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家の前に到着する


コン 「お兄ちゃん?ついたよ?」


私 「吐きそう」


私は体の力が抜けてコンに体重を預ける


コン 「落ちちゃうよ」


私 「落とさないで」


朝酒を飲まされて頭がグワグワしている状態


そして高速で走るコン


視界は高速で変わって目をつぶると揺れる感覚


乗り物酔いみたいな感覚が常に襲ってきていた


リン 「完全にノックアウトしてるね」


コン 「とりあえず家の中で休も?」


私 「休む」


私はポケットに手を突っ込んで鍵を掴む


そしてリンに手渡す


私 「ごめん 開けてくれない?」


リン 「いいよ」


リンは家の扉の鍵を開ける


コン 「中入ろっか」


コンに抱えられつつ家の中に入る






私 「ぷはぁ」


水を一息に飲む


私は今リビングのソファーに座っている


そしてコンが持ってきた水を飲んでいた


コン 「落ち着いた?」


私 「少しは」


コン 「なら良かった」


コンは安心した表情でこちらを見る


リンとランはリビングの入口で立ったままだ


私 「あぁごめんね座りなよ」


リンとランにソファーを譲ろうと立ち上がる


しかし立ちくらみをしたようにふらふらとする


バランスを崩して転びそうになる


コン 「ん」


コンは直ぐに私に近づいて支える


リン 「ご主人はさすがに休んで?」


私 「ごめんねそうするよ」


私 (格好つかないな)


言葉に甘えてソファーに座る


コンは隣に座ってきて私の肩を持つ


コン 「お兄ちゃん寄りかかっていいよ?」


私 「え?うん」


コンに寄りかかる


コン 「お兄ちゃん本当に軽いね」


コンは私の肩を抱き寄せる


コン 「ちょっと心配だから支えるね」


私 「ありがとう」


私 (コンあったかいな)


リン 「まぁ立ってるのしんどいし失礼するね」


リンは床に正座をする


ランもそれに続いて正座をする


私 「とりあえず休んだら部屋の割り振りでもしようか」


リン 「部屋?」


私 「二階の部屋は物置と化しててほとんど使ってなかったからね だから三人のそれぞれの部屋の割振りでもしようかな」


コン 「え?僕はお兄ちゃんの部屋でいいよ?」


私 「ん?いいの?」


コン 「うん というかそうだったじゃん」


私 「あれはコンが狐だったからで今は人間みたいなものだしな」


コン 「え?やだ お兄ちゃんの部屋にする」


コンは真剣な目でこちらを見る


その目は有無を言わさないと言う様子だった


私 「ぅあ わかったよ」


思わず動揺してしまう


私 「とりあえず部屋だけ決めたいしコン 二階行こうか」


コン 「んー」


コンは私を抱き寄せたまま立ち上がる


それにつられて私も立ち上がる


私 「かなり汚いけどそこは許してね また片付けるから」


リン 「お構いなくです」


私 「なら行こうか」


私はコンに支えられながら2階に向かう


リン 「失礼しまーす」


リンとランも着いてくる






私 「ここまで汚れてたっけ?」


コン 「お兄ちゃんいっつも使い終わった型紙とか余った生地とか2階に押し込んでるじゃん」


私 「やらかしたなぁ」


2階に行く


二階は自分の部屋以外あまり使わないから使い終わった型紙や余った使いかけの生地などの山ができている


私 「片付けするか」


コン 「頑張るかぁ」


リン 「自分達がやりましょうか?」


私 「んー」


私 (流石に自分のせいだしな)


コン 「お兄ちゃんは多分動けないし話しながら3人でやる?」


コンはランとリンに問いかける


リン 「コンさんが手伝ってくれるならすぐ終わるかもですね」


ラン 「…」


リンは肯定をしてランは無言のまま


私 「ならごめんだけどお願いしてもいい?」


コン 「わかったー」


私 「この部屋とこの部屋かな」


二部屋開けて中を見る


型紙や製図、生地などで溢れていた


私 「この部屋のは全部捨てて大丈夫だよ」


リン 「この生地も好きにしていいんですか?」


私 「あー いいよ」


私 (もう使わないやつだしな)


私は壁に手を着いて体を支える


そして一階に向かう


私 「あ」


後ろを向いて3人に言う


私 「一応作業部屋に入る時は私かコンに一声かけて欲しいけど基本好きにしていいし家のものも自由に使っていいからね」


リン 「分かりました」


私 (完全に敬語になってるな)


私 「少し作業部屋にこもるから何かあったら呼んでね」


コン 「はーい」


一階に向かう


体は少しずつ戻ってきていた






近藤 「仕事のペースを減らす!?ホンマに!?」


電話口で近藤の驚いた声が聞こえる


私 (うるっさ!!)


