origin of an affair
事の発端は猫…。
「編集部まで連れてくる奴があるか‼︎」
なんで怒られなくちゃならないんだ…。
「編集長って前猫好きだって言ってましたよね!」
「ワシが好きな猫はこういうモフモフじゃなくてロシアンブルーみたいな短毛の猫なの!というかその前に仕事場に猫を連れてくるおまえ神経がおかしいよ!」
は?短毛?長毛には興味がないってか…⁈それは猫に失礼じゃないか⁉︎
「短毛限定ってことですか⁉︎最低ですね‼︎」
あ、やべっ…。つい本音が…。
「きさまこの編集部のなかで一番下のくせに、編集長のワシにむかってなんという口の利き方じゃ‼︎!だいたいおまe「へ、編集長!」…今度はなんじゃ⁈」
ん?どうしたんだろう先輩。普段こんなに慌てる人じゃないのに…。しかも編集長の声を遮って…。
ボクの先輩にあたる、新聞記者の一人(まぁみんな先輩なんだが…)は慌てた様子で編集長に耳打ちする。
「なんじゃと⁉︎本当か⁉︎」
「は、はい。ついさっきウノから連絡がありました」
ん?ウノで何かあったのかな…。編集長もこんなに慌てちゃって…。大スクープの予感!
「今手が空いている記者はいるか⁈大スクープだ今すぐウノにむかわせろ‼︎」
編集長の言葉にボクは子猫片手に手を挙げる。ボクがこのスクープをものにしてやる‼︎
「はいはい‼︎ボク手空いてるよ‼︎暇だよすごく‼︎」
「おまえみたいな口の悪いやつにこんな大きな事件を頼めるわけないだろ…」
ふーん…。事件なんだ…。ますます気になる!
「他に手が空いている奴いないのか?」
「 だからボク空いてますって!」
何なんだよ!短気じじい!
「あの…。編集長…。非常に言いにくいのですが…。ここに残っている記者は私とアイラだけなのですが…。実は私もそろそろ取材に…」
お!ボク運良い先輩達がいないなら強制てきにボクになるはず‼︎
「…。そのお前が行く取材をこのチビに任せれば…」
チビ言うな‼︎
「無理ですよ。お酒の取材なんでアイラはまだ…」
「…。そ、それなら__」
まだ言ってるよ…。どんだけボクを行かせたく無いんだ…。とにかくこれで!
「…。仕方ない」
お⁉︎許可が下りるか⁉︎
「口が悪くて頑固でチビで短毛の猫のよさもわからない使えないアイラ。ウノに行ってこい」
…ふふっ…。落ち着けボク。ここで怒ったら取材の許可がだめに…ならないな。もう行ってこいって言ってるし。うん。大丈夫。さぁ大きく息を吸って〜
スゥー…
「うるさぁ〜い‼︎‼︎」
吐く‼︎
「確かにボクは口が悪くて頑固でチビで使えない奴かもしれないです!だがなぁ!猫の件は短毛長毛関係無く可愛いって言いたいんだ‼︎あ…。いや、言いたいんです‼︎だいたい編集長だからって威張りすぎじゃないですか‼︎?そんなんだから編集者が年々減ってきているんですよ。今なんてボクも編集長も含めて6人しか居ないじゃないですか!」
あースッキリした。あ、先輩が引いてる。急に大きな声だしてすみませんね先輩。あと猫ちゃん。びっくりしてボクの腕から飛び出し、きようにボクの肩からかけているボタン一つの鞄(アリ○ッティの鞄を想像してください)に入っちゃったよ。
「に、二度と帰ってくんな‼︎バカ者‼︎セイスの恥じだ‼︎セイスに帰ってくんな‼︎‼︎早く行けっチビっ!」
「なっ!わかりましたよ!どんなに大きなスクープをゲットしても帰って来ませんよ‼︎ウノに住んでやる‼︎」
幸い(?)母と父は死んでるからボクを心配する人はいても大事にはならないだろう。
絶対でっかいスクープ見つけて、編集長をギャフンと言わせてやる‼︎
この日ボクがセイスを出なかったらこの取材メモは書けなかっただろう。そしてボクが恋に落ちることもなかった…。