第十五話 どうも顕微鏡らしい
やっぱねー、話をダイスに任せるのは、マズイからねぇ
どーでもいい所で、遊ぶしかないよねぇうん
起きてからもずっと気分高揚状態のエリン姫と
うう…次は次ぎはぁぁと
膨れ面になっている他三人の嫁姫を交え
朝の朝食を家族みんなで食べている
そんな時の、何気ない会話だった。
「うう、だってリーナ姫はまだ15歳なのでしょう?
私なんて、もう19歳ですよ?
そりゃ、医療の仕事が大変で
今まで結婚なんて考えれなかったですけれど…
でも国民の目が痛くて…」
そう言ってエレノア姫は嘆いていた。
「私も、もう16歳ですから、
それにジキスムントは目の前で
国民の、まだかまだかの視線が痛くて…」
言ってリースロット姫も嘆く。
そんな嫁姫達の会話に、僕は首を捻るしかなかった。
「僕の元居た世界じゃ、
年齢が年齢なら、30、40歳のおっさんが、
リースロット姫みたいな
16歳の女の子にでも手を出せば、
児童猥褻の犯罪で捕まるレベルなんだけどなぁ…」
そう言って僕は年齢意識のズレに腐ってみる。
「まぁそれは流石に、この世界でもアレですけれど
法令神から天罰落ちそうなアレですけど
それでも王侯貴族なら、
14歳で40歳の領主の所に
嫁入りの貴族同士の
政略結婚なんて当たり前ですし…」
そうリーナ姫が言う。
「そっかー、血縁と身分や利益重視なのかー
まぁでも、
エレノア姫のその嘆きは不思議な感じだよ」
そう僕は言う。
「何がデスカ? 貴方…」
そんな僕の言葉にキョトンとするエレノア姫。
「いや、だって19歳が年って感じる感覚
理解出来ないもん、僕の元居た世界じゃ…
19歳って言ったら若くてピチピチの
一番、綺麗な年齢って所だよ?
僕の元いた世界の感覚じゃね…
30歳で結婚する女の人だってザラだった、
あの世界から比べたら
19歳のエレノア姫なんて、
あの世界なら、少女扱いですよ…
んでもって、18歳以下は児童ですよ
児童ポルノですよ…」
言って僕は、その感覚のギャップに笑った。
僕のその何気ない言葉に、凍り付く姫嫁達。
「は?30歳で結婚する女の人?」
エレノア姫の目が点になった。
「ん?」
僕は姫のその顔に、キョトンとする。
「…そ、それは、夫に先立たれて
再婚する未亡人とか、そういう感じの話です?」
エレノア姫が物凄い目で僕を見てそう聞いて来た。
「い、いや?
ふ、普通に、そろそろ結婚しようかって
初婚の人が30歳でも、多いよって話で…」
僕がそう言うと
姫全員の顔色が変わった。
「30歳で…初婚?」
全員がそれに騒然と成る。
「え?え?」
僕は驚く。しかし姫達も狼狽している。
「30歳で初婚なんて、
どうするんですか…
後は…
30歳で死産覚悟で
子供産んだら、子供の成人付近で…
子供が15歳なんて、遅い成人式だとしたら
もう45歳ですよ? あと5年ですよ!?」
言ってエレノア姫が僕に詰め寄る。
「え?何の事?
あと5年って…」
僕は姫のその言葉にポカンとする。
「だって平均寿命なんて50歳ですよ?
45歳になったら、後、5年の命ですよ?
いえ、まぁそこまで生きれたら
60歳まで期待も出来ますけど
それでも普通は、後5年ぐらいの意識…
エルフやドワーフなんかじゃないんですから…
そんな悠長な事してる場合じゃ…」
言ってエレノア姫の瞳が震える。
「え!? 平均寿命って僕のあの世界じゃ
80歳だよ!
30歳なんて人生まだ、これからって…」
「平均寿命80歳!?」
その僕の言葉に、姫全員が立ち上がった。
「う、うん…僕の元居た世界の国では
平均寿命は80歳くらいだよ…
女の人は86歳くらいじゃなかったかな…
それだから…」
「86歳!?
