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学院の魔女の日常的非日常  作者: 只野誠
真冬にやって来た非常識ではた迷惑な来訪者

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真冬にやって来た非常識ではた迷惑な来訪者 その8

 打ち上げられた信号弾を見て、最初に動いたのは一つ目の外道だった。

 その大きな目を血走らせ、その大きな口を大きく開き、その大きな腕をさらに大きく振り上げ威嚇するように一歩、大きく飛び跳ね大地を大きく揺らした。

 それに反応するように白竜丸も口を名いっぱい開いて威嚇しかえす。

 白竜丸と一つ目の外道、その両者はにらみ合うように一度動きを止める。

 さらにスティフィが白竜丸の陰に隠れるように移動しながら、剣を構えつつ一つ目の外道を密かに狙う。

 マーカスは少し遅れて、自分の影から幽霊犬の黒次郎を解き放つ。

 そして、できるだけ多く外道種を狩れるだけ狩れ、と命令を下し、自身は黒次郎と同調はせず、自分も使徒魔術を使うために杖を構え集中する。

 エリックも外道種の数に驚きはしたものの、覚悟を決めて剣を抜き身構える。

 今日、エリックが持って来ているのは刃の潰れた訓練用の剣ではない。騎士隊の正規品の剣だ。

 鍛えられた鋼で作られた、武骨ながらにも多くの騎士隊に愛され使い続けられている実用的な剣だ。

 エリックはそれを真剣な表情で構える。エリックは外道とのまともな戦闘はこれが初陣となる。

 それでも気構えだけは負けないと、エリックは気合を入れる。

 だが、最初の攻撃はそれらのうちの誰のものでもない。

 妖狐と呼ばれる四足獣の外道だった。

 二本尾の妖狐は使徒魔術を警戒してか、いち早く青白い呪術の火をマーカスに向けて放っていた。

 術に集中しようとしていたマーカスは対応に遅れる。

 だが、青白い火の玉がマーカスに届く瞬間、それは白い尾っぽに、いとも簡単に打ち払われる。

 白竜丸はその巨大な尾っぽでマーカスを守った、と思った瞬間、急に方向転換をし、白竜丸が口を開けたままマーカスのほうを向いた。

 そして、まるでここにいる獲物は全部自分の物とばかりにマーカスに襲い掛かる。

「え? うおっ」

 それをマーカスは寸前のところで回避することができた。

 妖狐の放った火の玉を多少なりとも回避しようとしていたおかげではある。

 さらに白竜丸のその予想外の行動にスティフィも巻き込まれ、スティフィも自身の身の安全のため、一旦白竜丸の鞍にかけ乗った。

 スティフィでなければ白竜丸の急な振り向きに対応できずに、その巨体に巻き込まれていたかもしれない。

 あのまま白竜丸が一つ目の外道の気を引いてくれていたら、その大きな目に一突き入れられた、と、スティフィは舌打ちをする。

「な、なんだその生き物は!? 生き物なのか?」

 その様子を見ていた一つ目の外道がそんな言葉を漏らす。

 外道としても呪術の火を尻尾で払われたことが信じられないようだ。

 一つ目の外道としても、この白い竜のような生物がなんなのかよくわからない。

 だが、次の瞬間、その一つ目の外道を白竜丸の強烈な尾っぽの一撃が襲う。

 後ろを向かれていたので、一つ目の外道も完全に油断していた。

 不意の一撃に、一つ目の外道もたまらずによろめく。

 そして、白竜丸を避けたことで地面にうつぶせになっているマーカス、それを狙う小さな黒い顔にたくさんの短い手足のついた外道に噛みつき、引き裂き、そのまま丸呑みにする。

