13
4人でフードコートで何を頼むか考える
ラン 「セット」
ランはハンバーガー屋のメニュー表を指差す
それはフィッシュバーガー、ハンバーガー、チキンナゲット、ドリンクのセットだった
私 「食べ切れる?」
ラン 「余裕」
ランは指の位置を変えず自信満々に答える
私 「あーいいよ」
ラン 「ありがとう」
ランは足早に注文しに行く
リン 「あ 待って!!」
リンもランと一緒にハンバーガー屋に向かう
私 「コンは何食べたい?」
コン 「お兄ちゃんが食べてるの食べたい」
コンは私の隣で手を後ろに組んでじっと私を見る
私 「んー」
私 (麺類にしようか米類にしようか悩むな)
私 「麺か米ならどっちがいい?」
コン 「んー 米かな」
私 「ならオムライスとかは?」
コン 「あり!なんならお兄ちゃん麺頼んで半分こしようよ」
私 「そうするか」
コンに1000円を渡す
コン 「ラーメン大盛りでいい?」
私 「それでお願い」
コン 「おっけー」
コンはラーメン屋のカウンターに並ぶ
私 (コンちゃんと買えるかな)
コンは列に並んでこちらに笑顔で手を振る
私 (不安だな)
コンが気にはなるが時間が無いので私もオムライス屋のカウンターに向かう
私 (思ったより早いな)
オムライスが乗ったお盆を持ってフードコート内を歩く
私 (どこだ三人は)
フードコート内を探し回る
しかし見つからない
私 (やばい広すぎるな)
リン 「ご主人」
横にリンがいた
私 「あれ?リン?」
リン 「キョロキョロしてるの目立ちますよ こっちです」
リンは座席に誘導をしてくれる
私 「コンとランはもう来てる?」
リンについて行きつつ尋ねる
リン 「来てますよ 2人とも先に食べてます」
私 「まぁお腹すいてそうだったしね リンは?」
リン 「ご主人が迷ってるのが見えたので迎えに来たんですよ」
顔をこちらに向けてジト目で私の目を見る
私 「ごめん」
リン 「まぁご主人は私たちと連絡する方法がないので仕方ないですね」
私 「早くスマホ買わないとね」
リン 「ですね」
リンについて行くとハンバーガーを頬張るランとラーメンをすすっているコンを見つける
私 「ただいま」
コン 「ほはえり」
コンはラーメンを飲み込まずリスのように頬をふくらませてこちらを見る
ランはハンバーガーを口いっぱいに詰め込んで食べている
私 (見た目は2人ともモデル並みに綺麗なのに食べ方がなぁ)
オムライスをテーブルに置く
リン 「ラン 流石に人前だからもう少し」
ラン 「気にしない」
ランは大口でハンバーガーを頬張る
私 「ハンバーグ頬張るのもいいけど一応丁寧に食べて欲しいかな」
ラン 「…わかった」
ランは口を紙で拭いてからまたハンバーガーを食べる
今度はリスみたいに口いっぱい詰めないでゆっくりと食べる
私 「ありがとう」
コン 「お兄ちゃんのオムライス食べていい?」
私 「いいよ」
コン 「ならこれね けっこうラーメン当たりだよ」
コンは私の前にラーメンを置く
私 「それは楽しみだ いただきます」
ラーメンをひと口食べる
醤油ラーメンで私の好みのラーメンだった
私 「うま」
コン 「ねー オムライスも美味しいよ」
もうひと口ラーメンをすする
私 「リンもハンバーガー?」
リンの方をちらりと見るとリンが目を見開いてこちらを見ていた
テーブルの上にあるハンバーガーには手をつけていない
私 「え?」
リン 「…」
私 「リン?」
リン 「あ すいません」
リンはハンバーガーに手を取りひと口食べる
私 「なんか付いてた?」
コン 「お腹すいてない?」
ラン 「…」 (もぐもぐ)
私とコンは心配そうにリンの顔を見る