思わずスマホを耳から話す


私は作業部屋の椅子に座って近藤と電話をしている


近藤に仕事の進捗が遅れることを電話する


本当は休もうかと思っていたが流石に近藤に申し訳がなかった


私 「本当にごめん」


近藤 「ごめんで済んだら話は早いわ!!」


私 「親戚の子供押しつけられたんですよ」


近藤 「あー いや急すぎるわ」


私 「私だって急に家に来たかと思ったら親戚失踪したとか言われてびっくりしてるんよ」


近藤 「一応納期が遅れるとか割と客を振り回すことは出来るけどなぁ」


元々私は気分屋で仕事が出来ない時は本当にできない


そのため依頼する時の注意事項で納期が遅れることは契約書に書いてあるし近藤に説明してもらう


それを踏まえて私に依頼をしてもらっている


私 「今受けてる依頼は終わらせるけど新しい依頼は暫くはきついかなぁ」


近藤 「ったく お前さんは俺をどれだけこき使えばええんだよ」


近藤の呆れた声がする


私 「まじでごめん」


近藤 「いや 今に始まったことじゃないからいいけどな いいんだけど一発殴らせてほしいわ」


私 「殴られたら依頼できないですよ」


近藤 「分かってるわ!!」


私 「というか私も困惑してるんよ」


近藤 「どういう人なんだよ」


私 「女性二人男性1人」


近藤 「増えすぎやろ」


私 「本当にそう思うよ」


近藤 「はぁ」


近藤は一息ついて低い声で聞く


近藤 「ちゃんとやりきる気か?責任もってきちんと育てるのか?」


私 「そりゃあね やるさ」


即答する


境遇を聞いた時点でほっておく気はなかった


近藤 「即答かよ」


私 「見捨てる訳にも行かないでしょ 良くも悪くもここは自由に生きていける」


近藤 「ちげぇねぇ」


ここは人の影響が少ない


だからリンたランのリハビリにはちょうどいいのでは無いかと考える


もしかしたら人と沢山関わる方がいいのかもしれない


それは今分からなかった


近藤 「つーかその状態なら仕事無理だな」


私 「流石にしんどいね」


近藤 「謝罪まわりとしりぬぐいは俺がしとくわ なんなら今の依頼も遅らせれないか聞いて回っておく」


私 「いつも助かるよ」


近藤 「それでもお前さんのスーツがいいって顧客が沢山いるんだ お礼なら自分の腕に言っとけ」


私 「そうだね」


近藤 「あと近々様子見に行くからな」


私 「あ 来る?」


近藤 「流石にな いつものお土産も持っていくから待っとき」


私 「首長くして待ってます」


近藤 「なら一回切るわ これから忙しくなるしな」


私 「本当に申し訳ないです」


近藤 「こればっかりはしょうがないわな」


近藤はため息をついて言う


近藤 「今はその親戚の人たちを大事にしてやりな」


私 「もちろんです」


近藤 「ん また隙を見てかけるわ」


私 「うーす」


ガチャ


通話が切れる


私 (これで仕事周りは何とかなるな)


近藤には頭が本当に上がらない


私 (割と無茶を言っても本当に何とかしてくれるしな)


近藤と仕事を組むようになってから仕事に対する負担がかなり減った


椅子に深く腰かける


私 (これで3人のことに集中はできるな)


今はランとリンの情報、生活するための道具、家電など足りないものが多い


私 「酒飲まなきゃ良かったな」


ぼそっと呟く


本当なら今日すぐに買い出しに行きたかった


しかし酒を飲んでしまったので車を運転できない



コンコン



扉がノックされる


私 「空いてるよ」


私 (コンかな)


リン 「どうも」


私 (!?)


驚いて扉の方を向く


リンが扉のところにいた


リン 「お邪魔をしても?」


私 「あぁ大丈夫」


立ち上がって作業部屋のソファーの上の製図をどかす


私 「ごめんねここはあんま片付けてなくて」


リン 「大丈夫ですよお気になさらず」


リンはソファーに座る


私 「なんかあった?」


リン 「いえ 少しお話がしたいなーと思って」


私 「話?」


リン 「まぁ住むにあたってお互い知らなすぎても良くないなと思って」


リンはニコッと笑う


しかしその表情はどこか無理をしているようにも感じる


私 「まぁ助かるけれど」


机を挟んで対面の椅子に座る


リン 「えーと 何から話しましょうか」


私 「あー」


私 (こういう時何話せばいいんだろう)


口下手な自分を少し恨む


私 「お互いの自己紹介とか?」


リン 「あ ですね」


私 「なら改めて 私は東雲 蒼って言います」


リン 「私はリン 苗字は無いですよ」


私 「リンさんは外の世界を知りたいんだっけ?」


リン 「ですね」


私 「そうかぁ」


私 (外の世界なー)


漠然としているというかいまいち意味がわからない


色々体験したいのか生活したいのか


考えているとつい思わず眉間にシワがよってしまう


リン 「なにか気にさわりましたか?」


リンは怯えたようにこちらを見る


私 「ん?なんで?」


リン 「表情が険しくなっているので」


私 「あー 外の世界を知りたいのイメージがつかなくって」


リン 「んー なんて言えばいいか」


私 「あの神社を離れて生活したい的な感じ?」


リン 「そうですけど人間と一緒に生活したいって言うのもありますね」


私 「人間と?」


リン 「はい」


リンの顔を見ると少し険しい表情


何かを内に秘めているのは言うまでもない


私 (まぁ人間に裏切られたからな)


如月に聞いた話を思い出す


リンとランは元々人間を愛していた


なのに人間はその恩を仇で返した


私 「まぁ深くはまだ聞かないけど無理だけはしないでね」


リン 「大丈夫です」


私 「ん」


リン 「そういえば」


リンは別の話題を被せるように話す


この話題をこれ以上続けたくないかのように


リン 「ご主人って仕事は服を作ってるんですか?」


私 「そうだよ オーダーメイドのスーツを作ってる」


リン 「服ってなかなか作るの難しくないですか?」


私 「まぁ難しいけど慣れれば楽しいよ?例えば…」


自分の仕事の話や好きな食べ物


この家をなんで選んだのかなど


たわいもない話をリンと話した


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