「ちょっとなんなのよ、コイツ! 無軌道過ぎない? 全方位に喧嘩売ってるじゃないのよ!」

 と、スティフィが白竜丸の鞍の上で絶叫するように叫ぶ。

 あまりにも予想がつかないのに、この場での影響力が強すぎる。スティフィとしてもやりずらい。

 白竜丸はどうも目に付く者、いや、目に付かない者にも、周囲にいるすべての者に手あたり次第攻撃しているように思える。

「なあ、マーカス、白竜丸の背中の上が一番安全なんじゃないか!?」

 その様子を見てエリックが白竜丸の鞍の上にいるスティフィを見てそんな提案をする。

 一瞬マーカスもそう思ったが、それこそ危険だと思いなおす。

「どうでしょうか、白竜丸は噛みついた後、その肉を噛み千切るためによく回転するので背の上も安全とは言えませんよ」

 白竜丸はやはり鰐だ。

 大きな獲物で噛み切れない相手であると、その肉を噛み千切るために噛みついた後、自身を猛烈に回転させて相手を引き裂くのだ。

 白竜丸が金属製の鎧をつけている今、その回転に巻き込まれただけでただでは済まない。

 エリック自身も以前に巻き込まれたことがある。あの時は強靭な防護服のおかげで大したことはなかったが、今、この場で巻き込まれたらただでは済まない。

 またスティフィならともかく、マーカスやエリックの反応速度では鞍に乗っている状態から脱出は不可能だ。

「馬鹿め、今そいつが喰ったのは強力な呪詛毒をその血に宿す奴よ、そいつも、それで終わりよ」

 一つ目の外道種が白竜丸を指さしそう言って馬鹿にして笑う。仲間の外道が喰われたことに関しては何もない。

 だが、通常の毒ならともかく呪詛の毒であるならば、白竜丸に効くわけもない。

「呪詛毒ってんなら平気よね、どんどん喰え! 暴れまくれ!」

 スティフィはとりあえず白竜丸の上で剣を振り敵を牽制して、白竜丸を嗾ける。

 その声にこたえる様に、少し大きめの外道に白竜丸が噛みついた。

 そして、噛み切れないと悟るや否や、白竜丸はその場でものすごい勢いで回転し始めた。

 スティフィもその回転に巻き込まれる寸前のところで白竜丸から慌てて飛び降りる。

 あの回転に巻き込まれていたら人間であれば、それだけで命を落としかねない。

 金属製の鎧を付けた白竜丸の回転は、凍てついた谷底を荒々しく削り、岩を砕き、その破片を周囲にまき散らしている。

 飛びのいた後のスティフィも飛び散る破片を避けて、慌てて距離をさらに取らざる得ない。

「やっぱり本当に全方位に喧嘩売ってるわね、あいつ、気性が荒いとかそういう話でもないでしょう」

 飛びのいた場所にいた外道を剣で一突きにして、この場をいい様に引っ掻き回されスティフィが怒ったように叫ぶ。

「きっと呪詛や外道の血を啜って興奮しているんですよ。白竜丸はどうも呪詛を好んで食べるようなので。でも、それなら黒次郎を同調させて外道種のほうへ誘導できるかもしれません!」