そんな最長老も、世界のどこかで
最高寿命に挑戦してるような歳の方の年齢が
平均寿命!?」
「いや、僕らの世界じゃ、
最高寿命とか110、120歳ぐらいで…」
「はぁ!? ドワーフか何かですか!
貴方の元居た世界の人類って!!」
エレノア姫が絶叫する。
「そっか人間50年とか、
織田信長とか歌で言ってたモンな…
そうか、平均寿命の感覚が
根本的に違ったのか…」
そこで僕は嫁姫の
よく分からない”焦り感”の
その本質が分かった気がした。
「すいません、貴方、私、気になります…
『クエスト』使って辞書に平均寿命の事を
聞いて来てもらっていいですか?」
言ってまたニコリと怖い顔になるエレノア姫。
「いや、もう、自分で行きます!
僕が自分で聞いて来ますよ!」
僕はあと寸前で、姫の『クエスト』が
発動しかけたので、飛んでいくしかなかった。
辞書
それについてはな…
お前がその嫁達を妊娠させた時に
その時、一緒に語ろう…
「‥は?」
それはとても大事な人類の記憶なのだ。
そして、それを知ったとき
お前がどう行動をするのか
きっとそれも、大事だろう。
嫁を身籠もらせたときに
また、それを聞きに来なさい。
「ちょ!
辞書さん!
いつもの軽快に答えてくれたのと
違いくありません!?
最近、えらく人間味出てきたけれど
ちょっと、なんか、今までと
全然違うんですけど!」
『あっちの世界での重要な記憶なのだ。
なら、その辞書の言うとおり
お前が、嫁を妊娠させてから
聞いた方がいいと私も思うがな』
神剣まで、念話でそう言ってきた。
なんだよ!それ!
「というわけで、かくかくしかじかで…
何故か辞書が、嫁を妊娠させないと
教えないって…」
僕はそう言って頭をかいた。
「じゃぁ仕方がありませんね。
私達が身籠もったときに、
その時、また尋ねましょう…
えっと、明日が、リースロット姫の番ですね
よろしくおねがいしますね、貴方」
エレノア姫はその辞書の返事に不満そうだったが
まぁそれなら、言われたままでいいかと
計画表を見てそう言う。
リースロット姫が顔を真っ赤にしてニコニコしてた。
「あ、あい、頑張ります…」
心の準備が、まだ、全然なんですけれども…
ええ…
『まーしょーがねーだろ?
夫婦ってそういうモンだからな…』
神剣がそう淡々と語る。
「なんか…僕の持ってたハーレムのイメージと
かなり違うのが、ハーレムなんだなぁ…」
僕はそう呟いた。
『でも、
みんな仲が良いからいいじゃねーか…
本当なら、正妻と妾同士で
嫡子作れたかどうかで、
殺し合い寸前まで
殺伐とするんだからな…
王子や姫が生まれても
そうそう、死なないこっちの世界だから
こんなに仲良くできるんだからな…』
神剣はそう言って、ふっと笑うのだった。
製紙の目処がついてきた。
デルゼン陛下が、
信用のおけるドワーフ職人を招集しては、
あっち世界の情報を元に、
こちらの植物をパルプ化させて、
それを紙をすいて、脱水、乾燥させる
一連の装置の試作をして、
試作紙が出来てきたのだった。
ふむ…職人の塊が来てくれたのは有り難い。
紙に関しては行ける感触が出来てきたが
”出来たらそれをどうするか?”
