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METAL QUESTER  作者: 藤沢マサト
第三章 最終決戦
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第21話 補給基地へ突撃せよ

 ついに大陸連合軍は最終決戦に向けての突撃作戦を開始した。その内容は大陸連合軍艦隊を浮遊大陸軍の本拠地付近の補給基地を完全に叩くというものであった。

 とはいえ、浮遊大陸軍側もこの事を見越して、補給基地の守りをしっかりと固めていた。そのため、迂闊に攻撃すれば逆にこっちが叩かれる可能性もある。その中でゲイリー達は焦っていた。


「まさかこんなことになるとは……。だが、やるしかない!」

「ゲイリー中佐、本気ですか?」


 張り詰めた空気の中、ゲイリーは頷く。 それを聞いたソロスもまた、覚悟を決めた。



 一方、リュウタ達は戦闘訓練に励んでおり、彼らは各々の苦手な分野の訓練に集中していた。

 リュウタとラゼックは射撃訓練を、マナとバルティックは格闘訓練という形である。


「ツメが甘いぞ!」

「クソォ、やってやる!」


 動くターゲットにひたすら銃を撃っていくリュウタ。

 彼はまだ未熟な面を改めて知ることになった。その後休憩時間となり、ラゼックと会話する。


「リュウタ、どうだった?」

「いや、全然……。教官のおっさんに叱られてばっかで……」


 リュウタは、自信の無い表情で俯いていた。

 その顔は、終始本調子を出せずに悩み苦しんでいるようにも見える。


「それぐらいあるって。元気出せよ」


 イカロスナイトは必死に彼を元気づけようとするが、リュウタの心のエンジンはかからない。


「でもよ、俺って戦場だと完全に雑魚なんだな……」

「そんなこと無いさ」


 ラゼックもまた、リュウタの自信を取り戻させようと試みる。


「今まで戦い抜いて来たじゃないか。ずっと俺達と」


 イカロスナイトの言葉を聞き、リュウタはかすかに微笑む。


「そう……、だな。とはいえ、油断せず訓練もやらないと。現実の戦いはゲームみたいに上手くはいかねぇしな」

「その意気だぜ、リュウタ」


 彼は勇気を取り戻し、椅子から立ち上がる。その後もリュウタは訓練終了時間まで射撃訓練を続ける事にした。



 時を同じくして、マナとバルティックは格闘訓練を行っており、マナは苦戦し、この訓練となるとどうにも上手くこなせずにいた。


「どうした! こんなものか?」


 バルティックは激しいパンチでマナを翻弄する。とはいえ、マナもこのままではいけないと立ち上がる。


「私だって、やるときはやるんだから!」


 彼が繰り出したキックを素早く回避したマナは、相手の懐に潜り込む。


「何ッ! はめられたか!」

「一発!」


 マナはすぐさま強烈なストレートパンチを繰り出し、相手を怯ませる。


「クソォ……」

「もう一発もらったわ!」


 さらに彼女は、蜂の如く強烈なパンチを放った。この攻撃を喰らい、バルティックは限界を感じたのか横になった。


「今回の訓練はマナの勝ちだな。とはいえ、油断は出来ないぞ」

「分かってるわ、バルティックさん。まさか私が勝っちゃうなんて……」


 すると、ブレスレット越しからケルブバスターが語り掛ける。


「マナ、とりあえずこれで克服は出来たな」

「そうね、ケルブバスター。これからも鍛えなきゃ」


 マナは一気に心の重荷が降りた分、その反動で笑顔になった。



 そして三日後のこと────────