リン 「いえ 少し驚いてしまって」
私 「何に?」
コン 「お兄ちゃん交換しよ」
私 「ん」
オムライスとラーメンを交換する
リン 「お姉ちゃんがここまで素直に言うことを聞くのはなかったので」
ラン 「リン失礼」
リン 「でも事実じゃん」
リンがそう言うとランはムッとした表情になる
ラン 「たまにはちゃんとする」
リン 「たまにじゃん」
リンはハンバーガーを口にくわえて鋭く細い目でランを見る
声は少し低く怒りを覚えている
私 「その辺で ランもリンの注意は意味あるから聞いてくれたら嬉しいかな」
ラン 「考えとく」
ランもムッした顔で低い声で話す
私の隣にコンが座っていてテーブルを挟んでランとリンが座っている
しかしランとリンは目を合わせず黙々と食べている
私 (気まずいなぁ)
コン 「せっかく4人できたから楽しくしたいのに…」
コンはしゅんと落ち込んだ顔になる
リン 「あ ごめんね」
ラン 「大丈夫」
ランとリンは焦ったようにコンの方を見る
私 「無理はしないで欲しいけど出来れば仲良くね」
リン 「はい」
ラン 「大丈夫」
コン 「大丈夫?」
コンは泣きそうな目で心配そうにリンとランを見る
リン 「あー いつも良く私たちは喧嘩しちゃうけど本気じゃないので」
ラン 「日常茶飯事」
コン 「ならいいけど…」
しばらく無言で食事を進める
私 「ご馳走様でした」
リン 「美味しかったですね」
ラン 「リンの今度食べたい」
リンの食べていたハンバーガーの包み紙を見る
リン 「ならまた帰りに買っていきます?」
ラン 「行く」
リン 「ご主人今日の夜ここで買って行ってもいいですか?」
私 「いいよテイクアウトで持ち帰ろっか」
ラン 「ありがとう」
コン 「僕ピザ食べたい」
コンは裾を引っ張ってピザ屋を指差す
私 「あー なら今日はピザにしようか」
コン 「やった!!」
コンはガッツポーズをする
私 「とりあえず行こうか」
4人でフードコートを出る
私の隣にコンとランが居てランの隣にリンが居る
私 「コンの服は私ので一旦いいとしてとりあえずランとリンの服をそれぞれ買ってきて欲しいかな」
ランとリンの方を向いて歩きながら2人に話す
ラン 「わかった」
リン 「了解です」
コン 「僕はお兄ちゃんと?」
私 「いや、コンはリンとランと一緒に行って欲しい」
コン 「分かった」
私 「2人に何かあってもいいようにちゃんと守ってね」
コン 「大丈夫だよしっかり守るね!!」
コンは両手を胸の前に持ってきてふんすと意気込む
しばらく歩いてエレベーターの前に行く
私 「んじゃあ一旦分担で なんかあったらまぁ探してきて」
リン 「分かりました」
ラン 「いっぱい買う」
コン 「僕もいくつか買うね!」
私 (心配だな)
私は手をヒラヒラと振ってエレベーターに乗る3人を見送る
私 (さっさと契約してくるか)
私は中古スマホの契約のため携帯ショップに向かう
2時間後
私 (疲れたぁ)
両手に4台の携帯や携帯のコードやカバーなど様々なものが入っている袋がある
私 (ついでで買い換えたけど割と時間かかるんだな)
スマホを開いて時刻を見る
14:50
私 (この後3人と合流してってなると時間かかるな)
新しいスマートフォン
壁紙も設定していないから名前も知らない花が写っている
私 (まぁ一旦三人の)
ぷるるる ぷるるる
電話が鳴る
データを移していないスマートフォン
電話番号は変えたがまだ誰にも教えていない
私 (誰だ?)
表示されているのは電話番号
しかし電話番号の法則がおかしく、090や080、0120ではなかった
私 (外国からか?)