に関しては、相当、考えないといけないと
王族間会議でも頭痛問題ではあった。
また『活版印刷』というアイデアに
ドワーフの技術職人が心を躍らせ、
木で作るか、鉄製で作るか等々、
どんどん試作を作ってくれて
金型の鋳造技術が進んでいった。
他、国務レベルでデルゼン陛下の側近の
重臣職人ドワーフにのみ
『魔導活版印刷』という
『活版印刷』のより強化版の存在を知らされ
その魔術言語の文字金型を作って貰う事になった。
インクの適切濃度の研究も、裏と表の
2面の方向性で研究が進んだ。
大学でも、色々な「何を」を
見つけ出してきては
話を聞いて欲しいという人が増えてきて
その「何を」を聞けば、
国家の基盤文化に繋がるだろう
アイデアが沢山聞けて
二週間なんて制限を付けたけど、
もう、その制限は必要無いとも思えた。
皆は”様々な知識の習得”を絞り込み、
”特に知りたい1つの知識”の学習と研鑽という
個人的に気になっているテーマで
話を持ちかけてくれたのだった。
そう、結局はそれだ。
『漠然よりも、特に気になる何か』
そこから更に広げればいいのだ。
と、むしろ僕の方が、学者の皆さんから
教わったような気分だった。
職業訓練所の方も、急ピッチで建設され
職業技術向上というのを国家が支援するという
この世界では奇抜なアイデアに
働きながらも、話を聞きに来る人が増えてきた。
しかし、そうなって来ると
もう僕一人の処理能力を完全に越えた。
「指導先生」が必要。
教育という需要が増えると、
その存在の必要性を痛感するしかなかった。
そうか、そうだったんだなぁ…。
そういう事だったんだなぁ…。
と、大学を作って知識の収蔵をしようとした時
何故、あの世界がそうだったのか、
よく分かった気がした。
なので大学において、
学者として入られた方に
1つの職務として、
「読み書き等の国民指導」を
お願いする事にした。
他に、この世界の職業である「ヒーラー」と呼ばれる
薬草学で医療をするという、あっちの世界での
医学の走りの様な職業の方を集め
国立病院と連携し、薬草学の研究を進めた。
また、それをカールスント公国の公王と相談し
僧侶と薬草師の連携で、僧侶の手が回らない軽傷患者を
薬草師が担当するという仕事分けで
特に、高位僧侶の方が『キュア・ウーンズ』よりも
『キュア・ディシーズ』を優先して使える様に
医療の適材適所化の分担を考える流れになる。
それに関して、カールスントに
また一旦の知識独占となるが
「衛生」の重要性を説明し
それを宗教的な方向性で、
一般の国民に口伝で意識拡散していっては?と相談して
「予防」の強化を考える。
医療大国かつ宗教大国の言う事なので、
それは拡散が早いと思われた。
ドワーフの職人が助力に来てくれたおかげで
『木版呪文書』の量産に目処がつき始め
同時にカールスントの高位僧侶の治験で
内部での実証試験は十分で、
その呪文書の威力の不安定さ
というよりも不確定さの問題はあれど、
特産品として、少しずつ試供品提供の形で
王族やらに試験販売を始めた様だった。
どんなレートで売ってるのかは聞かなかったが
無茶をすると法令神に天罰を食らわされるそうで
そこまで法外な値段ではないという事だった。
ただその資金で、カールスントも
ジキスムントと同じ様に
「教育機関」と「知識収蔵機関」の
重要性を再発見し、その整備にかかる様だった。
それは、カールスントが即反応したのだったが
五大同盟国は、その流れで、多かれ少なかれ
『国民教育』と『国家施設整備』という
ジキスムントが始めた事に追随していく流れになった。
そんな流れを作った事で
僕の名声は、僕の知らぬ間に、
更に大きくなっていた様だった。
『教育王』なる尊称が、囁かれていたらしい。
『英雄王』『解放王』『生活王』『教育王』
なんだか、どんどん称号が
面白くなっていくなぁ…。
しかし、最大の関心事は
その王族級研究室では
”晶石”というオールドの研究テーマが
タラスとオールドの二人で進められることになった。
タラスは、言語並び法則の解明研究も
したかったらしいが、
優先順位は何かと考えれば、
やはり”晶石”の再生成法の発見であり
オールド1人では荷が重く、
また出来るのなら早ければ早い方が
良いというのもあって、
兄弟弟子でそれに取り組む事にした様だった。
オールドがしてきた事もあり
オールドの顔を立てて
彼にみんなに説明をさせるタラス。
「これが”晶石”です」
言ってオールドは”晶石”を、みんなの前に出す。
「オパールの様な物ですが、
オパールと違うのは、
これを伴って魔導を使うと、