 そう叫んでスティフィに伝えつつもマーカス自身は動けずにいる。

 杖を妖狐に向け、妖狐もマーカスの使徒魔術を警戒し、お互いに動けずにいた。

 両者とも下手に動けないのだが外道のほうが圧倒的に数が多い。

 確かに戦闘向きの外道は少ないが、ただでさえ手数で負けているのに、その一つを封じられてしまうのは影響が大きい。

 訓練生のエリックも健闘はしているが、そもそもの数が違いするぎる。

 こちらが白竜丸と黒次郎を入れても五に対して、外道種達は百を優に超えている。今も続々と後続の外道種達が、妖狐の呪術が照らすこの場所へとやってきている。

「じゃあ、それをやって! エリック、死ぬ気でマーカスを守るわよ、私達が生き残るにはあの鰐の力に頼るしかなさそうよ」

 そう言った後、スティフィは小声で使徒魔術の発動呪文を唱える。

 それこそ、誰にも聞こえないように。誰にも悟られないように。それでいて早く。

 その直後、妖狐が鋭い赤い閃光の雷に打たれ、悲痛な鳴き声を上げてその場にうずくまる。

 スティフィの速攻、奇襲用の使徒魔術だ。それほど威力がある魔術ではなく、それ単体で倒せたわけではない。

 だが、それでマーカスに隙ができたのは確かだ。

 スティフィは左手が動けば、厄介な妖狐に追撃をして、とどめを刺せたと悔しがる。

 動かない自分の左腕にスティフィは舌打ちしつつ、マーカスを守るためマーカスに近寄る。

「任せろ、スティフィちゃん! 騎士隊の本分は外道種殲滅だぜ!」

 そう言うエリックだが、戦いの、白竜丸の暴れっぷりを見て興奮していたのか、何を思ったか剣を構えて外道の群れに単身突撃していく。

「あのバカが! 守れって言ってんのよ!」

 そう言って襲い来る外道を突き刺し、切り伏せ、スティフィはただ一人でなんとかマーカスを守ろうとする。

 その間にもマーカスは自由に外道種を襲わせておいた黒次郎をマーカスは戻らせ、白竜丸の影に潜ませる。

 だが、それは黒次郎が引き付けていた外道種もスティフィ達を再び狙いだすということでもある。

 そんなことは百も承知と、マーカスは急いで黒次郎を通して白竜丸に外道種の情報を伝えてやる。

 そうすることで白竜丸は嬉々として、その外道種を襲い始めた。

 手始めに遠距離から呪術を使う厄介な妖狐を狙わせる。

 妖狐を殺せば今この辺りを照らしている呪術の火の玉も消えるかもしれないが、それを差し引いても倒しておきたい厄介な相手だ。

「成功です! やはり白竜丸は呪詛と血を求めているようです」

 マーカスが嬉々として報告し、白竜丸の誘導は黒次郎に任せ、自身もやっと杖を構えなおす。

「それはもうただのバケモンじゃない!」

 スティフィはやっとまともに戦えると、そう思ったとき、何かが羽ばたく羽音共に上空から嫌な視線を感じる。

 スティフィ以外その姿を、闇夜を飛ぶしわがれた人間の顔と鋭いくちばしを持つ奇妙な怪鳥の姿に気づきもしない。

 しかも、それが夜空に大量に飛び交っている。

「イィィィィーーーーヒャッヒャッヒャッ」

 それは、おぞましい笑い声のような鳴き声を上げた。

 その鳴き声は一匹からではない、上空のいたるところから聞こえてくる。

 スティフィはその声に聞き覚えがある。

 注意しなければならない、特に複数に遭遇したときは、気を付けなければならない外道種の鳴き声だ。

「死告鳥!? 耳をふさいで! あの鳴き声を聞いたら呪われるわよ!」

 スティフィが叫び、自分は鼓膜に仕込まれている対音声魔術用の魔術を発動させる。

 この行軍が行われる前に事前に、胃に魔力の水薬を飲みいれていた物の魔力を使う。

 この方法でスティフィは魔力酔いを起こさないギリギリの量の魔力を体内に留めておいている。

 多少鼓膜に痛みは伴うが、そんな痛みを気にするスティフィではない。

 マーカスはスティフィの声を聞いてすぐに耳をふさぐが、エリックは戦いに夢中でその声に気が付けない。

 いや、元より耳をふさいでいる余裕がない。エリックは息をあげながら剣を絶え間なく振るっている最中だ。

 そうしないと奇妙な緑色をした、言うならば人面蛙のような外道を複数を単身で相手していて、気を抜けばそれに取りつかれるからだ。耳をふさいでいる暇などない。

 エリックは死告鳥の鳴き声を聞いて苦悶の表情を浮かべるが、自分も大声を出し、呪詛の鳴き声を軽減しつつ剣を振るい続ける。

 一つ目の外道が空に向かい、

「あの白い獣に呪詛を集中しろ! あれさえ倒せれば後はどうとでもなる!」

 そう声を発する。

 スティフィはそれを聞いて、笑いたい気持ちを抑える。

 死告鳥の鳴き声が一斉に白竜丸に浴びせられるが、白竜丸に効くわけもない。

 神々に呪われた地ですら平気で生きていくのが鰐という生物なのだ。

 それは呪いや呪術全般に対する完璧に近い耐性がなければ不可能なことだ。

 その様子をみて、外道達もこの白い生物に呪詛の類がまるで効かないとやっと悟る。

 その隙をスティフィもマーカスも見逃すわけがない。

「大気よ、踊れ集まれ、渦巻唸りて鳥を地に落とせ!」

 マーカスは使徒魔術を発動させ、辺りの空に気流を乱し小さな竜巻を空中に作り出す。

 数十匹という死告鳥が竜巻に巻き込まれ、地面にまとまって叩きつけられる。

 そこにすかさず白竜丸が喰らいつく。

 妖狐を狙っていたが、そちらのほうが好みだったようだ。