 大陸連合軍はついに敵補給基地を叩く作戦を実行することになった。圧倒的な火力で敵部隊に挑むという作戦であった。

 この作戦が吉と出るか、凶と出るか。この顛末は神のみぞ知る。


「リュウタ、早く出撃するぞ!」

「分かってる! サモナイズ!」


 リュウタ達四人はすぐさま相棒を実体化させ、艦から出撃した。

 今回の作戦では前線部隊として戦う事となり、リュウタとラゼックはMH部隊殲滅、マナとバルティックは艦隊掃討の任務が与えられ、戦いは幕を開ける。


「来たなメタルクエスター! 撃ち落としてやる」


 上空を飛行中、ウイルゾンが急速に接近し、イカロスナイトは空中でファイアキャリバーを構える。


「このォ!」


 互いの刃が鍔迫り合った。そして、すぐさまイカロスナイトは近距離でバルカンを連射した。


「しまった!」

「よし、行くぞイカロスナイト!」

「任せろ!」


 隙を突いてイカロスナイトは、敵を素早く捌く。敵機は爆発四散し、そのまま機体は水底に沈んでいった。



 時を同じくして、ラゼックは海中で戦闘部隊と対峙。激しい格闘戦を繰り広げる。


「なんて素早い槍の突きだ……」


 クラークスピアーはただ避ける事しか出来ずにいた。


「クラーク! このままだとこっちが持たない! 拡散ビーム砲を……」


 ラゼックはすぐさまコントロールパネルを操作し、拡散ビーム砲を実体化。透かさず光線を撃った。


「何ィ! ウワアァァァッ」


 敵機は水中で泡を吹きながら爆発し、鉄の屍と化した。しかし敵機はまだ複数いた。

 次は遠距離から攻撃を仕掛けてくる上、敵も大勢いる。なかなか手も足も出ない状態であった。


「なら、アレだ!」

「そうか。『アレ』だな」


 クラークスピアーはボタンを押し、すぐさまクラークスピアーをスプラッシュプランジ・ツバイの準備態勢にさせた。


「決めてやる! 喰らえェッ!」


 この技によって生み出された複数の分身と共に、クラークスピアーは何度も素早く槍を突いた。

 これにより、敵海中部隊の内、尖兵の三分の一が殲滅。そのままラゼックは本隊のいる補給基地へと歩を進めるのだった。



 一方、マナとバルティックは大型輸送機の上に乗り、敵の艦隊に攻撃を仕掛けていた。

また、二人以外にも艦隊に先攻を仕掛ける僚機も複数おり、戦力としては万全である。


「戦艦があれだけあるんじゃ、流石に仕留めきれないんじゃないかしら……」

”マナ、自信を持つんだ。お前なら行けるさ……”


 ケルブバスターは必死にマナを励ます。


「分かったわ。やって見せる」


 彼女の目を一気に鋭くして、敵艦の砲台に照準を合わせる。


「喰らいなさい!」


 ケルブバスターのサイクロンバズーカから放たれた光線で、敵戦艦の主砲が破壊された。これにはこの艦の乗員も驚かざるを得なかった。


「何だ! 一体何が?」

「どこからか撃たれたのか!? 主砲が……」


 さらに透かさず、ケルブバスターはサイクロンブラスト・ツバイを繰り出そうとする。


”マナ、聞こえるか?”

「バルティックさん!」


 バルティックから突如として連絡が入った。


”ミノスソルジャーのキャノン砲と、マナのサイクロンブラスト・ツバイを組み合わせれば、より強力になると思うんだ。やってみる価値はあるだろ?”

「そうね……。是非!」


 冷静な表情でバルティックはコントロールパネルを操作し、マナに合わせる座標軸のメッセージを送った。


”行くぞ……。準備は良いな?”

「いつでも大丈夫よ、ね?」

「勿論だ、マナ」


 そして、今度こそ発射態勢が整う。


”よし、今だ! 行くぞ、撃てェーッ!”