このオパールの中に封じ込められている
メンタルパワーが解放され、
魔導師の精神力を増やして、
魔導が行使できるという物です。
古代の魔導付加物はこれを用いて、
本来、人間単人では不可能な、
魔力付加の魔法アイテムを
作ったのだと考えられています。
我々がアーティファクトと呼んでいる
我々の魔導技術では現在、
生成不能な魔法アイテムは、
恐らくそれで作られたのだと
通説では言われているのです…」
「なるほどね…、それを使えば
低レベルの僧侶が『キュア・ディシーズ』を
封じ込めても、呪力の集中で
高レベルの僧侶のそれに匹敵出来るように
なるわけか…」
僕はその説明と魔導の性質を考え
その応用性を口にする。
「高レベルの僧侶が使えば
更に強固な物になりますがな。
なにせ高レベルの僧侶は
レベル分だけ使用する精神力が軽減します。
集中の濃度が、高レベル者の方が
爆発的に上がるのです」
言ってタリスが、
スキルレベル上げの重要性に釘を刺す
「なるほど、高レベル魔導師が使えば使うほど
より強力な物になるって事か…」
その指摘に、ふむと納得する僕。
「問題なのは、この”晶石”が
オパールと何が違うのかという事です。
材質の研究をしていて、
これが”オパール”であるのは
やはり間違いがないのです。
しかし、普通のオパールと
何が違うのか、それが分からない…
あえて言えば、”手触り”ですが…」
言って彼は”晶石”を擦る。
「手触り?」
その不思議な言葉を聞いて僕はそれを尋ね返す。
「触ってみて下さい。
オパールと”晶石”のどちらも…
こっちがただのオパールで
こっちの石が”晶石”…
何故か、”晶石”はオパールと比べて
その色と輝きが少し違うのです。
なにか、不思議なプリズムがあるというか…
それで直ぐに、これが”晶石”だと分かる
というメリットもあるのですが…」
言って彼は僕にその2つを渡してきた。
僕はそれを手で触り、確かにその2つの石では
”手触り”と、輝き方や色の付き方が
違うと分かった。
その手触りの違和感に僕は首を捻る。
「表面でも何か違うのかなぁ…」
僕は不意にそう言った。
「表面?」
その僕の言葉に、首を傾げるみんな。
「なんだっけ? 僕の元居た世界では、
微細加工だっけ?
物の表面に細かい加工を施すって技術があって
それで色々な事が出来るとか
そんなのテレビで見たことあったんだよなぁ…」
言って僕は、テレビを漫然と見ていたときに
何かの番組で、物の表面に微細な加工をする事で
そこに性質の変化を与えるとかいう解説を
見た事があるのを思い出した。
「微細加工? それは何ですか?
それとテレビとは?」
タリスがそれを尋ねてきた。
「ああ…まぁテレビは、後で話すとして…
微細加工ってのは、この表面に
小さく小さく、細工をする事なんだ」
僕はそう言った。
「小さいというのは、どれぐらいですか?」
今度はオールドが聞いてくる。
「幾らだったっけかなぁ…
マイクロ?だっけ? ああ辞書に聞くか」
辞書
微細加工
マイクロメートルからナノメートルの空間に
様々な形状変化を作り出す事。
あらゆる技術分野で様々な応用効果が生まれる。
という事を、この世界の長さ単位で説明する。
「なんですか?その余りに小さな空間の加工とは…」
タラスがその長さの単位に驚愕した。
「そんなのドワーフの一番器用なんでも
加工するのは無理な話じゃの…
どんな事したら、そんな事ができるんじゃ…」
デルゼン陛下も、その有り得ない微小空間での
物体加工に閉口するしかなかった。
僕は思わず辞書に尋ねるも…
辞書
微細加工の方法は技術分野でマチマチであり
一概に”コレ”は言えない。
化学的方法もあれば物理的方法も
生物的方法もある。
ありとあらゆる手段で作る工法であり
”何”についての微細加工の指定でなければ
具体的な方法は参照できない。
と、”何”の方をむしろ聞かれた。
”何”って聞かれてもなぁ
何が微細加工されてたのかなんて
直ぐにこれって出てくるわけもないし…
都合良く微細加工の
様子が分かるモンでもあればねぇ…
とか思うと…
辞書
微細加工の手段は物体でマチマチであるが
微細加工の様子を見るのなら
顕微鏡を使って見るのが常套手段。
と辞書は言った。
「あ、そうかぁ…
顕微鏡かぁ…顕微鏡があったら
確かに何でも表面の小さな所見えるよねーー」
と僕は、ぼーっとそう呟く。
「顕微鏡?」
その聞き慣れない僕の言葉をタリスは聞いてきた。
「あー、えっと、こんな形をしてる奴でね。
って僕も適当な形しか描けないけど…
確かレンズを、何枚も合わせるんだったっけかな?
