第四話 チュートリアル
翌日の朝
せっかく手に入れたスキルだし、とりあえず現時点で作れるものを確認しておいた。
後から母さんに教えてもらったんだけど、スキルを貰ったら「ステータス」って言ったら、
自分の目の前にゲームのステータス画面みたいなのが表示されるらしい。
この世界の人間は、ゲーム自体は知らないが、こういうゲームシステムみたいな概念が走っているらしい。
…….なぜだかは、分からないらしいが。
ちなみに今の俺のステータスは
ケイン・アルト Lv.1
EXP0
HP 18
MP6
ATK5
DEF6
SPD2
LUK15
みたいだ。
体力は普通の大人より少なく、魔力から素早さを含めたステータスもやはり低い。
でも、気になる事に運だけは大人よりなぜか高い。
これも、あの女神様の加護かもしれない。
前世は社会人になるまで携帯の安いRPGばかりをやっていたからこういうのはちょっと詳しかったりする。
とりあえず、まずは魔力量を少しでも多く取得したいので、レベルを少しでも上げたい。
でも、今の俺の年齢は5歳だ。
攻撃力が大人未満で、しかも戦い方もまともに知らない俺が魔物を退治しに行ったらあっけなく死亡、なんて事になる。
他に何かレベルを上げる方法はないか。
そう思っていた時に、
ステータス画面の横に『チュートリアル』と書いてある項目を見つけた。
その項目をタップすると、まるでゲームのシステムを説明するような項目が現れた。
その中で俺は『レベルアップの仕方』をタップすると、こういう説明が出てきた。
『レベルアップはEXPを一定の量まで入手して貯めると、自動的に上げることができる』
うんうん、その辺は普通のRPGと同じだ。
その他には?俺は、次のページの項目をタップすると。
『EXPの入手方法、その一、魔物を討伐すると自動的にEXPを入手する事ができる』
うん……とりあえず、今はその方法はナシだな……。他には?
『EXPの入手方法、その二、クエストをクリアすると報酬としてEXPを入手することができる』
クエスト?それっていわゆる依頼ってことだよな。この世界にもクエストってあるのか?
俺はチュートリアルの中にあったクエストの項目をタップしてみると。
『クエストとは?、街や冒険者組合施設や村の酒場などで受けられる依頼の総称である』
ほうほう、それで?
『クエストには三つのタイプがあり、一つ目は魔物や盗賊などを討伐する討伐系クエスト』
他は?
『二つ目は素材や道具などのアイテムを採取して依頼主に届ける採取系クエスト』
まぁ、これはこれでできなくはないかもしれない、が、あくまで現時点での活動範囲内がこの村の中だからなぁ~。
何か他にはないか。
『三つ目は街や村の困り事を解決する便利屋クエスト※ただし1番EXPの取得量が少ない』
1番経験値の取得量が少ないかぁ~、…….でも現時点で自分ができそうな事ってこれしかないしなぁ~。
……………考えても仕方ない!まずは魔力量アップのためにできる事を頑張ろう。
◇
とりあえず俺は、ノーマンとリジィも誘って村の酒場まで来ていた。
ここは村人の男たちにとって唯一の憩いの場であり、仕事終わりに安物の発泡酒を飲むのが日課なんだとか。
「「「こんにちは」」」
俺とノーマンとリジィは酒場に元気よく挨拶して入ると、
「よぉ!村長とこのケインじゃないか、その歳で酒場にくるとはやるなぁ!」
「いらっしゃい、ゆっくりしていってね、お酒はダメだけど」
村の男たちやウェイトレスのおねえさん達が歓迎してくれた。
「いえ、俺たち依頼……クエストを受けにきたんです」
俺がウェイトレスのお姉さんに言うと、
「えっ?クエスト?貴方達、その歳で受けるの?」
俺たち三人は首を大きく縦に頷く。
「そうねぇ~、一応貴方達くらいの年からギルドカードは発行できるし……受けられなくはないんだけど……」
「何か、まずいですか?」
困惑しているウェイトレスのお姉さんに俺が聞いてみると、首を横に振りながら、
「いやいや、まずい事はないのよ?ただ、討伐系や採取系は年齢制限があって貴方達の歳じゃ受けられないのよ、かろうじて便利屋系なら受けられるけど……どうして受けようと思ったの?」
と物珍しそうに聞いてくるお姉さんに、
「お金を貯めて自分の剣を買うんだ」
とノーマンが元気良く言い。
「とっ、とにかく人の役に立ちたいの」
とリジィがちょっと気恥ずかしそうに言う。
「そう…それで、ケイン君は?」
と聞いてきたので、俺は躊躇わず言った。
「魔力量を上げたいから、とにかく今はレベルアップに必要な経験値が欲しいんだ」
と言った。
「そうなの、う~ん」と考えているお姉さん、そして、
「分かったわ、とりあえず貴方達が受けられるクエストを何個か探してみるわね。でも途中で投げ出したらダメよ?依頼が無効、いわゆる無かった事になるからね」
お姉さんの話を聞いて「は~い」と答える俺たち。
そうしてギルドカードを発行してもらった俺たち三人は、お姉さんが出す便利屋系の依頼の数々を、おのおのが受けていった。
内容としては家の草むしりに、食器洗い、赤ちゃんの子守りなどエトセトラ。
そうこうしているうちに一週間が経ち、
ようやく、パンパカパーンという音と共に、
『ケインのレベルがLv.2に上がりました』