「オーケー!」


 ケルブバスターのサイクロンブラスト・ツバイ、それに合わさる形でミノスソルジャーの二連装長距離砲のビームが放たれそのエネルギーは強力なものとなった。その巨大な光線は、敵艦に直撃。


「まずい! また来たぞ!」

「回避不可! 回避不可! ウワアァァァッ!」


 その攻撃は、敵の戦艦を一隻沈めるほどであった。

 そして運よく、マナとバルティックは補給基地へともうすぐ上陸する所まで来た。



 一方、リュウタとラゼックは合流し、補給基地へいち早く上陸し、敵部隊と対決していた。ガスタンクやコンテナが並ぶ海岸にて、MH部隊と戦闘を繰り広げる。


「まずい! このままじゃハチの巣だぜ俺!」


 イカロスナイトは、今までにない十字砲火にいつにも増して震えながらもキャノン砲を速射した。

 この攻撃によって、敵機は一機仕留められたものの、まだ護衛部隊の戦力は過剰と言えるほど多かった。


「よし、イカロスナイト。行くぞ!」

”ちょい待ちな! 俺達のことも忘れてるぜ”

「分かったよラゼック、クラークスピアー!」


 ラゼックは拡散ビーム砲を発射し、同時に複数の敵機を損傷させた。

 だがこの程度では敵は怯まなかった。一機のカリバードが剣を振るう。


「おのれメタルクエスターめ!」

「させるかよォ!」


 ラゼックはすぐさま素早く拡散ビーム砲で零距離射撃。

 この攻撃によって、機体は爆発四散した。


「やるな、ラゼック。俺だって!」


 リュウタはすぐさまターゲットの機体に照準を合わせて、キャノン砲で掃射し、ここにいた敵部隊を殲滅させることに成功する。その直後にマナとバルティックも合流し、さらに戦力は確固たるものへと近づいていく。



 一方、ゲイリーは別方向から攻撃を仕掛けており、敵の艦隊の十字砲火を潜り抜け、なんとか上陸に成功。この補給基地の軍港にて、敵部隊と交戦中てあった。


「ソロス、このまま後発の戦闘部隊も送り込むぞ」

”了解、ゲイリー中佐”


 ゲイリーとソロス達は軍港を抜けて、ビームライフルで敵部隊に掃射を行い、少しずつではあるが基地の中核部に進みつつあった。


「こいつらめ! スクラップにしてやる!」


 敵軍も負けじと集中攻撃を仕掛け、さらにウイルゾンで構成された戦闘部隊によって、陸のみならず、空からも攻撃が仕掛けられる。


”中佐、このままでは全滅は免れません! 早く先に!”

「だが、ソロス! 命を粗末にしろと教えた記憶は無いぞ。俺に任せろ」


 ゲイリーは二本のビームソードを取り出し、空中で一度に二機の敵機を撃墜して見せた。


”ソロス、今だ! 撃てェッ!”

「はいッ」


 ソロスはすぐさまビームライフルで残った空中の敵機を撃墜し、一気に優位に立つ。


「何て奴らだ。早くこの連中を……、ん!?」

「喰らえェェッ!」


 その時、炎を纏った刃が敵部隊を一掃した。

 ゲイリーはすぐさまあの男が来たのだと確信する。


「リュウタ、まさか来てくれるとはな……」

”助け合いは大事じゃないですか。早く中核部の方へ行かないと……”

「そうだな。早くしよう」


 リュウタ達はすぐに基地の中核部へと向かって行く。しかし、敵部隊はその程度で怯むことは無かった。

 その上、そこではスレイン率いるオスリクタ隊が待ち伏せをしていたのだ。


「さてと、バウル、メナン。このまま奴らを止めるぞ! この基地は何としても死守しよう」

”了解!”

”はい。任せて下さいまし”

「では、奴らを叩くぞ!」


 スレインはすぐにキャノン砲を展開し、遠距離からイカロスナイトに攻撃を仕掛ける。


「何ィッ!? やっぱりあいつ、なかなかやるな」

「リュウタ、あれだ!」

「分かった。任せなって!」


 イカロスナイトは腕部キャノン砲からビームを発射する。


「させるものですか!」


 メナンがビームバズーカを構えて攻撃を仕掛けた。


「クソォ、邪魔しやがって」

”リュウタ、ここは私に任せて!”

