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METAL QUESTER  作者: 藤沢マサト
第一章 正解のない旅路
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第11話 西へ駆けて行け

 リュウタ達はエスティアを出てから、アレシア山脈を沿っていく形で西へ行こうとしていた。

彼らの今の目的は再びメガリアへと向かい、より多くのバッテリーパックなどのような機械類を買い集めるということである。夕暮れの中、テントを設置してキャンプをする中で作戦会議は行われた。


「今回、メガリア大陸へ向かう上でネックになるのが西の……、この基地だ!」


 バルティックは、立体地図をテクターブレスレットから映し出す。そこには大陸連合軍の広大な前線基地と思しきものが建っていた。


「なんだ。ただの基地じゃないか。許可を取れば通れるだろ」


 ラゼックは気楽そうな表情をしている。


「いや、それが違うんだ……」

「何がどう違うんだよ?」


 リュウタはその発言に対し眉をひそめていた。


「ここは浮遊大陸軍の奴らが、完全に占拠しているんだ」

「嘘だろ……」


 唖然とするリュウタ達。それもそのはず、このような状況では簡単にメガリアへとたどり着くのは困難であった。また、彼らのいるメガリア南西部は旅客用車両などが走っていない場所であり、わざわざラグルード基地に戻るのは二度手間である。


「じゃあ、ここを迂回することは出来ないの?」


 マナは口をしかめつつバルティックをじっと見る。


「そうだな……、仮に迂回したとしても奴らと戦う事は免れないだろうな。何しろ基地の外周にも敵が警備を行っているからな」

「そうなの。じゃあ何もせずにスルーは出来ないわね」


 リュウタ達はどこか虚ろ気な表情を見せた。

 