 黒次郎の誘導を無視して死告鳥に喰らいついている。

 その大きな口が閉じられると闇に紛れて見えはしないが真っ黒な血しぶきが上がる。

 闇に紛れているのは血しぶきだけではない、スティフィが闇に紛れ素早く動く。

 白竜丸の代わりに、立ち上がろうとしている妖狐のところまで行き、その眉間に剣を突き刺しとどめを刺す。

 そして、その死骸を剣を振るって、自分の方へと白竜丸が向かわないように、白竜丸のほうへ投げ捨てる。

 白竜丸はまだ口に死告鳥の大半を残しながらも、その妖狐にも喰らいついた。

 呆れた食欲だ。

 しかも、妖狐が照らしていると思っていた青白い火の玉はいまだ健在だ。どうも別の外道の術だったようだ。

 青白い火の玉を創り出している主も気になるところではあるが、この調子ならいける、と、スティフィも思い始めたとき、それは暗闇にいた。

 闇よりもなお暗い。

 スティフィの目をもってしても闇としか認識できない。うっすらと青く光る筋のようなものだけが人型で暗闇に浮かび上がる。

 それを見た瞬間、スティフィの背筋が凍り付き、絶望する。

「ヤミホウシ……」

 それも外道種の一種だ。

 これもまた良く知られていない外道種だが、闇夜に現れる死神のような存在として認知されている。

 死神とはいえ神を外道相手に例えるのは色々と不敬なのかもしれないが、そうと言うしか言い表せない外道種だ。

 よく知られていないのは出会ってしまった人間のほとんどが生きては帰れないからだと言われている。

「マーカス! 白竜丸にあれを! ヤミホウシを狙わせて!」

 スティフィが悲鳴のように叫ぶ。

 だが、マーカスは闇に潜み蠢くヤミホウシを認識することはできない。

 マーカスはスティフィの慌てようから深刻な事態と判断し、黒次郎にスティフィが指し示す方で一番強い気配の外道種を狙うように命令を飛ばす。

 そうすると白竜丸がマーカスは何もないと思っていた暗闇に向かって襲い掛かる。

 そして、見えない何かと周囲を巻き込んで争い始める。

 何とかその姿を認識できるスティフィもヤミホウシの元へ向かおうとしたところに、一つ目一本足の外道が大きく飛んで割って入る。

 そして、スティフィにその大きな目で睨みつける。

 スティフィは自身の瞳に描かれているいくつかの魔方陣を起動して、一つ目の外道の邪眼に抗う。

 ただし、急激に無理やり起動したため、負荷がかかりスティフィの視界が歪む。

 それに加え胃に貯め込んでおいた魔力のほとんどを消費してしまう。

 そこへ墜落を免れた死告鳥がやってきて、スティフィに呪詛を孕んだ鳴き声を一斉に浴びせかける。

 魔力の供給が減りその効果が頼りなくなっていた鼓膜に仕込まれた魔方陣は、呪詛に耐え切れずに鼓膜ごと崩壊させられる。

 耳が聞こえなくなったおかげで、幸いにも死告鳥の鳴き声をこれ以上聞くことがなく呪いの浸食もない。

 死告鳥の呪詛はその鳴き声を聞かなければ、その呪詛に侵されることもないからだ。

 この程度の、鼓膜程度の破損なら、後から魔術の治療でどうとでもなる。

 一番問題なのは、これでスティフィはマーカスやエリックとの意思疎通が難しくなったことだ。

 だが、そんなことよりも今この時は、少なくとも一つ目の外道種はスティフィが死告鳥の呪詛により呪い殺されたと思っているはずだ。

 スティフィの耳から鼓膜の損傷により流れ出た血が、そのことにより拍車をかけている。

 スティフィがその隙を活かさない訳がない。

 その隙をついて一つ目の外道まで一気に飛び込み、スティフィはその大きな瞳へと大型の刺突剣を突き出す。

 が、スティフィの剣が一つ目の目に届くことはない。

 一つ目はスティフィの突きを丸太のように太い腕で受けていた。

「危うい危うい、お前も呪詛に耐えうるか!」

 一つ目の外道はそう言って、もう片方の腕でスティフィを掴もうと手を伸ばす。

 スティフィは腕に刺さった剣を引き抜こうとするが、力を籠められたその太い腕から引き抜くことはできない。

 剣を諦め、スティフィは後ろに飛んで、自分を掴もうとしてくる腕から逃げ出す。

 武器を失ったスティフィには、まだその身体に仕込まれた使徒魔術の触媒で戦うことはできる。

 特に今は出し惜しみしている時ではない。

 だが、スティフィは自分の左手を失った状況を思い起こしてしまう。

 あの時は武器も仲間も失って今よりも大分酷い状況だったが、今にもそうなりそうなことに間違いはない。

 何よりあの時と違って今の仲間はスティフィにとって頼りがいがない。

 今のままでは間違いなく左手を失った時以上の惨事になりかねない。

 そのことがスティフィの判断を鈍らせる。

 そこへマーカスが何かを投げる。

 耳が聞こえなく目もまだ霞んだままのスティフィはそれに一瞬だけ気づくのに遅れるが、それを何とか右手で受け取ることが出来た。

 それは剣だ。

 細身の片刃剣、黒い刀身を持つ刀だった。

 だが妙に禍々しい気を感じる。

 手探りでなんとか柄に手をやると、柄を持つ手からも妙な、針で突き刺されるような痛みを感じる。

「師匠が貸してくれた剣です、使ってください。いわくつきだそうですが」

 その声はスティフィには届かないが、スティフィはその黒い刀を使って闇夜に紛れて襲い掛かってきていた死告鳥を反射的にではあるが、鞘を置き去りにする様に抜き放ち斬り捨てる。