それで、だいたい何でも、小さな空間を
観察する装置なんだ…」
僕は試作で作られている、試作紙の上に
その装置の模式的な絵を描いて
その装置の性質を語った。
「ほぉ…」
その言葉にデルゼン陛下が興味を持ったようだった。
「レンズ自体は、ワシ等の世界でも作られてるの。
あれを磨いて研磨するのは職人としても
とびきりの難易度の高い仕事じゃからの…
ワシもレンズで太陽を使って火を起こすのを作って
巨大レンズを作って水を湧かすとか
頑張った事があるぞい…」
言って王は自慢の髭をキュッキュとする。
「なるほど、レンズそのものは作れるんですねぇ…
だったらレンズを組み合わせる装置が出来れば…」
「面白そうじゃの…
その顕微鏡とやら、
もっと話を聞かせてくれんかの
作ってみたくなったわい…」
デルゼン陛下は乗り気になって
ずずっと話を広げようとした。
するとタリスも入り込んでくる。
「遠見の水晶という
アーティファクトがあるのですが…」
と切り出してきた。
「おお、そういえば、そんな面白いモンもあったの」
陛下がタリスのその言葉に首を縦に振った。
「私は常々、アレが不思議で仕方なかったのです。
私達の知る一般呪文には、何でも見るという
そんな魔法は存在しないのに
あの遠見の水晶は、遠くを何でも見せてくれる…
もしかしたら、見なかっただけで
遠見の水晶は、小さな空間も見せてくれたのやも」
言ってタリスは頭を悩ませた。
「ふむ、そういえばそうじゃの…」
陛下はそれを聞いて髭をキュッキュとした。
「私は思うのですが…
”見る”という事に関する魔法が、
今では失われてしまったのではないのかと…
そう考える時があるのです…」
「”見る”が失われた?」
僕はそれを尋ねる。
「言語魔導に『ビジョン』という術者の視力を
増加させる魔導があります。
つまり、見るという魔法は存在すると言う事です。
なら、昔はもっと、”見る”という事に関する
様々な魔法が存在したのではないか…と
でなければ、遠見の水晶の存在は
説明がつきません」
「なるほどの…」
「陛下が作ってみたいと思われる顕微鏡
それに、失われた『見る』の魔法を加えられたら
と、不意に私は思いまして…」
「ほぉ…そんな物が出来たなら
さしずめ、それは『魔導顕微鏡』とでも
言う物になるんかの?」
二人の会話で、そんな言葉が飛び出てくる。
「『魔導顕微鏡』かぁ…
おもしろそうだなぁ、それ…
なら、まずそれを作ってみたら、どうだろう?」
僕はそう言ってみた。
「ふむ…
じゃ、決まりじゃの…
なんか微細加工と顕微鏡か…
それに魔導で更に能力が加わるとかの
面白いの…
この歳になってもワシはワクワクしてきたぞ」
そう言って陛下はお付きのドワーフ達を見る。
そのドワーフ達も、それにニヤリと笑った。
まず、方針が決まった。
『顕微鏡』そして『魔導顕微鏡』
それの制作が方針会議で決まったのだった。
で、終わると思ったラァァァァァ!!
「陛下…」
そういえば、今日はリースロット姫との
計画妊娠の日でしたネー!!
って感じで、エリン姫から数日置いての
またもドキドキモード!!
っていうか、リースロット姫、
その奴隷服と、手の鎖なんなんスか!!
と、とてもエロティックな奴隷服と
本物ではない飾りの鎖とか
見てびっくりする僕。
なんだろう…
ダイブで襲いたいというこの劣情感。
「その、陛下に初めて愛して貰った時の
あの時の事を、思い出してしまいまして…
最近は、陛下だけの性奴隷になれるなら
いっそ王族など辞めてしまって
二人で何処か小さな山荘で
性奴隷生活とかも、いいかなぁとか
それでいっぱい子だくさんとか
いいかなぁとか…」
そう言って姫は頬を両手で押さえて
真っ赤になって体をクネクネさせる。
何その、男心をブレイクする
激しい熱愛の言葉!!
