神と殺し合うぐらい
武闘派だったのにナァ…」
「ここは、フォーシー
ここは、フォーシー
似てるだけです」
「そうですね、似てるだけですね」
「もう、そんなに焦らさないで下さい!
私を熱愛と快楽漬けにした貴方が
どうしてそんなイケズするんですか!」
「初めての時に、
ボロクソにされた記憶あるんですが
気のせいですかね!」
「でしたっけ?」
「で、その格好は?」
「いえ、私も頑張ってみようかと…」
そして僕は姫の格好を見る。
うん、思ったよりは素っ頓狂な衣装ではなかった。
僧侶系の服装ではある。
問題なのは、僧侶系の服の癖に、
凄いミニスカで生足ハァハァの
僧侶服に喧嘩売ってるんかい!って感じな事か。
こんなエロシスターいたら、普通に襲うわ!
みたいな、上と下のギャップがね…
っていうか、上も直ぐに脱がせそうな
あんた僧侶に喧嘩売ってるやろ?的な。
「傾国の美女って言葉、御存知ですか?」
「いえ?あまり聞いた事がありませんね」
「どうも僕の嫁は4人とも
傾国の美女くさいんですが、
どうしてこの国
滅亡しないんですかね?」
「貴方の人徳のおかげかと!」
「もういいよ!
しこたま、子作り頑張るよ、ヒャッハー!」
「貴方、素敵! 大好きです!!」
ルパンダイブをした僕を両手を広げて
迎えるエレノア姫。
さぁ今日でラストだ、頑張ろう!
で…名も無き神様
更に改良してきたんよね…ルール
「アレ改Ⅲ」
どうなんよ、改善は。
(低レベルは、それなりに地獄感あって
面白かったで!
問題は、高レベル用に強化した
ルールがどうなるかやな!
まぁ魅惑の肉体に対抗する
措置は取ったから、
高レベルファイトはやってみるしか!)
これ、本編なんすけど
その適当さ、どうなんすかwww
(まぁここは、後で全部カットしても
本編には、そんなに影響ないしね!!)
朝の冒頭会話で、まんま、
この結果を使ってるじゃねーかよ!
(いや、やっぱリプレイも投稿アリっていうんだから
こういうのも、アリやろ!)
ソロプレイ以下の1人プレイで何言ってんだww
(だって、ソード○ールドでキャラシート作るの
懐かしかったんだもんwwww)
もういいよ!ファイトでゴーでwww
(あい、じゃぁ基礎データ生成)
累積ラブポイント
僕 500オーバー
エレシア姫 500オーバー
ダメージ減少互いに0
攻撃値
僕
アレ技能+知力ボーナス
6+3 = 9 => 2d6+9
エレシア姫
アレ技能+知力ボーナス+ミニスカ僧侶服(+1と評価)
4+3+1 = 8 => 2d6+8
その衣装設定の判定って適当よな
(デスヨー)
回避値
僕
アレ技能+精神力ボーナス
6+3 = 9 => 2d6+9
エレシア姫
アレ技能+精神力ボーナス
4+3 = 7 => 2d6+7
姫魅惑の肉体補正 +5
お預け疼き補正 +6
僕 敏捷値 17
エレシア姫 敏捷値 19
常時先行エレシア姫
エレシア姫も敏捷値19もあるんかよww
ちょっと、経験点使って、能力値上げてよww
僕、主人公なんですけどwww
まぁいいや!戦闘開始!
-----------------------------------
ラウンド1
姫攻撃 2d6+8 > 6+8 = 14
僕回避 2d6+9 > 4+9 = 13
攻撃成功
手段:ハイ合体 (4/18)
ダメージ 7(10)+7(10)+3(5)+4+3+5 = 29 (29/22)
「ちょっwww
1ラウンド目から合体って何してくれるん姫!!
っていうか、
何で二回もクリティカル回してるんww
29点って一撃必殺やがなwww
これマジでダイスの目なんで笑うしかねぇww」
「愛に溺れる嫁には、小細工は要らないのです!
一撃妊娠!それ以外、必要無し!」
「せっぱ、つまりすぎやろwww
1ラウンド目から気絶判定だよ!
