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初めての異世界探索:頼りの武器はバックパック?  作者: サトウ トール
第四章 光る要塞 第一節 聖女覚醒
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第八十話 回復と治癒の女神エイルさまの加護

 白き者。それは、光属性使いの魔法使いのこと。俺にはそれしか思い当たらない。俺には、光属性使いの身体から白い色が零れ落ちて見える。そして、クロネコ商会クランで、ただ一人の光属性使いの魔法使い、アナベル。




 アナベルを、女神エイルさまに差し出しなさいということなのだろうか。イルメハ大聖堂の所属にしなさいということなのだろうか。まずは、彼女を大聖堂の女神エイルさまの像にお目通りさせてみようか。スィ司教に会わせてみようか。




 ――まずは、そこからかな。その後のことは、追々考えよう。




 回復と治癒の女神エイルさまの加護を得た俺は、光属性の魔法が使えるようになっていた。特に、ヘブンズサンダー、ハイヒーリング、パーフェクトヒーリングは、俺との相性が良いようだ。


 ――ヘブンズサンダー:天から一筋の雷光を落とす。相手を高確率でスタン、麻痺、盲目状態にする。


 ――ハイヒーリング:心や体をもともとある良いバランスに戻す。怪我、疾病などの治療。欠損再生を行う。


 ――パーフェクトヒーリング:心や体をもともとある良い状態に戻す。欠損なども元に戻す。




 そして、ヘブンズヒーリング。心や体を高次元で癒す。身も心もとろける至福のひとときが味わえる魔法。何故か攻撃や防御魔法でも治癒魔法でもない、リラクゼーション魔法なのだ。




 ――これが、至高の魔法なのだろう。




 アナベルにも、回復と治癒の女神エイルさまの加護を賜りたいものだ。パーフェクトヒーリングが使えるようになれば、クロネコ商会クランは無敵に一歩近づくことになるだろう。そのことを実感させるために、俺にまず女神の加護をお与えになられたのだろう。ならば、この話し、乗らない手はない。




 その日の夜、装備の手入れ、夕食を終えたアナベルを伴って、イルメハ大聖堂の女神エイル像を祀ってある礼拝堂を訪れる。既にシスターが三人、役務をこなしていた。


 ――いったい、いつの間に? どこから、連れてきたのだろうか? 仕事が早いぞ、スィ司教!




 スィ司教立ち合いの元、二人して像前に膝まづき、女神エイルさまに祈りを捧げる。




 ――女神エイルさま お約束通り、白き者を連れて参りましたよ。




 しばらくして、アナベルの身体が震えていることに気づく。恐らく、女神エイルさまが直接彼女に神託なされているのだろう。アナベルの目から大粒の涙が零れ落ちる。と、アナベルの身体が白く発光して、そして落ち着く。アナベルの背中に白い大きな翼が見えた。




 ――ような気がした。




「聖女アナベルよ、女神エイルの御言葉をしっかりと体現なされよ。」

 スィ司教の重々しい言葉が、礼拝堂内に響く。




 アナベルが、回復と治癒の女神エイルさまの加護を賜り、光属性魔法使いとして覚醒した瞬間だった。




 スィ司教に浄財献金として、金のインゴットを三本、サンズ王国金貨の入った袋を一袋、奉納して、アナベルを連れて帰還した。帰る途中、アナベルは大粒の涙を流し、笑顔で微笑んでくれた。




「これでようやく、みなさんのお役に立つことが出来ます。」

 アナベルが、声を絞り出すように話す。


「アナベル。それは違うよ。アナベルは、今までもみんなに貢献してくれていたよ。ありがとう。そして、これからもよろしくね。」

 俺は、アナベルのメンタル面をフォローしながら、今後の活躍を期待する。







 翌朝、俺はアンジーさんと朝食を共にしながら、昨日のことを話す。イルメハの迷宮南門に大聖堂を建立したこと。回復と治癒の女神エイルさまの加護を得たこと。アナベルが聖女として覚醒したこと。


「アナベルの成長は頼もしい限りね。女神エイルさまの加護を貰ったことは、ぼくも羨ましいし。」

 アンジーさんが、少し羨む。




 ――君には、シルフィードがいるし、大鷹のフィーもいるじゃん!




 その後、航空魔導部隊の様子について話をする。新入り四人の成長も目覚ましく、航空魔導部隊の充実ぶりは、思った通りなのだろう。アンジーさんの言葉の端々に、少し余裕を感じる。




 八歳のジェミニやエマを含めて十三人部隊。火属性使いが二人、風属性使いが三人、水属性使いも三人、土属性使いも三人、そして雷属性使い、光属性使いがそれぞれ一人ずつ。この部隊が将来的には五十人小隊程度に育って欲しい。そうなると、モクバをいつまでも隠し通せなくなるだろうけど。




 そして、男の子四人は、スタミナ面でもガッツでも一枚上手なようだ。頼りになる子たちのようだ。




 ――航空魔導部隊の習熟度向上は、順調かな。




 そうなると、今度は町の様子が気になってくる。が、今日は黒い森の方に移動しなくてはならない。朝食を終え、イルメハの迷宮南門に顔を出し、クロネコ商会の二人と軽く打ち合わせをし、ビール樽とブランデー樽をたんまりと預け、俺は黒い森の迷宮に移動した。




 イルメハ大聖堂には、既に多くの礼拝者が訪れていた。そして、下働きのものも含めて多くの教会関係者が既に仕事に従事していた。




 ――スィ司教さま、いったいいつのまに!


 光属性使いの魔法使いアナベル。今年十歳になる女の子。濃い金髪、ブルーの瞳。白を基調とした航空魔導部隊戦闘服パイロットスーツ。聖女として覚醒、回復と治癒の女神エイルさまの加護を賜る。

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