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第二話 ケイン・アルト

そんなこんなで、転生してから5年の歳月が経ち、


五歳になったその日もいつもと変わらない朝だった。


「おはよう!!父さん、母さん!!」


「おうケイン」


「おはようケイン」


元気よく挨拶する俺に父のリヒトと母のセレジアは笑顔で迎えてくれる。


父さんのリヒトは俺たちが住んでいるミロスの村の村長であり、同じく自警団の団長でもある、毎朝外で剣の鍛錬をし、村の外に魔物が出れば自警団の仲間と共に討伐しに行く。


母さんことセレジアは毎日炊事や洗濯などの家事や、村の会計などの事務作業に明け暮れている。


二人とも、村のために尽力している、とても素晴らしい両親だ。


はっきり言って、前世でろくでなしの親を反面教師にして生きてきた俺にとってはもったいないくらいだ。


俺も今の自分にできることはないかと思っていろいろやってみた。


家の家事や村の畑仕事など様々な仕事を手伝ってみたが皆優しいのか、「無理しなくて遊んでていいからね」と頭をなでてくれた。


まぁ村に少子化が来てるせいか子供は俺を含めて三人だけなせいか、子供は村の宝ってスタンスだろうか。


最終的に俺は体を鍛えようと、腹筋や腕立て伏せ、子供用の木刀で素振り等、体を鍛えることに専念した。


まっ、現状報告は以上で、俺は今日の朝食を食べることに専念した。


今日のメニューはジャガイモのポタージュに硬いパン。いつもの朝食メニューだ。


たまには肉や魚が食べたいが、この村にはそんな贅沢をする余裕はない。


まず肉が食べられない理由、


まず、そもそも家畜を買う初期資金がない。


おまけに病気になったら一気に全滅なんていうハイリスク付き。


そしたら狩りをしたらいいじゃない?っていうだろう、それもそうは簡単にはいかない。


森には魔物が出る、しかも魔物を退治する冒険者を雇う金もない。


つまり命懸けで自力でなんとか狩りをするしかない。


魔物も狩ったとしても、肉が毒素を帯びているため、食べても不味いし最悪食中毒を起こす。


とまぁ、以下の理由により、家畜を育てたちり、狩ったりする余裕がないだろ。


あと魚、


釣れる川はここから歩いてやく半日、その間、保存する方法がないから腐る。


だから、肉や魚を手に入れるには3ヶ月に一回来る行商人から買うしかない、が、


この世界では超貴重な塩を使って塩漬けされてるものだから値段は超高額。


まぁ、そもそも、肉や魚は貧民よりはまず王族や貴族に献上されるものらしいからな。


とてもじゃないがうちの村ではまともに買えない。


それに、その行商人買えないことを理由に嫌味を言ったりして馬鹿にしてくるからムカつくのなんの。


「貧乏村は芋でも食ってろ」だとよ。あのオークモドキめが。


とまぁ、以下の理由でうちのミロスの村ではまともに卵や牛乳などの乳製品も合わせて、タンパク源はまともに食べられない。


だから今のところ村の貴重なタンパク源は大豆なのでウチでは大豆が主に畑の収穫物。


……だからこそ、いつかこの村で、父さんや母さん、村のみんなが腹いっぱい肉や魚を食べられるようにしてやりたいんだ。


まぁ、今の現状じゃ夢のまた夢だが。


「あっ、忘れてた?」


「えっ?何が?」


「「5歳の誕生日、おめでとうケイン」」


そういえば、俺も今日で5歳。


そういえば神様から加護という名のスキルをもらえる歳なんだが……


一体どんなスキルをもらえるんだろう。


この世界では、人は誰でも5歳になるとスキルを持てるらしい。


なんでも、かの昔、女神は生まれて5年目で世界を救う力に目覚め、この世界に安定をもたらしたらしい。


それ故に、人々にも自分が目覚めた歳に力を女神から与えられるのが慣わしなんだとか。


優秀なスキルほど重宝され、貴族にまでなれるらしいが、無能なスキルだと能無しと侮蔑されるらしい。


「あのさ、父さん」


「ん?なんだケイン?」


「父さんのスキルって、剣術スキルだっけ?」


「あぁ、父さん昔は冒険者もしてて大活躍だったんだぞ」


「……母さんは、水系魔法だったっけ?」


「えぇ、…どうかしたの?ケイン?何か悩み事?」


母さんにそう言われた、図星だ、もしもだ。


「俺ももう5歳で、スキルをもらえる歳じゃない?……もし役に立たないスキルで、俺が能無しだったら……二人はがっかりするかな……」