「分かった、マナ」


 リュウタはすぐさまスレインと対決すべく、マナにこの場を預けた。

 そして、マナとメナンの激しい戦いが繰り広げられることとなる。



 時を同じくして、バルティックとラゼックはバウルと対峙する。


「メタルクエスターめ。どこまでも邪魔を……」

「コイツの相手は俺が!」


 バルティックはすぐさま一対のトマホークを構えて、バウルの機体目掛けて投げつけた。


「ウゥッ! 何という奴だ。だがこの程度でッ!」


 バウルはビームソードとシールドを構えて、素早く攻撃を回避するも、なかなか攻撃のチャンスは見つけられずにいた。

 そこで、ラゼックは拡散ビーム砲を透かさず発射した。


「ウワアァァッ! 何て奴だ! この程度の攻撃で……」


 バウルは何とか今の状況を立て直そうと試みる。


”今だ、バルティックさん!”

「分かった! ミノスソルジャー、行くぞ!」

「よし、任せな!」


 ミノスソルジャーはすぐさまグランドディバイド・ツバイでバウルの機体に致命打を与えた。

これにより、バウルはすぐさま脱出ポッドで命辛々逃げ出すことになる。



 一方、マナはメナンと激しい撃ち合いを行っていた。


「なんて攻撃なの……。ならサイクロンブラスト・ツバイで倒すしか!」

「ふん、同じ手は二度も通用しなくてよ!」


 メナンはなんと、サイクロンブラスト・ツバイを回避して見せた。だが、マナからすればこれは策の一つであった。


「いけるわ、ケルブバスター!」

「オーケー、マナ!」


 ケルブバスターは透かさずメナンにビームクローで襲い掛かる。


「キャアァァッ! 何て奴!」


 その攻撃によって、メナンの機体は一部破損し、そのまま撤収を余儀なくされた。



 一方、リュウタとスレインは激しい接近戦を繰り広げ、互いに満身創痍の状態であった。


「ワイバースレイヤー、いよいよこれを使うぞ!」

「分かった。ダークタナトス!」


 ワイバースレイヤーは闇を纏ったダークグレイブを構えて、素早くX字状に斬る。


「クソォッ! このままじゃ死ぬ!」


 何とか持ち堪えたものの、イカロスナイトのシールドは使い物にならなくなっていた。

 ここで、リュウタはキャノン砲を構えてワイバースレイヤーに攻撃を仕掛ける。


「これでッ!」


 キャノン砲を喰らったワイバースレイヤーは、機体の肩部に損傷を負った。

 その中でリュウタは、偶然キャノン砲のデータに気になるものを見つける。そこには「Beam Charge」と書かれており、早速彼はイカロスナイトのデータを書き換えて仕様を変更した。


「リュウタ、何したんだ?」

「ちょっとした細工だ。よし、これで……」


 エネルギーカートリッジを取り換えて、すぐさまリュウタは照準をワイバースレイヤーに合わせた。


「キャノン砲フルチャージ、といったところかな! 喰らえェッ!」


 リュウタはこの攻撃でワイバースレイヤーに対抗する。

 この攻撃によって、敵機にダメージを与える事に成功した。さらにリュウタは攻撃の手を止めない。


「よし、リュウタ! 行くぞ」

「バーニングスラッシュ・ツバイ!」


 リュウタはすぐギガ・ファイアキャリバーの刃に炎を纏わせて、敵に斬りかかった。それに負けじと、ワイバースレイヤーも再度ダークタナトスで対抗する。


「何をォォッ!!」

「俺がこの程度でやられるかァァッ!」


 ここでリュウタは、機体の出力をフルにして一気に敵機を打ち払った。


「何ィっ!! 俺の胸に傷が……」

「仕方あるまい。撤収しよう」


 ワイバースレイヤーは胸部装甲に損傷を負い、そのままこの場を去って行った。


 一方、ゲイリーは補給基地の司令部の攻撃拠点を叩く事に成功した。


”やりましたね、隊長! ついにこの補給基地も……”

「そうだな。作戦完了。全員撤収」


 こうして、浮遊大陸軍の補給基地は陥落。作戦は見事成功に終わる。

 まだ行方の分からぬ未来。そしてリュウタ達の運命や如何に。

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