この、おっぱい傾国の美女がww」
「大丈夫、疼きモード変則ルールで
最初から気分高揚状態なんで、
カウンターもフルパワーでよろしくてよ?貴方
当然、回避放棄で!」
(それ面白いから採用)
「ちょwwwGMwww」
合体時自動攻撃発生
僕攻撃 2d6+9 > 8+9 = 17
姫回避放棄
攻撃成功
手段:超合体 (33/22)
ダメージ 5(7)+6+2+6 = 19 (23/18)
「カウンターでどっちも相打ち一撃必殺とか
これ、どんなシーンなんやねんww
それも僕、オーバーキルされてるしww」
「愛は常に一撃必殺です!」
「聞いた事ねぇよwww」
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 6+3-11 = -2
僕気絶判定
2d6-2 => 8-2 = 6 < 7
絶頂:気絶
精神力 -2 (精神力上限 22 > 20 へ)
僕累計ラブダメージ 29+10 = 39
「やはりオーバーキルで気絶か…」
そう言って僕は気絶した…
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 4+3-5 = 2
姫気絶判定
2d6+2 => 10+2 = 12 > 7
絶頂:気絶回避
精神力 -2 (精神力上限 18 > 16 へ)
姫累計ラブダメージ 19+10 = 29
エレシア姫はトランスファー・メンタルパワーを唱えた。
エレシア姫精神力上限 16 > 15
僕精神力上限 20 > 21
僕、気絶から回復して起きる。
「ちょwww 何、起こしてるんww
メンタルパワー1点まで使ってwww
目的はもう済んでるがなwww
これで終わりじゃダメなんwww」
「1ヶ月も我慢させられた
嫁の欲望が1ラウンドで
終われるわけがないでしょう!!」
「あんたホントに僧侶なのかよwww」
「愛と慈愛を信仰する僧侶なのです!」
「それ情欲じゃね?
それ、ただの性愛なだけじゃね?」
「愛なら、なんでもいいんですよ!愛なら!」
「この嫁怖いwww
マジ、傾国の美女ww
マジでこの国傾くわww」
-----------------------------------
ラウンド2
姫攻撃 2d6+8 > 6+8 = 14
僕回避 2d6+9 > 7+9 = 16
攻撃失敗
手段:継続ハイ合体 (4/15)
ダメージ 2(8)+4+3+5 = 14 (14/21)
「何回避してるんですか!
この夫婦愛なら、回避拒否でしょ!」
「回避して0レーティングに落としても
14点の素食らいよ!!
なにこの魅惑の肉体+5ってボーナス
狂ってるやろww」
「超美人のおっぱいバーンさんに
全力で愛されたらメロメロになるのは
当たり前じゃないですか!!」
「説得力だけはある!www」
合体時自動攻撃発生
僕攻撃 2d6+9 > 12+9 = 21
姫回避放棄
6ゾロ自動攻撃成功
「これピンゾロ回避失敗か
6ゾロ攻撃成功したら+10点とか
そういうルールでいいんじゃないですかね?
ダメージ防御無し状態じゃ
6ゼロ成功無意味ですし(エレシア姫)」
(おもしろい、それ採用)
「ちょwww」
手段:継続超合体 (18/21)
ダメージ 4(6)+6+2+6+10 = 28 (32/15)
「だから一撃必殺になるって言ったやん!!
28点とか、なんやねんww
クリットでもないのに、どうなん!!」
「もう2分で二回も気絶判定とか
どうなんですか貴方!」
「こっちが聞きたいよ!!」
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 4+3-17 = -10
姫気絶判定
2d6-10 => 10-10 = 0 < 7
絶頂:気絶
精神力 -2 (精神力上限 15 > 13 へ)
姫累計ラブダメージ 28+10 = 38
「終わったか…
あの、最初からギリギリの戦いをさせられた
おっぱい姫さんが
遂にはこんな恐ろしい人に…」
援軍が現れた
エリン姫、エレシア姫に
トランスファー・メンタルパワー
エレシア姫は起きた。精神点ついでに1点回復
エレシア姫精神力 13 > 14
「ちょwwエリン姫、何してるん!!www」
「いえ、前からお世話になってるんで
恩返しにと(エリン姫)」
「ありがとうエリン姫(エレシア姫)」
「起きた-!淫乱僧侶起きたーー!」
「終わりませんよ!まだまだ!」
「傾国!傾国!!