 余りにも切れ味が良すぎて、まるで手ごたえがなく一瞬攻撃を外したのかとスティフィが勘違いするほどの業物だった。

 まだ目が霞んでいるスティフィには確認できなかったが黒い刀身についた死告鳥のどす黒い血がすぐに黒い刀身に吸われるように消えていく。

 血を啜りその黒い刀がさらに怪しさを増す。まるで刀自身が血を啜り喜んでいるかのようだ。

 スティフィは感覚で今自分が手にしているものが強力な呪物で妖刀の類だと気づく。

 そして、元はオーケン大神官の物だろうとも。

 それだけに何か嫌な代償でもあるかもしれない、と思いつつも今はこの妖刀に頼るしかない。

 なにせその切れ味は恐ろしく鋭い。

 武器としては間違いなく一級品だろう。

 そこへエリックが転がり込むように逃げ出してくる。

 息を切らしてはいるが、騎士隊の訓練生にしては今までよく善戦したほうだろう。

 エリックは息も絶え絶えになりながらも、もがく様に鎧の下から何か大きな物を取り出そうとしている。

 スティフィはそれを霞がかった視界で見る、と言うよりはエリックが鎧の下から取り出そうとしている物を感じ取って驚く。

 それは始祖虫との戦いで命を落とした教官、マージル教官の遺品ともいうべき簡易魔法陣だ。

 エリックはそれを鎧の下に仕込んでいたのだ。

 だから、あれだけの死告鳥の鳴き声を聞いても命を落とすまでいかなかったのかもしれない。

 なにせ強力な戦の神の力の籠った魔法陣だ。

 未完成の簡易魔法陣であっても護符代わりになっていたのだろう。

 だからこそマージル教官も絶えず背中にこの簡易魔法陣を背負っていたのだ。

 そして、それは戦いの神の雷弓を呼び出す強力な魔方陣でもある。

 エリックは取り出した魔方陣を広げてから、自らの親指を剣に這わせる。その剣は半ばで折られてはいるが、それでも簡易魔法陣を完成させられるだけの血はついている。

 指を切るわけではなく剣についている血が目的で、その血で魔方陣を書きたし、すぐに魔法陣を完成させる。

 その後で、エリックが折られた剣を投げ捨て両手を合わせ祈るような姿で何かをぶつぶつと言い始める。

 息を切らしながらもその言葉が絶えることはない。

 鼓膜を失ったスティフィには、その言葉は聞こえないが、それが拝借呪文であることは予想がつく。

 その間、マーカスはエリックが相手をしていた、エリックを追って来た人面蛙の相手を受け持つ。

 スティフィは目を霞ませ、耳は完全に聞こえない状態で経験と勘を頼りに剣を振るい今度はエリックを守る。

 そこへ、腕に刺さった剣を抜き、それをへし折り一つ目の外道が飛び跳ねてやってくる。

「たった三人と一匹でよくやりおる。しかし、ここまでだ!」

 そう言って一つ目の外道はその丸太のように太い腕を振り下ろした。

 耳が聞こえず目も満足に見えなくともスティフィはその攻撃をかわせる自信はあった。

 だが、今かわせばエリックはまともに攻撃を受ける事になるし、魔法陣から呼び出せる雷弓はとても強力な物で今失うわけにはいかない。

 スティフィは意識をとがらせて、耳は聞こえず目もまともに見えない中、迫りくる大きな腕を両断することを試みる。

 この妖刀の力なら、それも可能だという確信がスティフィにはある。

 その確信は想像以上の結果を見せる。

 余りにも妖刀の切れ味とスティフィ自身の剣の腕もあってか、勢い余って地面に妖刀の刃が深くめり込む結果となった。

 無論、その斬撃の軌道上にあった物を全て斬った上でだ。

「ぬぅ!」

 一つ目の外道が苦しそうな声を上げる。

 余りにもあっさりと丸太のような右腕が切り落とされる。

 一つ目の腕から、辺りに外道の黒い血が大量に降り注ぐ。

 地面から妖刀を引き抜くと既に付着しているはずの血が黒い刃にすべて吸われている。

 新しく降り注いだ血すら、その黒い刀身に触れると吸われるように消えていく。

