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頭がぐるぐる回るような感覚
体がふわふわする
私 (頭痛い)
ゆっくりと自分の意識が戻る
鈍く重い頭痛
体の気だるさを感じる
目を開ける
「あ 起きた」
目の前にはボサボサ髪のイケメンの男性がいて
その男性は私の顔を覗き込んでいた
目を開けた時は心配そうな顔
しかし私が目を開けたのがわかると安心したような顔をする
「良かったぁ お兄ちゃん調子は?」
私 「頭ぐわぐわしますね」
私 (気だるいし頭痛い)
無理やり上半身を起こす
しかし力が入りずらく倒れる
「もうちょっと休も?」
男性に支えられる
私 「すいません」
私 (誰だろこの人)
「いいよー?というかなんで敬語なの?」
男性はむっとした表情をする
私 「え?」
「というか撫でてよいつもみたいにお兄ちゃん」
私 「え?いつもみたいに?」
「ほら」
そう言うと男は頭を差し出す
私 「どこを撫でれば?」
「頭!!いつも撫でてるじゃん!!」
私 (いつも撫でてる?)
ゆっくりと手を持ち上げて男の頭を撫でる
髪はくせっ毛でボサボサしている
黒髪で目にかかる程度の少し長い髪
背丈は155cmで小柄な印象を抱く
「んふふー」
男性は目を細めてニヤリとした表情で撫でられる
その仕草はどこかコンに似ていた
私 「そういえばあなたは誰ですか?」
男性に問いかける
すると男性は驚いたようにこちらを見る
「え?忘れちゃった?」
私 「忘れた?」
私 (会ったことあるっけ?)
思い返す
しかし記憶にない
私 「ごめんなさい思い出せないです」
そう言うと男は不機嫌な顔になる
「ならこれで思い出せるよね」
男性は頭を撫でている私の手を掴む
「目を閉じて」
私 「え?はい」
目を閉じる
「開けていいよ」
目を開ける
目の前の男性は不安そうに見ている
そしてその男性には狐耳が付いていた
「わかった?」
不安そうに問いかける
私 「コン?」
自分でもまさか目の前の男性がペットの狐だとは信じてない
しかし撫でられた時の姿やお兄ちゃんと慣れたように呼んできた
そしていつも撫でているのはコンだけだった
「せいかーい!」
男性は私に飛びついて抱きついてくる
私 「うわっ!!」
思わず後ろに倒れ込む
コン 「んふふー」
私の胸に飛び込んできて顔を擦り付ける
私 「え?本当に?」
コン 「本当だよー」
胸に顔をこすり付けつつ返事をする
私 「え?私のパソコンのパスワードは?」
コン 「sinonome1234sa」
私 「私の仕事相手は?」
コン 「近藤さん」
私 「私の部屋の位置は?」
コン 「二階の1番奥でしょ?でもお兄ちゃんリビングで寝落ちしたり仕事場所でそのまま寝ることもあるからそれも含まれるかも」
私 「最後 コンと私の出会いは?」
コン 「数年前この家に来たお兄ちゃんと会った時でしょ?忘れないよ」
私 「本当にコンかぁ」
全問正解をコンはする
他の人は知るはずが無い情報
一緒に居たコンならきっと分かるかもと思って聞いた
そして当然かのように全問正解した
コン 「んへへぇ」
コンはひたすら顔を擦り付ける
私 「なんでコンはその姿に?」
コン 「なんかさっきお兄ちゃん祈ってたけどその時に僕も人間になりたいって願ってたんだ」
私 「それで人間になったと?」
コン 「うん!!」
私 (如月さんか?)
コン 「お兄ちゃん遊ぼ!」
私 「あー 待って体重い」
コンは離れて私の両腕を引っ張る
私は立ち上がるが引っ張る勢いが強すぎてコンに倒れかかる
コン 「お兄ちゃんお酒で酔ってたもんね」
コンは私を受け止めて支える
私 「肩貸して」
コン 「いいよ 1回如月さんのとこ行こっか」
コンは私に水の入ったコップを渡す
私 「ちゃんと水だよね?」
コン 「水だよ?さっき毒見しといた」
私 「毒見て」
コップの中の水を飲む
酒ではなくちゃんと水だった
私 「ありがとう」
コン 「いいよ 行こいこ」
コンの肩を借りながら畳部屋を出る
「おはようございます」
廊下に出る
すると扉の前に2人の女性がいた
一人は私より少し高い高身長でロングの黒髪でこちらを無表情でじっと見ていた
その仕草はどこか大人びていてかっこいいと感じる風貌だった
もう1人はポニーテールで髪を結んでいてだいたいコンと同じくらいの背丈で笑顔でこちらを見ている
まるでアイドルのような天真爛漫な姿でどこか幼さを感じる
2人とも狐耳と何本かしっぽがついていた
私 (さっき話していたのはこの2人かな)
2人の顔を見る
私 (ん?)
