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初めての異世界探索:頼りの武器はバックパック?  作者: サトウ トール
第三章 新型 第三節 復活!バックパック
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第六十七話 鋼鉄(スチール)騎士

光り輝く召喚陣は、次の魔物を召喚したあとだった。




召喚されたのは騎士タイプの装備をした剣士。剣と盾を装備した西洋風の騎士タイプの魔物。百八十くらいの体高。このタイプ、俺のダンジョンにも欲しいぞ。本気でそう思わせる造形。



――カッコイイィィーー!



が、しかし、騎士ナイトの動きがどうもおかしい、なめらかじゃないし遅い。中身はダメだな、フルアーマーが重すぎるのだろう。軽量化魔法かフルアーマー素材の見直しをお勧めしたい。黒ずんだフルアーマーだ、銀騎士シルバーナイトではないのだろう。最初は、暗黒騎士ダークナイトかと思ったが、それにしては動きがとろい。鈍くさい。



もしかして罠か? もしかして訓練用の装備なのか?



いや、もしかして、単にアイアンなのか?



騎士の走り込みからの袈裟斬りを躱し、フルアーマーに直接手を触れてみる。金属の感触が、冷たい。げんこつでノックしてみる。そんなことが出来てしまうスピードなのだ。



コンコン、カン。



やはり鉄かぁ。



――アイアンなら俺の長ドスでたたき切れる。



空振りした騎士は振り返り、体勢を整えて攻撃してくる。水平突きを躱し、長ドスを剣に合わせる、が叩き切れない。



――なら、こいつは鋼鉄スチールだな!



「電撃!」



バリバリバリッ!



鋼鉄スチール騎士に、電撃が直撃、鋼鉄は良く電気を通す。死亡判定が立った。



姿、形は良かったのだが、性能が低すぎた。鋼鉄騎士の魔石を砕く。



先に切り裂いた召喚士の死体を回収する。召喚士は、この大陸では初めてみるような人種だった。顔が四角い感じで一重まぶた、つり目かつ細くて大きな目が特徴か。彫りが浅く、鼻が低い。足が長く、体は細い。



明らかに帝国人ではない。帝国内紛をそそのかしているのは、どこかの国の差し金のようだ。もっと東の地域の国の民か。寒い地域ではないだろう。まずはブラウン卿に見せてみよう。



アマンダとブラウン卿の移動に合流しようとしたが、彼らは、飛竜で移動しているのだった。追いつくのは無理だな。予定外の足止めを喰らって、停戦協定が遅れているのだ。急いで然るべきだろう。



俺は身体強化を掛け、アマンダの後を追う。南方海洋戦線の前線拠点へと向かい、そこで合流し話しをする。ブラウン卿とアマンダは既に、前線拠点での打ち合わせ中で、明日にも停戦協定交渉の場を設ける段取りのようだ。その段取りがひと段落ついたところで、先ほどの召喚士の顔をみてもらう。



「これは、ケイナ国の兵だな。」

直ぐにブラウン卿の返事が返ってくる。



「帝国内に居れば、かなり目立つだろうに。誰かに匿われていたのか。」



「鳥かごの結界の主ハイ・ハルピュイアを召喚していました。恐らく、誰かの指示でしょうが、次の召喚を行っていましたので、直ぐにたたっ斬ってしまいました。」

俺は、恐縮してそう述べる。自白調書を取れなかった。



「いや、こうして無事に前線に戻れたのだ。感謝する。」

俺に正対して帝国陸軍少将は礼をする。



「この戦争は、ケイナ国の意向が色濃いのだろう。我がマルーン帝国とケイナ国の間には、東方にはシャインズ王国があり、南方海洋地帯には、キプリー王国がある。帝国は今、この二国との戦闘を展開している訳だが、それはケイナ国も同様だ。」

少将は、地面に棒で帝国の地図と戦線の状況を簡単に示し、帝国とケイナ国の位置関係を教えてくれる。



「資源と南洋への港が欲しいのは、ケイナ国も同じ。両国に帝国との停戦協定が成立すれば、軍事面では、両国ともケイナ国との戦線に集中できるわけだから、ケイナ国としては、帝国にはぜひとも戦争を継続して欲しいだろう。」

少将の口から、ため息が漏れたように感じる。



ケイナ国の事情に振り回されるのは勘弁だと言いたげだ。ただ、帝国陸軍内にケイナ国とのつながりがある者がいて、その者たちも戦争を継続したいと意図を持っている。さて、あぶり出して始末した方が俺のためだろうか。



「陸軍内部のことは、私に任せてもらおう。もう同じ轍は踏まないし、アマンダも居てくれる。君には、エイダのことを頼みたい。」

ブラウン卿の指示が飛ぶ。



「了解しました。エイダさんのことはお任せください。では、後ほど帝都で。」

そう言い残して、俺はエイダの居るであろうオ-スティンへと向かった。







ギィィーン



俺の長ドスと大型のマチェットが鎬を削る。長身、細身の体躯は良く鍛えられている。俺の百六十の身長では、三十くらい上から振り下ろされてしまう。大型のオークやミノタウロスと戦ってきたが、今の相手は人間だ。スピードが違う。鍛え抜かれた武力が違う。身体強化がなければ、俺の得物がもっていかれる。



ギィン



正対してのつばぜり合い、睨みあうが、目線が酷く片寄っている。クソッ! 間合いを取ると、走り込みからの袈裟斬りを仕掛けてくる。俺は一歩下がり間合いをとる。が、それは囮で、本命はそこからの逆袈裟斬り。長身の敵とは歩幅も違う、更に一歩踏み込まれての切り上げを喰らう。受けた長ドスが巻き上げられそうになる。



間髪置かず、袈裟斬り、左薙ぎ、右薙ぎと繰り出してくるのを、焦らず丁寧に受ける。一瞬止まった隙を逃さず、俺は左手で敵の右手を掴み、右手から水平突きを繰り出す。



ザシュッ



身体をひねり躱されるが、長ドスを引きながらも、右手首を切り刻む。マチェットを取り落とす。



ウォッォ



叫び声をあげた敵に一気に間合いを詰め、胴を払う。重く堅い手応えがあった。血糊を払い、長ドスを納刀し周囲を索敵するが、俺を出迎えた敵は一人だけだった。監禁場所は既にもぬけの殻。東方山岳戦線方面へ移動した後だった。



監禁されていたであろう建物を探索する。何か見落としてはいないだろうか。が、ケイナ国とのつながりを示すものは見つけられなかった。唯一の証拠がこの死体。ひとまず収納し、俺はエイダの後を追う。


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