創世神話
初めに海があった。
海にはすべてが存在していた。それは混沌であった。
気が遠くなるような時をかけて海から神々が生まれた。
最後に一際大きい波があり、それが法の神となった。
法の神は混沌としたこの世を定義するため、自らの法の書に世界の理を書き記すことにした。
まず日曜日に周りの神々の名を書き記した。
月曜日には日曜日に記せなかった神の名を書き記した。
火曜日には忠実なる御使いの名を書き記した。
水曜日に精霊の名を書き記した。水曜日の午後に水から虫が湧き出た。
虫に声をかけたが返事は返ってこなかった。しかたなく法の書に虫の名を書き記した。
木曜日に木々の名を書き記した。木々の名を記し終わった時、虫を追って竜が世界に訪れた。
竜を歓迎し竜の名も法の書に書き記した。
金曜日に物言わぬ者の名を書き記した。
土曜日に我ら僕の名を書き記した。
法の神は我らに、法の書に名を記す事を拒んだものを外法の者とすると宣言し、お眠りになられた。
世界には未だ決められていない法が存在し、それが神によって定義されるのは法の神が再び目覚めたときとされる。
故に世界の在り方は未だに決まっておらず、今はまだ神話の時代であり創世の世である。