 それと同時にスティフィの体に力と衝動が宿る。

 血を啜りたい、もっと血を見たい、切り裂きたい、何もかも、と。

 そして、それを実行できるだけの力が妖刀から流れ込んでくる。

 その衝動がスティフィの脳裏を駆け巡り、それを目の前の外道にぶつけてやる。

 目に見えなくともそのやり方は体に染みついている。

 一つ目の外道はもう一度その邪眼の力を使ってスティフィの動きを封じようと試みる。

 それを読んでいたスティフィはその視線の先、自分の目元を黒い刃で隠す。

 邪眼や魔眼などの術の多くは視線を合わせなければ効果が出ないものが多い。

 視線を合わせていれば目が霞んでいても因果が生まれ効果は出てしまう。だから、スティフィは目を刀で隠した。

 それで邪眼の力を反射できるわけではないが防げる。元より目はまともに見えていない。スティフィ的には見えなくとも変わりない。

 地面すれすれを滑るように走り一つ目の外道に肉薄する。

 一つ目の外道は残っている左手で薙ぎ払おうとするが、今の、妖刀から力注ぎ込まれているスティフィの素早さについてはいけない。

 一つ目の外道の視界が二つに割れる。

 最後にスティフィが自分を追撃する姿を目にするが、それ以降はその大きな瞳が何も映すことはない。


 もっと何かを斬りたい衝動に駆られ、スティフィはとりあえず身近にいる外道達を次々に斬り捨てていく。

 その度にスティフィの中に黒い衝動が、何かを斬りたい、血を啜りたいという欲望が強くなっていき、それを叶えるための力も流れ込んでくる。

 スティフィはデミアス教徒だ。

 欲望の扱い方は良くも悪くも心得ている。

 だから、その欲望ともいえる衝動の中、対象を間違わなければいいだけだと、その衝動に身を任せる。

 そして、斬り殺して良い対象はここにはたくさんいる。いや、斬り殺してよい対象しかここにはいない。

 マーカスやエリックを例え斬り殺してしまっても妖刀のせいにできるし、なんなら外道種に殺されたと伝えればよいだけだとスティフィはそう判断する。

 この場にミアや敬愛するダーウィック大神官がいなかったことに感謝したくらいだ。

 なら、この場は欲望に任せて思う存分斬り殺して、思う存分この妖刀と共に血を啜ればいいだけだ。

 獲物は腐るほどいるし、その為の力はこの妖刀が与えてくれる。

 それで自分だけでも生き残れると。


 人面蛙の相手をしながら、スティフィが妖刀に飲み込まれていくのを見て、マーカスはなんてもんを人に押し付けてんだ、とマーカスはオーケンに毒づく。

 無論、オーケン大神官をある種の尊敬はしているが、まったく信頼はしていないマーカスはスティフィに貸した黒い妖刀とは別に、ちゃんと自分用の剣を持ってきている。

 妖刀に呑まれたスティフィはまるで修羅だ。

 いわくつきとは聞いていたが、これほど危険なものとはマーカスも聞かされてない。

 妖刀に呑まれたスティフィをマーカスではもう止めることはできない。

 マーカスの技量では、今のスティフィに近づいただけで斬り殺される未来しかない。

 マーカスにできるのは、エリックの方にも自分の方にも来ないでくれよ、と祈る程度だ。

 それぐらいしかできないのでマーカスも自身が直面している問題のほうに注力する。

 この人面蛙の相手は厄介だ。

 あまり強くなく、爪や牙を持っているわけでもないし、蛙のように舌を使うわけでもない。だが、とにかく数が多い。

 跳ねまわり、取りついてくる。

 そして、その体液には毒があるのか、触っただけで服や鎧を溶かし痛みを与えてくる。

 それに、いくら斬り捨てても、次から次へと湧いて出てくるように思える。

 もしや不死なのでは、とマーカスが斬り捨てた人面蛙を見ると、斬り捨てたはずの蛙からブクブクと泡が立ち始め、こときれていたはずの人面蛙が立ち上がってくるのを横目ではあるが目撃する。