ジキスムント、絶対に滅びる!!」
-----------------------------------
ラウンド3
姫攻撃 2d6+8 > 10+8 = 18
僕回避 2d6+9 > 7+9 = 16
攻撃成功
手段:継続ハイ合体 (4/14)
ダメージ 5(8)+4+3+5 = 18 (36/21)
「だからなんで回避してるんですか!」
「回避して0レーティングにせんと
死ぬからさって基礎点だけで11点だから
0レーティングでもピンゾロじゃないと
死ぬしかなかったんですがね!!
18点だから
やっぱり死にましたけどねwww
何このオーバーキルwww」
「ふふふ、私の愛の深さが分かりましたか!」
「これ、どんなシーンなんやねんww
この数字を文章表現したならww
どんなシーンになるの!!」
合体時自動攻撃発生
僕攻撃 2d6+9 > 6+9 = 15
姫回避放棄
攻撃成功
ダメージ 9(11)+3(5)+6+2+6 = 26 (30/14)
「ここでクリットの出目11なんか出るかww
これマジでダイスの目なんですけどwww」
「キャーー貴方、素敵ぃぃぃ!!
どっちもオーバーキル気味です!!
同時に果てるとか
最高の夫婦じゃないですかーー!!」
「これ信じて貰えるんかの…
本当にダイス振って、この結果って…」
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 6+3-(36-21) = -6
僕気絶判定
2d6-6 => 8-6 = 2 < 7
絶頂:気絶
精神力 -2 (精神力上限 21 > 19 へ)
僕累計ラブダメージ 18+10 = 28
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 4+3-(30-14) = -9
姫気絶判定
2d6-9 => 4-9 = -5 < 7
絶頂:気絶
精神力 -2 (精神力上限 14 > 12 へ)
姫累計ラブダメージ 26+10 = 26
------------------------------------------
両者気絶により戦闘終了
------------------------------------------
最終累計ラブダメージ
僕ラブダメージ 39+28 = 67
姫ラブダメージ 29+38+26 = 93
抵抗ロール
僕達成値計算 7+2+7 =16
姫達成値計算 7+3+9 =19
僕 2d6+5+3 => 8+5+3 = 16 = 16 抵抗成功
姫 2d6+8+3 => 9+8+3 = 20 > 19 抵抗成功
両者抵抗拒否
累計ラブポイント 僕>エレシア姫 500 > +67
累計ラブポイント エレシア姫>僕 500 > +93
-------------------------------------------
「1ヶ月ぶりの熱愛でとても濃く注ぎ込まれて
3回も悦楽とは、何もかも満足でしたわ貴方…」
「この嫁だけ、マジで怖いわww
いろんな意味でwww」
なぁどうなん?
(まー、3ラウンドの1ラウンド毎に
一撃必殺ってのが
シーン的には意味不明だけど
愛し合った夫婦の熱愛を
数値表現は出来てるんじゃないか?)
時間がおかしくてなぁ…
エリン姫とリーナ姫との初夜の模擬戦とか
23ラウンドも続いたんやぞ…
(いや、そこ微妙にリアルじゃね?)
まぁ数字が愛情深まると
爆発するってのは
数字表現的には面白いけど…
時間がなぁ…
惚れていく毎に
防御力が無くなっていって
互いが一撃必殺になっていくの
どうなん?
(でも、SWの鎧での
防御点計算のアレを入れると
マジで、時間かかるからな…
モンスターの固定減算防御点
方式でやらんと
時間のショートカットがな…)
でも、クリティカルすると
意味不明な結果になるからな…
マジでナンソレ? みたいな…
(まぁ、今回で、このルールの
テストは終わりだから
いいんじゃないかなー)
そっかーー
これで終わりカー
それはそれで寂しいノー
うーんあーー
作中の太陽でフォトリソグラフィーって多分無理ですから
光ファイバーとかで、無理に光学カップリングとか
無茶苦茶したら、どうだろう?ってのもあるんですけど
それこそ現代の技術無いと無理ゲーのオンパレードなんで
技術的な笑いっていった所で…