電話に出る
「どうも東雲さん」
私 「如月さんか」
如月 「お世話になってますね」
私 「言葉ぐちゃってなってますよ」
如月 「もうタメ口でもいい?」
私 「いいですよ というか酒の件許しませんからね」
如月 「いや 飲みニケーションしようと思ったらあんな弱いと思わないじゃん」
如月はけたけたと笑いながら言う
私 「割と酒弱いんですよ 昔からダメで」
如月 「ごめんごめん 次は弱い酒用意しとくから」
私「酒なのは変わらないんですね」
如月 「あー ウケる」
私 (神なのにウケるとか言うんだ)
私 「そういえばなんで電話を?」
如月 「そうだそうだ忘れるところだった」
如月は笑いながら言う
如月 「三人はもう少し見て回りたいから17時にフードコートで待ち合わせしたいって」
私 「17時ですね」
如月 「そうそう あと服は1回車に積んだらしいわよ」
私 「あれ?鍵って」
バッグの中をチラ見する
車の鍵があった
如月 「荷物多すぎたから多分使ったんでしょ」
私 「本当はあんまり使って欲しくないんですけどね」
如月 「まあ多少は大目に見てあげて 一応私も何してるかはちゃんと見て過度なことは出来ないようにしてるから」
私 「分かりました」
如月 「あと様子見てたけど特に問題なさそうだったしこのままでお願いね」
私 「了解です」
如月 「なんか他人行儀すぎない?」
私 「一応神様なので」
如月 「一応じゃなくてちゃんと神様なんだけど?」
私 「…なんというかまだ距離感が分からないので」
如月 「そ まあ無理されてもあれだし私としては砕けて話して欲しいけどね」
私 「やれたらやります」
如月 「それやらないやつじゃん」
私 「ふふ 私も少し見て回りたいのでそろそろ」
如月 「ん またね」
電話を切る
私 (17時にフードコートか)
あと2時間ある
私 (車戻って荷物減らしたら少し見て回るか)
駐車場に向かう
私 (どんだけ買い込んだんだ)
荷物をしまいつつ思わず呆れた表情になる
車の一番後ろの席には袋が大量にある
手前の袋をとって中身を見るとシャツが10枚入ってた
私 (買い込んだなぁ)
袋には店舗の名前が書いてある
後部座席が埋まるくらい服を買い込んでいた
私 (上着シャツジーパン諸々合わせてざっと50着以上あるよな)
思わずため息をつく
おそらく財布はそこをついてるだろう
私 (まぁ初期費用か)
車のドアを閉めて鍵をかける
私 (貯金しといてよかった)
駐車場から再びモール内に入る
15:20
私 (ゲームショップか)
モール内をぶらぶらと歩く
最新のゲームの情報が映し出されてた
私 (あ これテレビで見たやつだ)
大人数でできる戦闘ゲーム
だいたい6000円くらい
私 (いくつかソフト買おうかな)
本体は幸い持っていた
今はやる気がなくて置物と化している
私 (これなら三人で一緒に遊べるし少し買っていくか)
私は複数人で遊べる戦闘ゲーム、パズルゲームを中心にソフトを選んでいく
店員「お会計25040円になります」
私 「現金でお願いします」
私 (ソフト10本まとめ買いしちゃった)
つい財布の紐が緩んでしまった
みんなで遊べるゲームを探して行くうちにカートの中にはソフトが溜まっていき
10本くらい溜まったところでどれを棚に戻すか悩んだ挙句にカゴの中のソフト全て買うという暴挙に出た
私 (まぁたまにはいいか)
店員 「ありがとうございましたー」
私の手にはソフトが入った袋がある
私 (帰ったら少しやろうかな)
ウキウキしてしまう
私 (ボードゲームも少し気になるけどさすがに今度かな)
スマホを見る
16:45
私 (いい時間だし向かうか)
フードコートに向かう
私 (まじ?)
三人は入口で待っていた
三人それぞれ大量の袋を抱えて
ラン 「おかえり」
リン 「おかえりなさい 買っちゃいました」
ランとリンはにこにことして
コン 「あはは」
コンは苦笑いをしている
私 「随分買い込んだね」
コンはフラフラと疲れている足取りでこちらに来る
コン 「ランとリン凄かったよ」
私 「何があった?」
コン 「これ全部ランとリンの買い出し」
私 「えっ!?」
コンが両手に持っているパンパンに詰まった袋を見る
その中には化粧品が入っていた
私 「これ2人の?」
コン 「これはリンのだよ ランは」
コンは反対の手に持っている袋を前に出す
布や毛糸が入っていた
私 「布?」
コン 「まぁそれはおいおい話すね 先に車行ってもいい?」
コンは疲れきった声で話す
私 「なら晩御飯買ってくるよ ラン リン」
私は二人に手招きをする
すると2人は両手の袋を持ってこちらに来る
かなりの量がある袋を抱えてるのに背筋はピンと伸びてどこか凛とした雰囲気を感じる
私 「下着とか箸とか最低限日常生活送るための道具もちゃんと買った?」
ラン 「買った」
リン 「初めて買い物来たのでかなり買っちゃいました」
私 (初めて?)