 それを見たマーカスは、こいつを白竜丸の餌にすれば餌代が浮くのでは? と思ってしまったくらいだ。

 それほどの再生能力を持つ外道が既に無数に取り囲まれている。

 スティフィが今持っている妖刀でなら殺し切れるかもしれないが、今のスティフィに助けを求めるのはそもそも自殺行為だ。

 そこへ暗闇から、大きな人面蛙、二足歩行で歩き、手に杖を持ち、背中からは、それこそ蛙の卵のような触手を多数生やした外道がゆっくりと現れた。

 マーカスはその名を知らないが、蛙魔人と呼ばれる外道種で人面蛙を生み続ける厄介な外道種だ。

 蛙魔人自体も高い再生能力を持ち、数々の怪しげな独自の術を行使してくる厄介な相手だ。

 その蛙魔人が口を開いたと思った瞬間、マーカスの手にしていた剣に蛙魔人の舌が素早く絡みつく。

 そして、嫌な臭いを発する。

 どうも舌を覆う粘膜は強力な酸のようだ。

 舌を巻きつかれたのが剣でなければ、それだけでマーカスは終わっていたかもしれない。

 蛙魔人はニタニタと笑うような表情を浮かべてから、その舌を引き戻す。

 それと同時にマーカスの持っていた剣が溶かされて折れていった。

 蛙魔人は最初から嬲り殺すつもりでマーカスの武器を狙ったのだ。

 そして、それはエリックも同じだった。

 エリックも蛙魔人に剣を折られたからこそ、一度退却し簡易魔法陣に頼ろうと思ったのだ。人面蛙相手に剣を振り続けることに限界を迎えたからではない。

 蛙魔人がゆっくりとマーカスに近づいてくる時、マーカスの後方に閃光が、闇夜を切り裂くまばゆいばかりの雷光が走る。

 エリックが戦いの神の雷弓の召喚に成功したのだ。

 エリックが雷弓を手に取り、蛙魔人に向けて狙いを定める。

 マーカスはその場から慌てて飛びのく。

 マーカスがその場から飛びのいた後、エリックは矢を、その雷の矢ともいうべき一撃を放つ。

 それはまさに閃光であり、神の一撃である。

 その雷は蛙魔人を貫き焼き殺し、その配下の人面蛙共も一網打尽に焼き尽くした。

 元々は真っ暗なはずの辺り一面に激しい雷光が照らし渡る。

 エリックが得意げな表情を浮かべる。

 敵を打ち取り雷弓が役目を終えたとばかりにエリックの手の中から消えていく。

 そして、雷光が消えた闇より新しい外道がやってくる。

 それは妖狐だった。しかし、スティフィが止めを刺した妖狐が二本尾だったのに対して、それは五本の尾を持つ妖狐だった。

 周囲に浮かんでいた青色い火の玉が五本尾の妖狐の周りに集まっていく。

 周囲を照らしていた火の玉は元々この妖狐が作ったもののようだ。

 五本尾の妖狐となると人が一人で対処するのが難しいと言われる類の強さを持つ外道だ。

 もし一人で倒せたら、それは類稀なる英雄と言われても良い、そんなことを言われている外道だ。

 マーカスもエリックもその資質は持っているかもしれないが、今はまだその時ではない。

 二人は自身の死を確かに悟った。

 だが、二人がこの場で死ぬことはない。


 妖刀に程よく飲まれ、程よく利用して何とか自分だけでも生き残ろうと考えていたスティフィは唐突な恐怖によって殴られたように目を覚ます。

 妖刀の力を超える、いや、歯牙にもかけないほどの恐怖。

 その身を竦ませ縮こませ、身動き一つさせないほどの圧倒的な力。

 その力の先にスティフィが目をやるとそれは確かにいた。

 霞んで見えないはずの目が、その存在だけははっきりと認識させてきた。

 それは人型をした枯れ木にも見えた。

 白い毛皮を纏った人型の枯れ木に見えなくはない。

 その異形の姿から外道種にも見えなくはないが、それを外道種と思うことは決してない。

 それを一目見て感じることは自然そのものに対する圧倒的な脅威だ。

「ふ、冬山の王?」

 スティフィはその姿を見て、その恐怖で震える体から見たことはなかったがそう確信した。

 精霊王が一人、この辺りの、本来ならかなり北に位置する天空にすらほど近い高い山脈の主である。

「我の庭先で汚らわしい者共がちょろちょろと何をしている」

 それは人間に理解できる共通語で確かにそう言った。

 その問いに答えられる者はいない。

 五本尾の妖狐もヤミホウシも無数にいるその他の外道種も、あれほど傍若無人だった白竜丸ですら、その存在に圧倒されその場に凍り付くように動けずに、ただただ冬山の王を見つめていた。

「人間共と争っておるのか、ふむ。おまえは…… 逃げだした人間だったか……」

 冬山の王がマーカスを見つけ、その表情を歪ませる。

「お、俺は、冥府の神…… デスカトロカの使いであなたに会いに……」

 マーカスはどうにか掠れる声でそれだけを伝えた。

 ここでそれを伝えなければ、再び氷の中に囚われる、そして、今度はもう二度と助け出されることはない、と確信したマーカスは必死でそれを伝える。

「おまえが使いだったのか。まさか人を使いに寄こすとはな…… まあ、良い。おまえら、人は見逃してやる。だが、汚らわしい者共は消えよ」

 冬山の王がそう言った瞬間、一陣の冷たい、身も凍るような風が吹いた。

 それで全てが終わった。

 その場に居た数々の外道種が全て凍てつき、既に息絶えていた。

 そして、その場に残った人以外の生物、白竜丸に冬山の王が気づく。

「ほう、こんなところで鰐を見るとはな。しかも良い目を持っておる。竜王の眷属でもあるか。ならば、その鰐も見逃してやる」

 そう冬山の王が言った後、物凄い吹雪が辺りを、まるでその雪自体が光を発しているかのように黒い夜を白く染めていく。

 辺りに静寂が、黒い夜が戻った時、もう全てが終わっていた。

 白竜丸を含めその場に残された者は、騎士隊が到着するまで、ただただその場に佇むことしかできなかった。

 