どうしたんですか!!
エリン姫といいリースロット姫といい!!
そんなに滅茶苦茶に身籠もりたいんすか!!
「だから、こんな1対1の時だけは…
私を、貴方の性の奴隷にさせて下さいマシ…
私の身も心も、貴方に縛って欲しいの…
そして滅茶苦茶に奪って下さいな…」
とか言って、抱きついてくる奴隷姫。
ちょ待て!
ジキスムントは、本来アンタの国やろが!
国も捨ててとか、性奴隷になりたいとか
何言ってんスか!!
まぁ、対外的には、
今の僕が王ですけれども!!
そんな、
押し倒したくなる彼女を
押し倒さない奴がいたら
アンタ、マジで賢者だよ!って
褒め称えますよええ!
僕には無理!
こんな傾国の美女を払うの僕には無理!
っていうか傾国の美女、二人が僕の嫁かい!
よくこれで、ジキスムント崩壊しねぇな!!
なんか僕の精神力ってすげぇんじゃねーかって
ちょっと自分を褒めてやりたいぞ!!
そんなわけで、今日は奴隷姫と…
っていうか、名も無き神ヤァァァァァ!!
ルール強化して持ってくるんなヤァァァ!!!
細部修正:
合体 消費精神力 4
ダメージ
男性成功レーティング10+アレ技能+敏捷ボーナス
女性成功レーティング30+アレ技能+敏捷ボーナス
合体時は問答無用で両者攻撃判定発生
攻撃宣言をしない場合、消費精神力0
女性側成功レーティングは20を使用
ただし、一度果てさせて、
女性側「気分高揚状態」になると
男性成功レーティング30+アレ技能+敏捷ボーナス
に変化。
(この修正でいってみよう)
行ってみようじゃネェよ、ボケェェェ!!!!
攻撃スキル算定
僕 6+3 = 9
ロット姫 4+1+3= 8
回避値算定
僕 6+3 = 9
ロット姫 4+3 = 7
戦闘開始
-----------------------------------
ラウンド1
敏捷同値 イニシアチブチェック
僕 2d6 > 5
姫 2d6 > 8
姫攻撃 2d6+8 > 8+8 = 16
僕回避 2d6+9 > 7+9 = 16
同値攻撃側有利:攻撃成功
手段:ちゅっちゅする (2/20)
ダメージ 3(6)+3+3-3 = 6 (6/22)
僕攻撃 2d6+9 > 5+9 = 14
姫回避放棄
手段:おさわり (8/22)
ダメージ ピンゾロ失敗
ノーダメに姫不満
「なんですかそれは!」
「いや、ダイスに言って貰いたい…」
-----------------------------------
ラウンド2
敏捷同値 イニシアチブチェック
僕 2d6 > 8
姫 2d6 > 6
僕攻撃 2d6+9 > 6+9 = 15
姫回避放棄
手段:おさわり (10/22)
ダメージ 4(8)+6+3 = 13 (15/20)
(姫ダメージ軽減放棄)
姫攻撃 2d6+8 > 12+8 = 20
僕回避 2d6+9 > 12+9 = 21
両方6ゾロ:回避有利:攻撃失敗
姫、ちゅっちゅ回避されて不満 (17/20)
ラブダメージ集計-5 (緊急ルール化)
「どうして避けるんですの!」
「そんな魅惑の攻撃食らい続けたら
合体する前に果てるわ!
もうこっちは累計10点やで!」
「まぁ!」
-----------------------------------
ラウンド3
敏捷同値 イニシアチブチェック
僕 2d6 > 5 , 4 , 2
姫 2d6 > 5 , 4 , 6
姫攻撃 2d6+8 > 7+8 = 15
僕回避 2d6+9 > 11+9 = 20
攻撃失敗
姫、ちゅっちゅ回避されて不満 (19/20)
ラブダメージ集計-5
「だから、どうして避けるんですの!」
「いや、ちょっとダイスの目が11で良すぎて…」
「次は回避放棄して下さい!」
「あい…」
僕攻撃 2d6+9 > 5+9 = 14
姫回避放棄
手段:おさわり (12/22)
ダメージ 1(3)+6+3 = 10 (29/20)
(姫ダメージ軽減放棄)
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 4+3-9 = -2
姫気絶判定
2d6-2 => 3-2 = 1 < 7
絶頂:姫気絶
精神力 -5 (精神力上限 20 > 15 へ)
姫累計ラブダメージ 23+20-10 = 33
援軍が現れた。
エレシア姫 トランスファー・メンタルパワー
リースロット姫 精神点15まで回復
「またですか!陛下、強すぎです!(エレシア)」
「これ、ダメージ判定、なんかやっぱ激しすぎね?