俺はこの歳まで少し怖かった、優しかった両親が能無しと分かった途端もしかしたら豹変して出来損ない扱いされてしまうんじゃないかと。


でも、そんな心配はなかった。


「なんだ、そんな事で悩んでたのか?」


父さんが笑いながら俺の頭を撫でた。


「別にお前のスキルがどんなものであれ、いや。仮にケイン、お前がスキルが貰えなかったとしても、お前を蔑ろになんかしないさ」


「父さん…」


「第一に父さん、スキルの優劣で人の価値が決められるなんて考え方、1番嫌いだし共感もしたくないからな」


「えっ?」


「そうよケイン、大事なのは能力なんかじゃない、《《人としてどう生きるか》》、つまり《《人柄》》が1番大事なのよ」


………俺は……少しでもこの両親を疑った自分を恥じた、そうだよな、俺の今の両親はものすごくいい人なんだから、そう言うに決まってるよな。


「まぁ、そう親に言ったせいで父さん、家を絶縁されて追放されたんだけどな、でも後悔してないぜ、お陰で母さんにも会えたわけだし」


父さんが母さんの背中に優しく抱きつき抱擁した。


「あなた……」


……でもちゃっかり母さんのデカい胸を揉んでるよ父さん……


「……今夜二人目……どうだ?……」


「やだもう……あなたったら…」


お盛んだなぁ~…近いうちに弟か妹が生まれるかも……



その後、父さんは自警団の訓練場で剣の鍛錬、母さんは畑の手入れにでかけた。


俺はというと、


「ケイン、今日はリジィとノーマンの三人で約束があるだろ?食べたらすぐに行った方がいいぞ?」


と言われ、約束を思い出して走っていた。


そして、村の広場まで来てみると、


広場には、俺以外の二人の子供が待っていた。


「遅いぞ、ケイン」


小太りの茶髪の少年、ノーマン・フィッツがすこしいら立ってそうな声で俺を呼ぶ。


彼は少しやんちゃで、地面に何かを描いて暇つぶしをしていたみたいだ。


「おはようケイン」


赤毛のポニーテールの少女、リジィ・カーミラもこちらに手をふっている。


彼女は将来美人になる顔立ちをしてると思う。


二人とは同い年の友達、赤ちゃんの頃からの幼馴染、いわゆる仲良し三人組だ。


「ごめんごめん、朝飯食べてたら遅くなった」


「たく、今日は俺たちにとって大事な日だろ?」


そう、この二人も、俺と同じ、スキルを受け取るのだ。


「早く行きましょう、私どんなスキルをもらえるか楽しみだわ」


リジィも目をキラキラさせながら期待に胸を高鳴らせていた。


「俺はきっと剣のスキルだな!父ちゃんと一緒に村の自警団に入って村を守るんだ!」


二人とも、ハイテンションだなぁ、まるでクリスマス前にプレゼントをもらう子供みたいだ……あっそっか、子供だったんだ俺もみんなも。


「ケインはどんなスキルがいいの?」


リジィが俺に尋ねてきた。


「う~ん、とりあえず、変なスキルじゃなきゃなんでもいいかな」


催眠とかは俺の人間性を疑われそうだし、


「リジィはどんなのがいいんだい?」


というとリジィは体を一回転させながら、


「私は魔法系のスキルがいいかなぁ、お花を自由に咲かせられるとか」


「なんだそれダッセーなぁ」


「何よノーマン」


顔を膨らませるリジィとゲラゲラ笑うノーマン。家が隣同士、相変わらず仲良いな、将来夫婦になったりして。


「まぁまぁ、とりあえず信託の泉に行こうよ、二人とも早く貰いたいだろう?」


信託の泉。


それは、村の小さな教会のすぐ後ろに隣接している、


小さな水たまりの真ん中に女神を模した小さな像が置いてある場所だ。


「おう!俺が1番だぜ!!」


「ちょっと待ちなさいノーマン、ケインも行きましょう」


二人は村の教会近くの信託の泉まで走っていく。


………もし前世の俺に弟か妹、いや、息子が娘がいたらあんな感じの歳なんだろうか……


「いや、もう忘れよう」


今の俺はケイン・アルト、それでいいじゃないか。


俺もリジィとノーマンの後について信託の泉に向かって走りだしたのだった。



そして、到着して、像を改めてよく見たら、


(あ!!)


転生する前にあったあの女性ににている。


やっぱりあの人女神だったんだな。


とっまぁ、それは置いといて、


「よし、それじゃあ最初は誰から行く?」

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