2人の目に違和感を感じる
目が濁っている
死んだ魚のような目
ポニーテールの女性は表情は笑っているが目の奥が死んでいる
なんとなくそう感じた
私 「おはようございます」
ポニーテールの女性「あなたが私たちのご主人様でだよね?」
私 「待って ご主人とかそこまででは無いと思う」
コン 「え?そうなの?」
コンは驚いたようにこちらを見る
ポニーテールの女性 「まぁいいや 如月様は酔いつぶれて寝ちゃってるよ」
私 「まじかあの人」
人に押付けて酒を飲むだけ飲んで寝落ちをする
ダメな大人だと思った
私 「えーと 二人は私の家に住むって認識でいい?」
ポニーテールの女性 「はい!お願いします!」
私 「わかった」
ポニーテールの女性 「というかご主人はいいんですか?」
私 「二人が来ること?」
ポニーテールの女性 「はい 急すぎないかなって」
私 「まぁ急だね」
ポニーテールの女性は頬をぽりぽりとかいて困ったような表情をする
私 「けどまぁ話聞いたくらいだけど二人は外を知りたいんだよね?」
ポニーテールの女性 「めちゃくちゃ知りたいです!!」
ロングヘアーの女性 「…知りたい」
二人は前向きな反応をする
私 「まぁ成り行きだけどいいよ」
ポニーテール 「ありがとうございます!!」
ポニーテールの女性は私の手を握ってブンブンと上下に振る
コン 「良かったねリンさんランさん」
ポニーテールの女性 「いや 本当に良かったですよ」
コン 「まぁお兄ちゃん優しいから大丈夫だとは思ったけど」
私 (この2人はリンとランって言うのか)
ポニーテールの女性 「あ ご主人」
ポニーテールの女性はこちらを向く
ポニーテールの女性 「私の名前はリン!!リンって言うの!!」
私 「リンさんね」
ロングヘアーの女性 「…ラン」
私 「ランさんね 私は東雲 蒼って言います」
リン 「東雲 蒼さんね!!多分覚えたよ」
私 「好きに呼んでくれていいからね」
リン 「わかったわ」
私 「んでこの後はどうしようか」
するとリンは困ったような表情をして
リン 「如月様は寝ちゃったし早速ご主人の家に行ってもいい?」
私 「あー」
私 (なんも掃除とか準備してないんだよな)
コンの方を見ると同じように困った表情をする
コン 「掃除しないとね」
リン 「別にいいですよ?」
私 「覚悟はしててね」
本殿の入口に4人で向かう
コン 「暑いねぇ」
本殿から出て今は神社の参道を歩いている
私 「今何時だ?」
スマホにて時間を確認する
13:14
私 「うわっもうこんな時間か」
リン 「ご主人割とガッツリ寝てましたよね」
私 「というより酔いつぶれてたんだよね」
コン 「お兄さんに遊んでもらおうとしたら潰れててびっくりしたよ」
私 「ごめんね」
私 (あれ?)
参道の横にある向かい合う狐の像
さっきまでは台座の上に狐を模した石像があった
しかし今は無くなって台座だけがある
私 「リンさん ここの狐の像って」
リン 「あー あれ一応私たちなんだよね」
私 「ん?」
私 (リンとランは石像だった?)
リン 「まぁあんまり気にしなくていいかな 説明するってなると複雑すぎるんだよね」
私 「なるほど?」
参道を歩いてトンネルに入る
私 「またこの長さ歩くのかぁ」
来る時は1時間くらい歩いた
またあの長さの道を歩くと考えるとゾッとする
リン 「送っていこうか?」
私 「送る?」
リン 「うん 私たちが走ればすぐだし」
私 (走る?)
コン 「なら僕がお兄ちゃん抱えるよ」
コンは私をお姫様抱っこをする
私 「え?へ?」
コン 「いつもお兄ちゃんに抱っこされてるけど逆だね」
コンは口角を上げてニヤニヤとこちらを見る
私 「重くない?」
コン 「全然?」
コンはしっかりと私を抱きかかえる
コン 「ほらお兄ちゃんちゃんと掴んでないと落ちちゃうよ?」
私 「え?うん」
コンの首に腕を回す
コンにお姫様抱っこをされて私はコンに抱きついている
ドラマなどでしか見たことのない状況が今起きている
私 「こう?」
コン 「そうそう」
コンはニマニマとこちらを見る
私 「なに?」
コン 「いや なんか嬉しいなぁって」
私 「嬉しい?」
コン 「まあ一旦おうち帰ろっか」
リン 「2人とも仲良いねぇ 行こ!!」
コンは走り出す
続けてリンとランも
私 「っ!!」
走り出した刹那風を感じる
冷たく鋭い風
コンが走る速度は車並みに早く
振り落とされそうに感じる
私 (こわっ)
コンにしっかりとしがみつく
コン 「お兄ちゃん大丈夫?速度落とす?」
私 「大丈夫だよ!!」
大声で返事する
コン 「だいたい5分くらいだよ!!」
しばらく目を閉じてコンにしがみつく
風は冷たくジェットコースターに乗っているような気分になった
そして四人で家に向かう
とてつもない速度で
全然 ep14~17 参照