行動での精神力消費、要らなく無い?」
「ま、これで今回は行きましょう」
-----------------------------------
ラウンド4
「もう気絶するぐらい、オーバーダメージで
素敵でしたけど、このままでは話になりません!
こっち優先でお願いします!」
「あい」
順番を遅らせ姫先制
姫攻撃 2d6+8 > 4+8 = 12
僕回避放棄
攻撃成功
手段:合体 (4/15)
ダメージ 4(4)+4+3 = 11 (23/22)
僕ダメージ低減放棄
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 6+3-1 = 8
僕気絶判定
2d6+8 => 6+8 = 14 > 7
絶頂:気絶回避成功
精神力 -5 (精神力上限 22 > 17 へ)
僕累計ラブダメージ 6+11+20 = 38
「賢者モード入るから、もう辞めない?」
「駄目です。何かモノ足りません」
「マジで!?」
-----------------------------------
ラウンド5
「行動を優先でそちらに」
「あい」
「だいしゅきホールド!」
「もう出したがな!」
「関係ありません!」
「あい」
僕攻撃 2d6+9 > 7+9 = 16
姫回避放棄
手段:合体継続中:(4/17)
(姫気分高揚中レート交換30に)
ダメージ 8(8)+6+3 = 17 (21/15)
(姫ダメージ軽減放棄)
精神力最大値超過
気絶判定発生
気絶判定値ベース 4+3-6 = 0
姫気絶判定
2d6+0 => 6 = 6 < 7
絶頂:姫気絶
精神力 -5 (精神力上限 15 > 10 へ)
姫累計ラブダメージ 17+20 = 37
「もう陛下だけいればいいです、ムニャムニャ」
-----------------------------------
戦闘終了
僕累計ラブダメージ 38
姫累計ラブダメージ 33+37 = 70
互いの累積ラブポイントに数値をスタック。
リースロット姫はそこそこ満足して
2度目の気絶をしたのだった。
-----------------------------------
「これ、やっぱまだルールおかしくね?
なんかおかしくね?」
(なんか、こう…違うよねぇ…
防御点作らないと駄目かなぁ…)
値が極端に飛びすぎだよ!
累積ポイント200なんか、戦闘4回で行くわ!
(ですねぇ…困ったナァ…)
名も無き神、ちょっとルール設定まだ甘い!!
要修正!
(あい…)
もうなんか、ずっとラストは遊んでますけど
ラストパートの終盤入る為に必要なアイテムと状態が
「医療呪文書」「顕微鏡」「嫁姫全員妊娠」
なんで、ダラダラと、それを集める為に、ダラダラ進行で。
遊んでるようで、プロットに必要なんで書いてるけど
やっぱり遊ぶという遊び感。
嫁四人終わった頃に、顕微鏡も出来てるやろ?っての
あるんで、まかぁあと二人の二話ぐらいで
顕微鏡できたら楽だなぁと
ともあれ、魔晶石の事追跡してたら
ローカルルールに魔晶石を作る魔法がレベル7であるのと
昔、水野良先生本人が、SWシステムの大穴
「魔晶石の複数使用で、集中ルール使いまくりで
強力魔法を使いまくる」
等という、システムホールを使ってプレイヤーし
SWの世界感崩壊させかけたんで、魔晶石の複数使用禁止になったそうな。
(何してるんですか、ロードス島戦記の作者!!)
で、改訂版「完全版ソードワールド」では、そう修正されたらしい
集中増加の達成値上限とかも決まったそうな。
ま、別にええんやけど…
こっちは、詳細な世界ルール作るのが面倒なんで
ルールの大半借りてるだけで、そっからバリバリ壊して
中世世界そのものを終焉させるんで、
初版SW1.0の、ルールの穴をそのまま使わせて貰うけれども