 強襲隊本隊に随行していたグランドン教授は聞いていた話よりも大分外道の種の数が少ないことに嘆いていた。

 途中で北の方で会敵したとの知らせもあったが、グランドン教授はより多く外道種が居ると思われる外道種が集まっている当初の場所を目指したからだ。

 だが、その場所についたはいいが外道種は移動した後のようで、外道種とはほぼ出会うことはなかった。

 信号弾の知らせ通り北の谷に外道種達の本隊は移動していたようだ。

「こちらは外れでしたか。残念でしたね」

 グランドン教授はそうカーレン教授に話しかける。

「あの信号弾のほうが奴らの本隊でしたか。向こうに向かったのは…… ローラン教授でしたか」

 カーレン教授は何とも言えない表情をしている。

「あんな場所で、いったい誰が見つけたんですかね。あちら側は谷になっているのですが、我は近寄りたくないのですよ。あの辺りはもう冬山の王の領域の近くなので」

 そんなカーレン教授に、グランドン教授は寒さからか足踏みをしながらそんなことを言った。

 カーレン教授は情報通りこちらが外道種達の本隊と思ったからこちらを選んだだけだ。

 グランドン教授のように冬山の王を気にしていたわけでもない。

 ローラン教授も恐らくは遊撃隊が会敵してしまったのだろうと、救援に向かっただけだ。

 冬山の王のことはあまり考えていないだろうし、ローラン教授なら例え冬山の王がいると知っていても救援に向かったかもしれない。

「ならば、そもそも向かうのも危険なのでは?」

 カーレン教授がそう言って渋い表情を見せる。

 誰が谷に向かったのかわからないが、そちらが外道達の本隊であり、それに出会ったのが遊撃隊の人間であれば、恐らくは既に全滅しているだろうと推測できる。

 その上で冬山の王が山降りてきてしまっていたら、救援に向かったローラン教授達も危険だ。

「なので我は遠慮したわけですよ」

 グランドン教授はしたり顔でそう言った。

「冬山の王、太古の精霊王の一人で、この地方の神話にもよく登場するような存在……」

「非常に危険な存在ですよ。外道種がそちら側を通ったとなれば、それにつられて冬山の王が山を降りて来るかもしれませんな。今日はもう撤収したほうがいいでしょう」

 今夜はやけに冷えますし、とグランドン教授は心の中でそう付け加える。

 もしかしたら、もう冬山の王が山を降りてきているのかもしれない。

 冬山の王が山を降りて来てしまえば、この強襲に参加している全部の隊が危険にさらされることとなる。

 この場所に外道種の本隊がいないのであれば長居したくはない。

「ふむ…… そうなれば被害が増えるだけ…… ですか」

 カーレン教授も先ほど考えていたことを口に出す。

 相手が精霊王であれば人ができることなど何もない。

 グランドン教授が言うことももっともだ。

 特に冬山の王は人間をひどく恨んでいる精霊王だ。

 出会えば氷漬けにされてかの王の領域で生きながらに苦しまされ飾られるという話だ。

「その通りですな。トラビス助教授、今日はもう撤退の準備を始めてください」

「はい、教授」

 グランドン教授が一人の助教授に指示を飛ばし、返事がすぐに返ってきた直後だ。

「伝令! 伝令! ふ、冬山の王が現れたそうです! 各自撤退を!」

 騎士隊の伝令兵が血相を変えて伝えてきた。

 それを聞いたグランドン教授も血相を変える。

「即時撤退に切り替えです。多少取りこぼしや忘れ物があっても気にしてはいけません、即座に撤退です!」

 グランドン教授はそう叫んだ後、我先にと学院を目指して走り出した。





 万が一、いや、千が一、百が一……

 十が一、誤字脱字があればご指摘ください。

 指摘して頂ければ幸いです。

 少なくとも私は大変助かります。


 あと感想などいただけると大変励みになります。

 さらに、いいね、評価、レビュー、ブックマークなどもいただけたら幸いです。

 その際には、一人嬉しさのあまり部屋で壁に腰をぶつけながら踊り狂います。


 ヤミホウシさんや五本尾の妖狐は、一つ目の外道種よりかなり格上の外道種でまともに戦えばスティフィでも手も足も出ずに勝てない相手だったりします。

 まあ、出番はもうないのでどんな外道だったかも不明のままだけどな!


 あと、一つ目の外道の血が降り注ぐシーンで、エリックが魔法陣が汚れないようにその身で盾になる場面があったのですがカットしました。

 ただでさえ、ずっと戦闘シーンなので邪魔かなって……

 他にも省くシーンがあったはずだけれども、なんか気になったてしまったので。


 どうなんじゃろ? 書いた方が良かったのかどうなのか……



 久しぶりにいっぱい戦闘シーン書いた気がする。

 まあ、その落ちが舞台装置起動させて終わらせるっていう残念な終わり方だけど。


 いや、最初っから冬山の王という舞台装置が出てくることは決まってるから、特に何も考えずに好き勝手出来て、書いてて楽だし楽しかったんだ!

 だから、お前はダメなんだと……


 あ、あと当初は妖刀は出すつもりはなかったです。

 なんか出しちゃった。

 スティフィが自分に刻まれている使徒魔術の触媒について色々考えるきっかけになるシーンのはずが……

 丸ごとぶっ飛んでしまったけど、気にしない!

 どうにかつなげてくれるはずだ、未来の自分が!


 自分を信じる自分を信じろ!



 その他の小説の進捗は、活動報告からどうぞ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 最近、戦力的空気だったスティフィがやばい超人になってて、アレでした。 ともあれ、スティフィが討伐対象になるかとしんぱいしました。
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