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初めての異世界探索:頼りの武器はバックパック?  作者: サトウ トール
第四章 光る要塞 第一節 聖女覚醒
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第八十六話 東山鉱山の開拓

 翌朝、迷宮拠点の食堂でアンジーさんと朝食を取る。ジャガイモ、胡椒をベースとした野菜たっぷりのスープを頂く。アンジーさんも、航空魔導部隊を軌道に乗せるのに忙しそうだ。また、この場でアナベルとも話しができた。大聖堂での、治療活動にも参加している模様。明るい笑顔を見ることができて、何より。




 さて、今日は黒い森の迷宮へと向かう。ここの地域では、迷宮南門前で大きく農地開墾を進めて、大麦と馬鈴薯の栽培をやることにしようとか、以前は考えていた。が、しかし、鉄鉱石や良質な石炭が入手でき、製鉄工場のめどが立つと、鉄道事業とコンテナ輸送の実験工場を作ってみたくなるのが人の道というもの。早速、鉱山トロッコから着手しよう。




 人員としては、黒い森の手入れを行ってきた戦闘奴隷十八人を中心に賄いたい。彼らは、体力、腕力があるから、土砂をナベトロに積み込むくらいはどうということはないだろう。これまで、塔周辺の倒木の伐採、間伐などを手始めに、迷宮南門方面へ迷宮領域内の森林の整備を進めてきた。迷宮南門と迷宮塔との間に、馬車道の整備も目途が立った。また、黒い森の沢から小川を引き、清流を炭焼き工場へ増やすことも出来た。




 何とも頼りになる彼らだが、人員不足は否めない。更なる奴隷の追加やストリートチルドレンの勧誘なども視野に入れていく必要があるだろう。もっとも、当初の鉱山トロッコは実験からなので、人手はそれほどかからないと思われる。まずは走らせてみよう。




 モデルは、トンネル掘削機。所謂いわゆるシールドマシン。進行方向にトンネルの掘削面があり、そこにおろし金のような細かい刃――カッタービット――が円周状・放射状に設置された、カッターヘッドという回転する面板があり、それを押し付けることでトンネルを一日十メートルほど掘削する。そして更にレールも敷設していこうと欲張る。




 騒音とは無縁の場所では、二十四時間駆動させることが可能だ。担当者は八時間勤務の三交代制か。東方山岳戦線の鉱山――東山鉱山と名付けよう――と黒い森の迷宮とは、距離がある。通うのには無理がある。鉱山にも拠点を設けた方がよいのだろうか? まあその方がよいのだろうな。




 シールドマシンは、前方の土砂を削り、後方に土を送り、崩れないように同時にトンネルの壁を組み立てていく。後方に排出された土をナベトロに積載し、先頭ゴーレム車両がけん引し、トンネル外に引っ張り出す。山積みされた掘削土砂は、俺が週に一度、バックパックに取り込み、中で仕分け、分別し、鉱物関係は製鉄工場へ、それ以外は埋め立てる。ここの部分は、クロネコ商会ならではの作業効率となる。別のところでは、ここの行程も考えなくてはならない。あるいは、マジックバッグの開発が待たれるところだ。




 まずは、シールドマシン、ゴーレム機関車、ナベトロ車両を製造か。シールドマシンの要であるカッタービットは、常に土を掘り分け硬い石を削る過酷な部品であるため、アダマンタイトとヒヒイロカネの超硬合金の強靭な素材で作る。マシン本体の外殻は、内部でトンネルが構築されるまでの間、周囲の土圧・地下水圧に耐える役割を果たすため、こちらもオリハルコン合金製。




 ――そんな希少金属をどこから入手するか? そんなのは帝都ベルーナのショット商会には、ごろごろあるだろう。たぶん……。




 ゴーレム機関車は、土属性使いの魔法使いが操縦する。採掘場と土砂堆積場を単純往復するだけなのだが、傾斜があるため、搬出には土砂満載のナベトロ車両を引き上げるパワーが必要だし、帰りはブレーキをかけながら進むテクニックが必要だ。そこで重要となる土属性使いだが、帝都ベルーナのショット商会へ手配しよう。奴隷の魔法使いは高額だが、仕方あるまい。できれば三交代できる三名体制を速やかに築きたい。




 鉱物のある場所、出水する可能性のある場所は、俺の探索で事前に全部把握できる。まずは、坑口から高度差があまりなく、搬出距離も短いところでテストしてみよう。幸い、鉱山入り口からそう遠くない箇所に目途がついている。第一鉱区の先だ。一番坑道が硬い岩盤でせき止められたその先に、お宝が埋まっている。




 午前中には、そんなことに頭を巡らせ、作業中の戦闘奴隷十八人を引き連れて、迷宮の食堂で昼食を一緒にとる。調理スキル持ちの二人が切り盛りする食堂では、本日のランチは、焼肉定食と野菜スープ。皆でそれを食べながら、まとめ役を任せている班長と話をする。槍使いのロイ。話した内容を振り返ると、ロイの顔色が変わったのもわかる気がする。




 ――君たち、次の仕事は鉱山勤務ね。




 驚いただろうな。いや、申し訳ない。ちょっとしたイタズラだよ。




 さあ、まずはショット商会へ出向き土属性魔法使いと希少金属の手配をしようか。あわせて水属性使いも抑えておきたい。平行して、東山鉱山に拠点を設け、人員の手配、鉄道レールと枕木の製造。やることは山積みだ。







 希少金属は、帝都ベルーナの商業ギルドにゴロゴロあった。戦闘奴隷も二十人ほど賄うことができた。なんと、土属性使い、水属性使いが三人ずつ、火属性使いまで一人入手できた。他にも、東山鉱山の拠点での働き手として、調理スキル持ち二人、計算スキル持ち二人も入手できた。なんと全員で三十一人、皆女性だ。




 都合の良いことだな。まずは、黒い森の拠点に引率して、疲れをとって、あとはロイにお任せ。宿舎も拡張しておこう。


しかし、ゴーレム機関車が作れるのなら、ゴーレム馬車も作れるだろうに。

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