「リュウタ、こればかりは仕方が無いさ。やるしかないぜ。な?」


 イカロスナイトは必死にリュウタを励まそうとする。


「そうだけどよ……、でも今回ばかりはやるっきゃないな」

「リュウタ、本気かよ!? そんなことして敵の大群が押し寄せてきたら……」

「分かってる。生死ギリギリのラインは通るのを覚悟してやるしかない」


 早くもリュウタは覚悟を決めているようであった。


「リュウタの言う通りかもしれないな。やるだけやる……、か」


 ラゼックはどこか心の霧が晴れていないような様子である。


「とにかく、明日に備えて寝ましょ! 早くテントに入ってゆっくり休みましょうよ」

「そうだな。寝るっきゃない!」


 そして、各々のテントに入り眠りについた。



 翌日、朝を迎えたリュウタ達四人は、テントを片付けて再び西側へと向かっていた。

リュウタ達はMHに乗り、ひたすら西へと突き進んでいた。


「イカロスナイト、速すぎるんじゃないか?」

「そうさ、俺達三人は空が飛べないから走るしかないのによ」


 クラークスピアーとは文句を言いつつもイカロスナイトをひたすら追いかけていた。


「流石にちょっとスピードを落とすか……」

「そうだな。あまり早く行っても、あいつらがいないと一人で困るだけだしな」


 リュウタは少しリラックスした表情であった。



 一方、浮遊大陸軍が占拠したバローグ前線基地では、既にリュウタ達が接近していることを察知していた。これを受け、彼らは出撃することとなった。


「さてと、本当の地獄とやらをみせてやろう……」


 兵士の一人は、悪魔にも似た目つきでレーダーを確認していた。


「あ、あれは……、ううぅ、頭が……」


 鹵獲したと思われる大陸連合軍のレザスに乗っている兵士は、何故か辛そうに頭を抱えている。

 こうして、戦いは幕を開けたのだった。



 リュウタ達四人は基地付近までたどり着くが、レーダーで捉えた敵機の数に青ざめる。

 何と、その数は約四十機であった。これには好戦的なバルティックですら溜め息を吐くほどであった。


「ひとまず……、行くしかないな」

「あぁ、行こう」


 リュウタは操縦桿を握り、照準を定める。その中で、イカロスナイトは目の前にいたレザスの内部を分析した。

 すると、その敵機の中には大陸連合軍の制服を着た兵士が座っていたのだ。


「ん!? リュウタ、このレザスに乗ってるのは大陸連合軍のやつみたいだ……」

「でも、なんでそんな人が……」


 突然の発言に呆気にとられるリュウタ。


「これはもしや……、アイツらが洗脳したに違いない!」

「じゃあ前にイカロスナイトが言ってたのは……」

「奴らは次元転移者だけでなく、現地の人間にまで牙を剥いていたとはな……。なるべくレザスを倒すときは急所は外せ」

「オーケー」


 こうして、イカロスナイトは剣を振るい始めた。


「このォ! こいつで!」


 その剣の刃は、レザスの頭部を切断して戦闘不能に追い込んだ。さらに敵は群がっていく。ブラスティムの遠距離攻撃部隊が合流したのだ。


「クソッ、遠距離じゃどうにもならない……」


 そこへとマナが現れ、サイクロンライフルを撃っていく。


「大丈夫? リュウタ。それにイカロスナイトも……」


 不利な状況下であったリュウタ達を見て、おどおどと不安げな表情をするマナ。


「今のとこは無傷さ。大丈夫。それと、レザスは急所を外すようにラゼックとバルティックにも伝えてくれ」

「わかったわ」


 マナは軽く頷いて、再度態勢を整え直す。


「リュウタ、待たせたな」

「言うほど待ってはいないさ。さぁ、行くぞ!」

「俺達の腕の見せ所だな。行こう、ミノスソルジャー」


 こうして四人はようやく合流し、戦いはさらに激しさを増すことになる。まだ敵の数は多く、苦戦を強いられた。


「なんて敵の数だ! このままでは……、いや、絶対にここを突破する!」


 バルティックはグランドアックスを使いリボルティムの胴体を切断した。

 敵機は爆発四散し、機体の残骸は灰と化す。


”レザスは見た限りだともういない! だから容赦なく敵を倒すぞ”

「分かった、リュウタ!」


 そして、バルティックはグランドディバイドを繰り出す。


「喰らえ! グランドディバイド!」


 この攻撃により、彼は烏合の衆の如く群がっていた敵部隊の大半を撃墜して見せた。



 そして一方、ラゼックも負けじと敵の残り僅かな敵勢にターゲットを絞っていた。


「バルティック、助かったぜ。次は俺の出番だな。行くぞ、クラーク」

「オーケー、任せな」

「喰らえ、スプラッシュプランジ!」


 蒼い水沫の様な閃光が、複数の敵機を一気に貫いた。こうして、今回の戦いは終わりを告げる。



 この後、バローグ基地へと降り立った四人は、洗脳された大陸連合軍の兵士達を助け出し、施設の中へと誘導していた。


「俺は……、誰だ……。頭が痛い! ウゥッ」


 大陸連合軍の兵士は頭を抱えながらふらふらと歩いていた。


「このまま左の部屋に向かうみたいだぞ、リュウタ。そうしないと彼らの症状はもっと酷くなるばかりだ」

「分かった、バルティック。ここが電子治療室か……」


 緊迫した表情で扉を開けるリュウタ。


「どうやら、ここで脳波をコントロールする形で洗脳されたみたいだな……。解除も出来そうだ。リュウタ、お前はコンピューターの操作に自信があると言ってたな」

「まさかこのデカいのを操作しろと!? バルティックさん、無茶だよ……」


 リュウタはこの大型コンピューターを見て困惑せざるを得なかった。


「大丈夫だ。操作手順はマニュアルを見ればすぐに分かるはずだ」

「分かった、やるだけやってみるよ」


 そして、ラゼックとマナは兵士達をカプセルの中にどうにか誘導し、マニュアルの通りにリュウタとバルティックはコンピューターの操作を行った。


「第二制御システム、稼働開始したぞ」


 コンピューターがの起動音が鳴る。


「分かった。このボタンを押せばいいんだな」


 洗脳解除システムが実行されたことによって、大陸連合軍の兵士は洗脳を解除され、元の記憶を取り戻したのだった。


「俺達は何をしていたんだ……? それに君たちは……」


 虚ろな顔でリュウタ達を見る兵士達。


「僕たちは、貴方たちが洗脳されていたことを知ったので脳波を正常な状態に戻したんです」

「そうなのか? ありがとう……、助かったよ」


 バローグ基地の兵士達は、とても嬉しそうな表情をしていた。

その後、リュウタ達はこの基地を後にする。



 一方、浮遊大陸軍は秘密裏に開発していたレベル3MH・ワイバースレイヤーの最終調整を行っていた。その機体は巨大な翼竜のような羽を持っており、戦闘能力も今までのMHとは桁違いであった。


「いよいよ完成まであと僅かか……」

「そうですね。これであのメタルクエスターの連中を殲滅できますな」


 果たして、ワイバースレイヤーはどれほどの強さの持ち主なのだろうか。

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