リンの言葉に引っかかる
私 「まぁ金が足りたなら良かったよ」
リン 「あ 足りなかったので如月様に借りました」
私 「いくら?」
ラン 「20万程度」
私 「…わかった」
私 (後で如月さんに返さないとな)
私 「とりあえずご飯だけかって向かうから荷物置いて待ってて」
ラン 「分かった」
リン 「車の鍵貰ってもいいです?」
私 「あー この袋でいいか」
リンが持つ紙袋の中に車の鍵を入れる
リン 「そのまま私のポケットに突っ込んでも良かったのに」
リンは腰のポケットを指さす
私 「さすがにそれは勇気がいるかな」
リン 「そうです?」
私 「そうそう 私もすぐ行くから先向かってて」
リン 「はーい」
コン 「また後でねお兄ちゃん」
私 「ん」
三人は駐車場に向かう
私は見送った後にフードコートに向かいつつ電話をかける
プルルル プルルル
如月 「ふぁい」
如月が出る
寝ていたのか少し間の抜けた声になっている
私 「あー寝てました?」
如月 「少しね それよりどうしたの?」
私 「本当にすいません」
如月 「ん?何が?」
私 「20万くらい」
如月 「あー 」
私 「また返しに向かいますね」
如月 「その事だけど別にいいわよ あの二人の必要なものだし払わせて」
私 「いいんですか?」
如月 「むしろそこまで責任おわせる気は無いわよ 経費よ経費」
私 「ありがとうございます」
如月 「そこまでの覚悟あるの笑うわ」
けたけたと如月は笑う
私 「まぁ成り行きとはいえ人が三人も増えたので」
如月 「にしてもリンがあんなに買ったりランがあなたの言うことを聞いたりしてびっくりしたわ」
私 「如月さんといた時は違ったんですか?」
如月 「全然ね リンは良くも悪くも欲ややりたいことを全く言わないし ランはわがままというかやんちゃなところがあったのよ」
私 「無理してないといいんですけど」
如月 「してないんじゃない?見た感じのびのびしてるわよ」
私 「そうですか」
如月 「やっぱ東雲さんでよかったわ 波長もいいし」
私 「波長?」
如月 「あ」
私 「波長って?」
如月 「それは今度話すわよ」
私 「まぁ話してくれるなら というかランとリン私との距離近くないですか?警戒心が薄いというか」
如月 「まぁ近いけどそんな近すぎるというわけじゃないしいいんじゃない?」
私 「さっきリンにポケットに鍵入れていいって言われたんですが」
如月 「あら良かったじゃない 胸ポケット?」
私 「腰ポケット」
如月 「まぁふたりが嫌がってないならいいんじゃない?リンが言ってきたんだし」
私 「えぇ」
如月 「まぁいいや それと二人の買ったものとかはレシートを撮影して送ってくれればお金送るから」
私 「分かりました」
如月 「んじゃ私寝るわ おやすみ」
電話が切れる
私は通話終了と写っている携帯の画面を見ながら呆然とする
私 (あの神結構適当だな)
ポケットに携帯をしまう
私 「あ」
手に持っているソフトの袋を見る
私 (コンについでで持っていってもらえばよかったな)
少し後悔をしつつフードコートに行く
そしてハンバーガーのセットとピザのセットをテイクアウトで注文する
私 (この後荷物下ろしたり大変だよなぁ)
スマホでニュースを見つつぼーっと待つ
私 (あれ?)
嫌な予感がする
私 (あの量の荷物車に積んだら三人座れなくね?)
6人乗りの車
トランクは私の仕事道具や非常時のセットが入れてあるから使えない
1番後ろの2席は服で埋まってる
真ん中の席は3人が持っていた袋で埋まるだろう
私 (どうしよう)
冷や汗をかきつつ私はハンバーガーとピザが出来上がるのを待ち続けた




